キングダムの騰とは?王騎の副官から六大将軍へ、強さとファルファル、韓を滅ぼした史実の内史騰

2016年1月24日

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kawauso編集長(石原 昌光)

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「はじめての三国志」にライターとして参画後、歴史に関する深い知識を活かし活動する編集者・ライター。現在は、日本史から世界史まで幅広いジャンルの記事を1万本以上手がける編集長に。故郷沖縄の歴史に関する勉強会を開催するなどして地域を盛り上げる活動にも精力的に取り組んでいる。FM局FMコザやFMうるまにてラジオパーソナリティを務めるほか、紙媒体やWebメディアでの掲載多数。大手ゲーム事業の企画立案・監修やセミナーの講師を務めるなど活躍中。

コンテンツ制作責任者・おとぼけ(田畑 雄貴)

コンテンツ制作責任者

おとぼけ(田畑 雄貴)

PC関連プロダクトデザイン企業のEC運営を担当。並行してインテリア・雑貨のECを立ち上げ後、2014年2月に「GMOインターネット株式会社」を通じて事業売却。その後、「はじめての三国志」を創設。現在はコンテンツ制作責任者として「わかるたのしさ」を実感していただけることを大切にコンテンツ制作を行っている。キーワード設計からコンテンツ編集までを取り仕切るディレクションを担当。

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王騎の隣で、いつも表情一つ変えずに立っていた騰。物語が進むにつれて、六大将軍の一人となり、ついには韓という国を一つ終わらせる将になりました。

 

2016年1月に「騰は実在したのか」をテーマに公開したこの記事を、その後の原作の展開に合わせて作り直しています。王騎の副官だった騰がどの戦いをへて大将軍になり、なぜ自らその座を降りたのか。史書に残る「内史騰」の記録とあわせてたどります。

 

※この記事は2026年10月時点の内容です。原作の最新話(第890話)までの展開に触れています。

 

結論:騰は王騎の軍を継いだ六大将軍。韓を滅ぼしたあと、六将を退く

 

項目 内容
読み とう
立場 秦の大将軍。王騎の副官を長く務め、王騎の死後にその軍を率いる
六大将軍 61〜62巻で六大将軍が復活し、その第二将に任じられる
主な戦い 馬陽の戦い(11〜16巻)、合従軍(25〜34巻)、著雍の戦い(35〜37巻)、什虎城の戦い(60〜61巻)、韓攻め(73〜77巻)
韓攻めの結末 77巻 第837話「東龍の鐘」で新鄭の城門が開き、戦わずに入城する
その後 77巻 第844話で六大将軍を退くと告げ、旧韓の地にとどまる
アニメ 声は加藤亮夫さん
史実 『史記』に「内史騰」として登場。韓王安を捕らえ、韓の地を潁川郡にした

 

巻の範囲はWikipedia「キングダム (漫画)」のあらすじの章立て、話の番号と題は集英社の単行本の目次、話の中身ははじめての三国志の各話レビュー記事で確かめました。

 

関連記事:キングダムの今の戦いはどこ?邯鄲攻略戦の現在地が3分でわかる【888話時点】

 

キングダム人物名図鑑

 

騰はどんな武将?王騎の影にいた、もう一人の大将軍

 

騰は、長く王騎のそばに控えてきた副官です。王騎の冗談にも真顔で応じる、つかみどころのない人物。物語の序盤では、王騎の隣に立つ不思議な男、という印象の人も多かったはずです。

 

ところが王騎は、騰の力を自分にも見劣りしないと見ていました。16巻で王騎が亡くなると、騰は王騎の軍を引き継ぎ、将軍として表に出てきます。

 

戦い方の名物は、片手の剣を高速で振り回し、敵兵をなぎ払っていく姿。そのときの「ファルファル」という音から、読者のあいだでは「ファルファル将軍」とも呼ばれています。草刈り機が戦場を進んでいくような光景ですが、本人はいたって真面目な顔。

 

王騎軍の古株・録嗚未や隆国たちも、そのまま騰の軍の主力として戦い続けています。

 

関連記事:キングダム「騰は強いのになんで王騎の副官なのか?」

 

騰の主な戦い:合従軍から韓攻めまで

 

巻 戦い 騰に起きたこと
11〜16巻 馬陽の戦い 王騎の副官として戦う。16巻で王騎が亡くなり、その軍を託される
25〜30巻(26巻 第283話) 合従軍の戦い 楚の第一軍とぶつかり、その将・臨武君を討つ(第283話)。最終盤には王賁・蒙恬を前線に抜擢する
35〜37巻 著雍の戦い 秦軍の総大将として魏の要所・著雍を攻め、手に入れる
60〜61巻 什虎城の戦い 蒙武とともに楚と戦い、騰の軍が楚の本陣を落とす
61〜62巻 六大将軍の復活 六大将軍の第二将に任じられる
73〜75巻 韓攻め(南陽) 韓の南陽を戦わずに開かせ、秦兵の乱暴を禁じて、住民とともに治める
75〜77巻 韓攻め(新鄭) 韓の王都・新鄭へ。英呈平原などで韓軍を破る
77巻 第837話「東龍の鐘」 新鄭 攻撃の命令を出さずに待ち続けた末、城門が開く
77巻 第840話「譲渡」 新鄭 韓が秦に国を譲り、韓が滅ぶ

