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【5分で分かるビジネス三国志】三言で田嬰(でんえい)を動かした男

2016年3月10日


 

劉備

 

飛び込み営業の方なら経験があるでしょうが、

アポがない状態での、お客様の対応は冷ややかなものです。

最初から、こちらの言い分など聞く気もなく、

表情には「早く帰れ」という色がありありと浮かんでいます。

春秋戦国時代、そんな頑なな、お客マインドに陥った人物がいました。

それが、斉の王族、靖郭(せいかく)君、田嬰(でんえい)です。

 

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監修者

ishihara masamitsu(石原 昌光)kawauso編集長

kawauso 編集長(石原 昌光)

「はじめての三国志」にライターとして参画後、歴史に関する深い知識を活かし活動する編集者・ライター。現在は、日本史から世界史まで幅広いジャンルの記事を1万本以上手がける編集長に。故郷沖縄の歴史に関する勉強会を開催するなどして地域を盛り上げる活動にも精力的に取り組んでいる。FM局FMコザやFMうるまにてラジオパーソナリティを務める他、紙媒体やwebメディアでの掲載多数。大手ゲーム事業の企画立案・監修やセミナーの講師を務めるなど活躍中。

コンテンツ制作責任者

おとぼけ

おとぼけ(田畑 雄貴)

PC関連プロダクトデザイン企業のEC運営を担当。並行してインテリア・雑貨のECを立ち上げ後、2014年2月「GMOインターネット株式会社」を通じて事業売却。その後、「はじめての三国志」を創設。戦略設計から実行までの知見を得るためにBtoBプラットフォーム会社、SEOコンサルティング会社にてWEBディレクターとして従事。現在はコンテンツ制作責任者として「わかるたのしさ」を実感して頂けることを大切にコンテンツ制作を行っている。キーワード設計からコンテンツ編集までを取り仕切るディレクションを担当。


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斉の王族、靖郭君、田嬰、城壁の事で揉める

 

 

靖郭君、田嬰は、斉の覇者である威(い)王の子であり、

斉の宣(せん)王とは、異母兄弟にあたりました。

彼は薛(せつ)という領地を持っていましたが、その領地の城壁が、

低すぎると感じて、増築を開始します。

 

ところが、当時、田嬰と、宣王の仲はよくありませんでした。

そこで、城壁を高くするのは、返って宣王の警戒心を強めると

反対する声が多かったのです。

 

「今、城壁を高くすれば、政敵に田嬰は斉から離脱する為に

城壁を高くしようとしていると讒言されます、どうか、

増築は、時期を待って頂きたい」

 

田嬰の食客は、次々にやってきて、田嬰を諫言します。

最初は、「たかが城壁位の事で、そんな事にはならないだろう」

と穏やかに返答していた田嬰ですが、沢山の食客が

同じ諫言をするので、とうとうキレてしまいます。

 

腹を立てた田嬰は、城壁の話は取り次ぐなと厳命

 

 

「ええい、忌々しい、たかが城壁の事で考え過ぎだと

言ったであろうが!!もう、先生達の御高説は聴きたくない

城壁の話をする者は、二度と取り次ぐな!」

 

田嬰は、こう厳命しました、これで、食客は

諫言が出来なくなってしまったわけです。

 

田嬰のガードを破る、男の奇妙な言葉

 

 

その事から、しばらくして、一人の男が田嬰への面会を願います。

そして、男は、渋い顔をしている田嬰に、

 

「三言だけしゃべらせてください、もし、それ以上、

しゃべったら、釜ゆでにされても文句はありません」

 

と告げました。

 

田嬰が許可すると、男は大きな声で、

 

「海!大!魚!」

 

と叫ぶと、そのまま、帰ろうとしました。

はっとした、田嬰は、男を呼びとめます。

 

田嬰「お待ちなされ!今の三言の意味をお聞かせ下さい」

 

男「申し訳ありませんが、私は釜ゆでにされたくありません」

 

田嬰「そのような事はしません、どうか、落ち着いて、

今の言葉の意味を教えてくだされ!!」

 

男は、海、大、魚の意味を伝える

 

 

田嬰が男を引きとめて、上座に案内して座らせると、

そこから、男は静かに語り出しました。

 

「おそれながら、只今の、私の三言について申し上げます。

まず、海とは、本国すなわち斉の事を意味しています。

そして、大魚とは、この薛におられる、あなた様の事です。

 

大魚は、海の中にいればこそ、力を遺憾なく発揮できますが

一度、陸に上がれば、あたら虫けらの餌食です。

 

あなたは、城壁を高くして薛を守ろうとお考えですが、

それによって斉王に見放されたら、どうなさいます?

それこそ海を失った大魚、例え天に届くような

城壁を積み上げても何の役にも立ちませんぞ」

 

これを聴いた田嬰は、深く頷いて、城壁の増築を

とり止めたのでした。

 

 

男の諫言は、誰にも破れなかった田嬰の心の鍵を開いた

 

 

 

男が田嬰に語った話自体は、何も珍しくありません。

それまでに食客が繰り返し語った話です。

ですが、男は、最初に、海、大、魚の三言を加える事で、

どうせ説得に来たのだろうと構える田嬰のガードをかわし、

その懐に飛び込んだのです。

 

営業の鉄則は、商売らしい話をしない事

劉備 黒歴史

 

抜群の成績を残すセールスマン程に、商売の話はしないものです。

出来るセールスマンは、商売の話よりも雑談の方が長く、

商品の前に自分が気に入られてしまうのです。

 

「あなたのオススメする商品だから間違いない買おう」

こうなってしまえば、相手を説得する必要さえなくなります。

 

そこで第一段階として、覚えておきたいのが、

相手が想定して構えている事から、話題を外してしまう事なのです。

 

春秋戦国ライターkawausoの独り言

kawauso 三国志

 

これは、まだ、米ソ対立が激しかった時代の話です。

当時の社会党の代議士が、がやがや騒がしい壇上に上った時、

 

「いま、まさにこの時! ソビエトが北海道に

攻めてきたらどうするか!」

と大声で、叫びました。

 

聴衆は戦争反対で、親ソの社会党の代議士が、

そんな事を言うのでびっくりして、一瞬で私語が止んで

静かになったそうです。

 

もちろん、その後、その代議士は、ソビエトが攻めてくる話など

少しもせず、普段の演説をして帰ったそうですが、

相手の意表を突いてガードを下げさせる上手い方法ですね。

 

本日も悠久の春秋戦国時代に乾杯!!

 

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kawauso

台湾より南、フィリピンよりは北の南の島出身、「はじめての三国志」の創業メンバーで古すぎる株。もう、葉っぱがボロボロなので抜く事は困難。本当は三国志より幕末が好きというのは公然のヒミツ。三国志は正史から入ったので、実は演義を書く方がずっと神経を使う天邪鬼。

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