諸葛亮をこよなく愛した土井晩翠、星落秋風五丈原が後世でも形を変えて愛されていた!

『星落秋風動物園』???




photo credit: Patience / Paciencia via photopin (license)

 

土井晩翠が初めて雑誌に『星落秋風五丈原』を掲載した頃、上野動物園にいたボルネオ産のオランウータン(当時は 猩々 しょうじょう と呼ばれていた)が亡くなりました。

上野の動物園に来た際には大変話題になったそうですが、やはり日本の気候に合わなかったとか。

それに際し、「文藝倶楽部」という雑誌で坪内水哉という人が『猩々の追善』という事で文章を書いたそうです。

 

上野動物園のお客が入って来ない日に、亡くなった猩々を偲んで動物園の動物達が猩々のいた柵の前に集まり弔文を読み、哀しんでいました。

という架空のお話です。

その中で歌われたのが『星落秋風動物園』だそうですよ。

 

気になる詩はこちらです。

 

上野の山に風あれて

時雨降りしく動物園

北海道の羆(ヒグマ)さえ

寒さに頸を縮むめり

况して天竺熱帯の

野山に育ちし動物が

寒気に得堪へでゆくりなく

健康傷るぞ是非もなき

猩々病篤かりき。

 

 

元になった『星落秋風五丈原』をベースに、何とも上手いこと歌ってくれております。

現代だったらTwitterで大拡散ですね!

#星落秋風五丈原 で色々な作品が生まれそう。




数奇な運命を辿った叙情詩

 

さて、それほどまでに愛された土井晩翠の『星落秋風五丈原』ですが、後世でも微妙に形を変えて愛される事となります。

 

純粋に叙情詩として、諸葛亮を詠った詩として愛される他に、戦時中には軍歌・戦時歌謡として広く愛された時期もあります。

五・十五事件に参加した三木卓が作詞した「青年日本の歌(昭和維新の歌)」にも一部使われました。

戦後は創価学会で頻繁に学会の歌として歌われるようになったり作者の手を離れた後は、数奇な運命を辿った叙情詩でありました。




意気揚々と、諸葛亮!軍歌 星落秋風五丈原!


戦時中この詩の一部を使った軍歌が大ウケした理由は、諸葛亮が軍事的天才である所と、その忠義心に惹かれた者が多かったからだそうです。

お酒の席では定番の曲だったとか。

 

え?お酒の席?

諸葛亮、涙の詩じゃないの?

 

『軍歌 星落秋風五丈原』と探すと、すぐに曲を聴くことができます。

聴くとわかるのですが…めっちゃくちゃに明るいノリノリの軍歌です。意気揚々と

 

『丞相〜やーまい、あつかりきー!!』

 

と歌ってます!なかなか元気な曲に仕上がってます。

病だけど、頑張ろう!という意味合いでとれば良いのでしょうかね…。

 

作曲者不明だそうですが、あの世で土井晩翠に怒られればいいと思います。

 

 

三国志ライターAkiのひとり言

Aki

 

諸葛亮を詠った詩は杜甫(とほ)なども多く残しています。

杜甫の詩も秀逸で、志半ばで命を落とした諸葛亮の思いが溢れています。

 

土井晩翠の『星落秋風五丈原』は大好きで、高校時代には授業に全く関係ないのに一生懸命暗誦していた程です。

諸葛亮の誠の姿勢と、選び抜かれた美しい言葉に心を打たれる名作です!

 

個人的に軍歌は軍事的天才と忠義心、という所が一人歩きして持て囃されちゃった感が否めないです。

諸葛亮は大好きですが、軍事的に特に優れていたというよりは外交や政治手腕の方があったタイプだと思うので…

もしや諸葛亮だけに、神風頼み!?

それはそれで、確かに諸葛亮は最適かもしれませんがね。

 

とりあえず、土井晩翠の美しい叙情詩の世界観が吹っ飛ぶ軍歌でビックリしました。

 

いずれにしても、諸葛亮の生き様と誠の忠義心、そしてそれを綴った土井晩翠の叙情詩は、時代を越え、今もなお多くの人の心を動かしているのは間違いありません。

 

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この記事を書いた人:Aki

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■自己紹介:

歴史全般大好きなのですが、三国志大好き歴は20年以上。

地元には『諸葛川(もろくずがわ』という川があるのですが、名前を見る度にニヤリとしてしまいます。

好きな歴史人物:曹操諸葛亮、額田王、織田信長

何か一言:いつか三国志の小説でも書いてみたいです♪

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