 

巻の範囲と中身は、Wikipedia「キングダム (漫画)」のあらすじと各話のレビュー記事によります。

 

南陽で騰がしたことは、作中でも珍しい攻め方でした。城を戦わずに開かせたあと、兵の乱暴を固く禁じ、もとの城主とともに町を治める。南陽の様子が伝わると、韓の城主たちは新鄭に兵を出し渋るようになります。剣を抜く前に、相手の国の空気を変えていったわけです。

 

そして新鄭。騰は、韓の王族の寧と、ひそかに約束を交わしていました。攻撃の準備がすべて整っても、命令を出さずに待ち続ける騰。仲間の将たちが焦り始めたそのとき、城の鐘が鳴って門が開きます。

 

ここは、読んでいて息を止めていました。

 

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キングダムを100倍楽しむ

 

騰は六大将軍を辞めた?寧との結末

 

韓が滅んだあと、騰が選んだのは六大将軍を降りる道でした。

 

77巻の第842話、国を失った重さに耐えきれなくなった寧が橋から身を投げ、騰は鎧のまま飛び込んで彼女を救います。続く第844話で、騰は六大将軍を降りて旧韓の地にとどまると告げました。このとき騰の背骨が曲がっていると見抜いたのは、羌瘣。

 

第845話では、王翦が残る五将の前で、騰が退いたことを伝えています。その後の騰は、寧とともに、潁川郡となった旧韓の地を治める側に回りました。

 

死ぬまで戦場に立ち続ける将が多い『キングダム』で、生きたまま大将軍の座を降りるというのは、かなり珍しい道。李牧を倒す役目は、信たちに託されました。

 

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キングダム武将の哀しすぎる最期

 

史実の騰:「内史騰」として韓を滅ぼす

 

騰は、『史記』にも名前が出てくる人物です。秦始皇本紀には、二度登場します。

 

年 『史記』秦始皇本紀の記事
始皇十六年(紀元前231年) 韓の南陽の地を受け取るため兵を出す。南陽の仮の長官は騰
始皇十七年(紀元前230年) 内史の騰が韓を攻め、韓王安を捕らえて、その地をすべて取る。そこを郡とし、潁川と名づける

 

南陽を先に治め、その翌年に韓を滅ぼして潁川郡を置く。作中の騰がたどった道は、この二行の記事にぴたりと重なっています。

 

ただ、肩書きは「内史」。内史は都とその周りを治める長官で、もともと戦の専門職ではありません。それでも騰は、その内史の肩書きのまま軍を率いて韓を攻めています。王騎の副官としての騰、六大将軍としての騰は、ほとんどが作中の描き方です。

 

『史記』の本紀が騰について語るのは、韓を滅ぼしたこの二行だけ。そこから、王騎の隣に立ち続けた男の半生を作り上げたところに、『キングダム』の大胆さがあります。

 

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史実版の春秋戦国時代の年表

 

キングダムの騰のよくある質問

 

騰は死亡しますか?

 

第890話の時点で、生きています。韓を滅ぼしたあと、六大将軍を退き、旧韓の地を治めています。

 

騰は六大将軍の何番目ですか?

 

第二将です。61〜62巻で六大将軍が復活したときに任じられました。

 

騰は史実に実在しますか?

 

実在します。『史記』秦始皇本紀に「内史騰」として、韓を攻めて韓王安を捕らえた記事があります。

 

「ファルファル」とは何ですか?

 

騰が剣を高速で振り回すときの擬音です。読者のあいだでは、騰の代名詞のようになっています。

 

春秋戦国ライターkawausoの独り言

 

三国志ライターkawausoの独り言

 

2016年の初版は、王騎と騰の漫才仕立てで、「騰は実在したのか」を話し合う形で書いていました。王騎に「内史というのは将軍じゃありませんねェ」と突っ込まれ、騰が「ファルファル、まるで分からないであります」と返す、という具合です。

 

それから10年近く。作中の騰は、本当に一つの国を、ほとんど血を流さずに終わらせてしまいました。内史という肩書きの騰が、なぜ韓を攻める将になったのか。その答えを、原先生は南陽と新鄭の場面で描いてみせた、と読みたくなります。

 

 

 

 

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台湾より南、フィリピンよりは北の南の島出身、「はじめての三国志」の創業メンバーで古すぎる株。もう、葉っぱがボロボロなので抜く事は困難。「はじめての三国志」編集長。三国志・中国史を中心に、日本史から世界史まで幅広いジャンルの記事を執筆・編集し、当サイトでは4,000本以上の記事を担当。三国志は正史から入ったため、演義を書くときのほうが神経を使うという天邪鬼。故郷・沖縄の歴史に関する勉強会の開催や、ラジオパーソナリティとしての活動も行う。

-登場人物・キャラクター
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