【5分で分かるビジネス三国志】三言で田嬰(でんえい)を動かした男

2016年3月10日


 

劉備

 

飛び込み営業の方なら経験があるでしょうが、

アポがない状態での、お客様の対応は冷ややかなものです。

最初から、こちらの言い分など聞く気もなく、

表情には「早く帰れ」という色がありありと浮かんでいます。

春秋戦国時代、そんな頑なな、お客マインドに陥った人物がいました。

それが、斉の王族、靖郭(せいかく)君、田嬰(でんえい)です。

 

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斉の王族、靖郭君、田嬰、城壁の事で揉める

 

 

靖郭君、田嬰は、斉の覇者である威(い)王の子であり、

斉の宣(せん)王とは、異母兄弟にあたりました。

彼は薛(せつ)という領地を持っていましたが、その領地の城壁が、

低すぎると感じて、増築を開始します。

 

ところが、当時、田嬰と、宣王の仲はよくありませんでした。

そこで、城壁を高くするのは、返って宣王の警戒心を強めると

反対する声が多かったのです。

 

「今、城壁を高くすれば、政敵に田嬰は斉から離脱する為に

城壁を高くしようとしていると讒言されます、どうか、

増築は、時期を待って頂きたい」

 

田嬰の食客は、次々にやってきて、田嬰を諫言します。

最初は、「たかが城壁位の事で、そんな事にはならないだろう」

と穏やかに返答していた田嬰ですが、沢山の食客が

同じ諫言をするので、とうとうキレてしまいます。

 

腹を立てた田嬰は、城壁の話は取り次ぐなと厳命

 

 

「ええい、忌々しい、たかが城壁の事で考え過ぎだと

言ったであろうが!!もう、先生達の御高説は聴きたくない

城壁の話をする者は、二度と取り次ぐな!」

 

田嬰は、こう厳命しました、これで、食客は

諫言が出来なくなってしまったわけです。

 

田嬰のガードを破る、男の奇妙な言葉

 

 

その事から、しばらくして、一人の男が田嬰への面会を願います。

そして、男は、渋い顔をしている田嬰に、

 

「三言だけしゃべらせてください、もし、それ以上、

しゃべったら、釜ゆでにされても文句はありません」

 

と告げました。

 

田嬰が許可すると、男は大きな声で、

 

「海!大!魚!」

 

と叫ぶと、そのまま、帰ろうとしました。

はっとした、田嬰は、男を呼びとめます。

 

田嬰「お待ちなされ!今の三言の意味をお聞かせ下さい」

 

男「申し訳ありませんが、私は釜ゆでにされたくありません」

 

田嬰「そのような事はしません、どうか、落ち着いて、

今の言葉の意味を教えてくだされ!!」

 

男は、海、大、魚の意味を伝える

 

 

田嬰が男を引きとめて、上座に案内して座らせると、

そこから、男は静かに語り出しました。

 

「おそれながら、只今の、私の三言について申し上げます。

まず、海とは、本国すなわち斉の事を意味しています。

そして、大魚とは、この薛におられる、あなた様の事です。

 

大魚は、海の中にいればこそ、力を遺憾なく発揮できますが

一度、陸に上がれば、あたら虫けらの餌食です。

 

あなたは、城壁を高くして薛を守ろうとお考えですが、

それによって斉王に見放されたら、どうなさいます?

それこそ海を失った大魚、例え天に届くような

城壁を積み上げても何の役にも立ちませんぞ」

 

これを聴いた田嬰は、深く頷いて、城壁の増築を

とり止めたのでした。

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-執筆者:kawauso, 春秋戦国時代
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