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何で日本人は三国志が好きなの?

2015年3月4日


 

三人(魏 呉 蜀)

 

三国志は、中国のお話ですから、

いかにも中国でも人気があるように思いますが、

実はそうでもないようです。

 

というのも歴史が長い中国では、三国志ばかりではなく、

楚漢決戦も、史記もあれば、楊家将もあれば、水滸伝もあればで、

歴史劇に事欠かないからなのだとか、、

 

中国人の認識での三国志は、日本の源平合戦のようなもので、

あらすじは知っていても、細かくは分からない

という人が多いとの事です。

 

では、どうして、日本では、中国史=三国志となるのでしょうか?

そこには、日本人に好かれる約束パターンを三国志が不思議に

踏襲しているという事実がありました。

 

監修者

ishihara masamitsu(石原 昌光)kawauso編集長

kawauso 編集長(石原 昌光)

「はじめての三国志」にライターとして参画後、歴史に関する深い知識を活かし活動する編集者・ライター。現在は、日本史から世界史まで幅広いジャンルの記事を1万本以上手がける編集長に。故郷沖縄の歴史に関する勉強会を開催するなどして地域を盛り上げる活動にも精力的に取り組んでいる。FM局FMコザやFMうるまにてラジオパーソナリティを務める他、紙媒体やwebメディアでの掲載多数。大手ゲーム事業の企画立案・監修やセミナーの講師を務めるなど活躍中。

コンテンツ制作責任者

おとぼけ

おとぼけ(田畑 雄貴)

PC関連プロダクトデザイン企業のEC運営を担当。並行してインテリア・雑貨のECを立ち上げ後、2014年2月「GMOインターネット株式会社」を通じて事業売却。その後、「はじめての三国志」を創設。現在はコンテンツ制作責任者として「わかるたのしさ」を実感して頂けることを大切にコンテンツ制作を行っている。キーワード設計からコンテンツ編集までを取り仕切るディレクションを担当。


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日本人のお約束:主人公は志半ばで死ぬ

劉備玄徳が眩しい理由 三国志

 

日本人は、主人公に人生を全うする事を望みません(笑)

 

全ての願いを叶えてライバルを蹴落とし大往生を遂げる

という最期は、あまりに上手く行きすぎて嫌みだからです。

 

徳川家康は、天下を取り、徳川300年の歴史を築くのに

秀吉、信長より人気がないのも、それが原因です。

 

例えば、日本史最初のスーパースター源義経は、

平家を壇ノ浦で滅ぼす武勲を立てながら、

最期には、兄頼朝に疎まれて奥州平泉で最期を迎えます。

 

また、幕末最大のヒーローである坂本龍馬も、

薩長同盟を締結させ、大政奉還を実現させながらも、

名も知らぬ暗殺者に殺され最期を迎えます。

 

劉備も孔明も、蜀漢を建てるまではいくのですが、

宿敵魏を打倒できず、無念のまま最期を迎えるのです。

 

ここが、何とも言えない判官ひいきの感情を誘い、

三国志に日本人を引きつけるのです。

 

日本人のお約束:主人公はだらしがない(笑)

劉備 だらしない

 

日本人は主人公に完全無欠の英雄を求めません、、

というか、完全無欠のキャラクターは嫌われ、仇役になる事が多いです。

 

その代表例は、坂本龍馬でしょう、、

少年時代は寝小便たれ、青年期には剣術だけで難しい事は分からない

坂本龍馬は、勝海舟の薫陶を受けて、非凡な政治センスを身につけます。

 

一方の劉備も、戦争は下手で負けてばかりですが、

孔明を得てからは、大きく成長し、蜀の皇帝へと貫録を付けていきます。

 

 

日本人のお約束:主人公は差別しない

桃園兄弟

 

日本人が好む主人公は差別をせず、多くの人を飲みこむ度量があります。

 

戦国のヒーロー豊臣秀吉は人たらしとして人心を掴むのに巧みで、

竹中半兵衛、黒田官兵衛のような軍師を迎え入れる事に成功して、

天下獲りの下地を築いていきます。

 

また、坂本龍馬は、倒幕組織である海援隊の中に佐幕

(幕府を助ける)派の小谷耕蔵という人を入れています。

仕事を真面目にしてくれれば思想・信条は問わなかったのです。

 

劉備も、孔明を得る時には20歳も年が違う孔明に臣下の礼を取り

その心を掴んでいます。

また、傲慢な所がなく、慕ってくる農民を見捨てなかった部分も

差別をしない事に繋がっています。

 

日本人のお約束:主人公は貧乏

朝まで三国志 呂布 劉備

 

日本人が求める主人公像には、貧乏というか主人公が

生まれつき逆境を背負っているというのがあります。

 

 

大体にしてライバルは金持ちのエリートというケースが

多く、それが感情移入しやすい側面を造っているのです。

 

まず、源義経ですが、彼は貧乏ではありませんが、

幼くして母と引き離され鞍馬寺に入れられて坊主になる運命でした。

 

坂本龍馬も貧乏ではありませんが、土佐では郷士という

身分の低いサムライで常に上士の圧迫を受けています。

それを抜け出す為に脱藩して狭い土佐を抜け出し、

土佐の龍馬から日本の龍馬に育っていくのです。

 

豊臣秀吉は、百姓の子供で幼い頃は貧乏でしたが、

それにも負けず、知恵と勇気と行動力で信長に認められ

出世街道を驀進していきます。

 

当然、劉備も演義では、母一人子一人の貧しい筵売りです。

おまけにライバルの曹操は大金持ちで、最初の出会いは、

曹操が官軍の将校で、劉備は義勇兵の兵卒でした。

 

これも、主人公に貧乏、或いは逆境を求める日本人の好みに

合致していると言えるでしょう。

 

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この記事を書いた人:kawauso

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kawauso

自己紹介:

三度の飯の次位に歴史が大好き

10歳の頃に横山光輝「三国志」を読んで衝撃を受け
まずは中国歴史オタクになる。
以来、日本史、世界史、中東、欧州など
世界中の歴史に興味を持ち、
時代の幅も紀元前から20世紀までと広い。
最近は故郷沖縄の歴史に中毒中、、

好きな歴史人物:

西郷隆盛、勝海舟、劉邦、韓信、、etc

何か一言:

歴史は現在進行形、常に最新のジャンルです。

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台湾より南、フィリピンよりは北の南の島出身、「はじめての三国志」の創業メンバーで古すぎる株。もう、葉っぱがボロボロなので抜く事は困難。本当は三国志より幕末が好きというのは公然のヒミツ。三国志は正史から入ったので、実は演義を書く方がずっと神経を使う天邪鬼。

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