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【はじめての孫子】第6回:勝つために最も大切なことは智謀でも勇気でもなく、緻密な計算

この記事の所要時間: 347

 

「はじめての孫子」第6回。今回は「形篇」です。

 

戦争を国の存亡に関わる重大事として、戦わずして勝つことを至上とした孫子。

もし、どうしても戦わなければいけない時は、敵軍と自軍の戦力に関する情報をきちんと踏まえた上で、勝つ算段をつけてから戦わなければいけないと、孫子は説いています。

 

しかし、いくら勝てる算段があっても、闇雲に敵を攻撃するばかりでは、勝てる戦も勝てません。

はたして、孫子の説く『必勝』の構えとは、いったい……?

 

前回記事:【はじめての孫子】第5回:戦わずして人の兵を屈するは、善の善なる者なり

関連記事:三国志を楽しむならキングダムや春秋戦国時代のことも知っておくべき!

関連記事:キングダムと三国志の違いって何?時代を追ってみる

 

 

「形篇」の要点

孫子の兵法 曹操

 

・防御は最大の攻撃

・勝敗は開戦前に決している

・戦場の広さや距離、必要な兵力と物資の量をきちんと把握すべし

 

守ることはたやすく、攻めることは難しい

669505_PhalArgos

 

実際の戦場にあって戦いを始めるにあたっては、まず守りの陣形を固めなければいけない。

孫子は、実戦における姿勢の基本は守備の姿勢であると言います。

 

なぜ、守るほうが攻めるよりも重要なのでしょうか?

 

図は、古代ギリシャの時代によく使われていた『ファランクス』と呼ばれる陣形です。

 

ファランクス wiki

 

ご覧の通り、歩兵が大きな盾と長い槍を持って密集し、そのまま突進攻撃を行うというものです。

盾でしっかり守られていますから、遠くから弓を持って攻撃しても有効打は与えられませんし、近接戦闘をしようにも、この槍より短い武器ではアドバンテージが得られません。

 

攻撃され難いということは、=味方の犠牲を最小限に抑えるという効果があるわけです。

 

城や砦が丘や山の高いところに造られるのも、守備を念頭においてのことです。攻め手は斜面を昇りながら戦わざるをえず、これはかなり不利な体制です。

 

そこで、攻め手はいろいろと試行錯誤して敵の守備を崩す必要に迫られるわけです。

このような理由から、戦場での戦いは、必然的に攻め手が先手を取って動き、守備側は後手に回って相手の出方を見るという展開になっていきます。

 

がっちりと守りを固めることで、守備側は相手の動きを良く観察する機会を得ます。

攻撃側が勝利を得るためには、なんとか相手の防御を崩そうと、あれやこれやと手を打たざるを得ません。しかし、動き回ることで、自ずとその陣形は乱れて隙を生むことになります。

 

孫子はこのように述べています。

『機を見ることに長けた優れた将軍は、まず守りの姿勢をしっかりと固めた上で、相手が右往左往するうちに隙を見せるのを待つ。

そして隙ができたらその気を逃さず攻める』

 

孫子の兵法においては、まさに「防御は最大の攻撃」ということができる、という訳です。

 

勝つために最も大切なことは智謀でも勇気でもなく、緻密な計算

三国志 麻雀

 

戦わずに勝利を得ること、それが孫子の兵法の奥義です。

 

そして、孫子はこうも言います。

真に戦いに長けた者は、相手を知った上で、漠然と見ているだけではつかむことのできない勝機をはっきりと見分けている。

それを見分けることができるものは開戦前にすでに勝っているのであり、それを見分けられないものは最初から負けている、と。

 

だから、戦いに勝つのに本当に必要なのは智謀でも勇気でもないと、孫子は述べています。

本当の意味での勝利者は、最初から勝つ戦いで勝っただけのことなのですから。

人々が褒め称えるような智謀も勇気も、そこには入ってくる余地はないというわけです。

 

関連記事:関羽が打った囲碁って、どんなものだったの?

 

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