菫卓軍は、虎牢関で呂布が反菫卓連合軍に敗北した事で、洛陽を維持するのが不利である事を悟り、ここを焼き払います。そして、民と献帝を率いて西の長安へと遷都してしまうのです。
反菫卓連合軍、完全にやる気がなくなる
菫卓を打倒して帝を取り戻し、褒美をもらうつもりだった、反菫卓連合軍は、骨折り損のくたびれ儲けをする事になりました。再び、菫卓軍を追撃しようという動きは無く、連合軍は、最早、何の為に終結しているのか分からずモチベーションが希薄でした。
洛陽に一番乗りした孫堅は玉璽をGET
そんな折、洛陽に一番乗りした孫堅は、焼け落ちた王宮の後片付けをしている間に伝国の玉璽を発見します。本来は皇帝に返却すべき玉璽ですが、孫堅は野心から、これを返却も報告もせず、懐に入れてしまうのです。
ところが、これを見て、連合軍のリーダー、袁紹に密告するものがいました。袁紹は自分も玉璽が欲しくてたまらないものですから、自分が預かって皇帝に返却すると孫堅から玉璽を巻上げようとします。
しかし、孫堅は、「玉璽なんぞ知らん」の一点ばりで、そそくさと兵を纏めて洛陽を引き上げてしまうのです。
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玉璽が欲しくてたまらない袁紹がとった行動
治まらない袁紹は、諸将の中の劉表に命じて、密かに孫堅を殺してしまおうとします。この仲間内の内ゲバを知った連合軍の諸将は、袁紹に愛想を尽かし、領地に引き上げてしまいます。こうして、反菫卓連合軍は崩壊し、諸将は領土を広げる為に銘々で戦を繰り返すようになり中国は戦国時代に突入します。
さて、劉表軍に襲われた孫堅は大ダメージを負いながらも何とか、本拠地江東まで帰還します。
怒る孫堅
「おのれ、袁紹!!自分が玉璽を持つ為に劉表をけしかけおって、、劉表も劉表だ、強い者に媚びるゲスな男よ、、」
憤慨している孫堅に、かつての上司である袁術より密書が到着したのは、それから程なくの事でした。
「袁紹と劉表が手を組んで、お主の領地である江東を狙っているぞ、、」
劉表の領地である荊州は、江東の直ぐに上で、劉表が南下するという事は充分に予測できる事でした。激怒した孫堅は、やられる前にやると荊州への出陣を宣言します。
「大将、まだ劉表が江東に攻めてくる様子はありません、袁術の虚報かも知れません、自重して下さい」
程普や黄蓋のような名将は、頭に血が上っている孫堅を諌めます。
「黙れ!!劉表は余を殺そうとした袁紹の手下ぞ、、殺される前にこっちから攻めてやるのだ!!」
軍を起こした孫堅は、荊州に攻め入り、黄祖が守る樊城を陥落させます。
孫堅軍止まらない!
孫堅はさらに鄧城を陥落させ、破竹の勢いでした。劉表は、慌てて、重臣である蔡瑁(さいぼう)に1万の大軍を与えて派遣します。しかし、これも孫堅軍の猛将、程普に撃破されました。孫堅は渡河して、劉表軍の本拠地襄陽を包囲します。ところが、ここで思わぬ落とし穴が待っていました。
劉表軍の軍師、蒯越(かいえつ)が武将の呂公に授けた策に嵌ってしまうのです。援軍を求めようと、襄陽を抜け出した呂公、、これを追撃した孫堅は深追いし過ぎてしまいます。そこに新手の劉表軍が出現して、孫堅に轟雨のような矢を降らしてきたのです。
孫堅・死す
隠れる場所もない平地で矢を受けた孫堅は、ハリネズミのようになり絶命します。三国志の序盤を彩る英雄の呆気ない最期でした。主を失った孫堅軍は、撤退し孫堅の荊州攻略は失敗に終わるのです。
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