歴史家陳寿が「非常の人、超世の傑」と評したように、曹操は、
兵法にも文化方面でもたぐいまれなる才能を発揮した傑物です。
しかし、『三国志演義』では、主人公劉備の敵役のため、
とにかく残虐で非道な悪い奴として描かれています。
私は個人的には曹操のことがちょっと好きですので、たいていのことは
かばえる自信があります。
でもその中で、「これはちょっとひどいな……」というエピソードがあります。
曹操若かりし頃、董卓暗殺計画が失敗し、敗走した際の話です。
この記事の目次
呂伯奢一家殺害事件
董卓の暗殺計画が失敗し、逃亡した曹操は、郷里に帰る途中で、
友人の呂伯奢(りょはくしゃ)の家に立ち寄りました。
あいにく呂伯奢は留守でした。
子供たちはとても礼節があり、曹操をもてなそうとしてくれました。
ところが曹操は、彼らが料理する音を聞き、自分を殺すつもりだと思い込み、
夜のうちに一家を皆殺しにしました。
そして、この時に発した言葉がこれです。
「俺が人を裏切ることがあろうとも、人が俺を裏切ることは許さない!」
ジャイア○……(以下自粛)
ちなみにこの話は、『正史三国志』には載っていません。
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『三国志演義』で残虐度に磨きがかかる
『三国志演義』では、さらにいっそう悲惨な事件に描かれています。
呂伯奢は、突然訪れた曹操を歓迎するために、酒を買いに行きました。
曹操は、家の裏手で刀を研ぐ音を聞き、誤解して、男女の見境なく、
居合わせた八人を皆殺しにします。
殺してから、誤解であったことに気づいた曹操は、急いで馬に乗って逃げました。
途中で、酒を買ってきた呂伯奢とすれ違いますが、呼び止められても返事せず、
行き過ぎます。
そして、不意に剣を抜き、呂伯奢を追って、斬り殺してしまうのです。
呂伯奢が家に帰ったら、家人が殺されていることを知り、騒ぎになるからです。
そこで、このセリフ。
「俺が人を裏切ることがあろうとも、人が俺を裏切ることは許さない!」
これは、確かにひどい事件です。
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この記事を書いた人:東方明珠
こんにちは。とうほう めいしゅです。
中国は上海の雰囲気が好きなので、テレビ塔の「トンファンミンジュ」を名乗っています。
もともと『水滸伝』の大ファンで、『三国志』に興味を持ったのは、アーケードゲーム「三国志大戦」がきっかけです。
当時はゲームセンターに通いつめました!
まだまだ中国史について勉強中ですが、精いっぱい面白いことを探してお伝えしたいと思っています。
どうぞよろしくお願いいたします。