【5分で分かるビジネス三国志】三言で田嬰(でんえい)を動かした男




劉備

 

飛び込み営業の方なら経験があるでしょうが、

アポがない状態での、お客様の対応は冷ややかなものです。

最初から、こちらの言い分など聞く気もなく、

表情には「早く帰れ」という色がありありと浮かんでいます。

春秋戦国時代、そんな頑なな、お客マインドに陥った人物がいました。

それが、斉の王族、靖郭(せいかく)君、田嬰(でんえい)です。

 

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斉の王族、靖郭君、田嬰、城壁の事で揉める

 

靖郭君、田嬰は、斉の覇者である威(い)王の子であり、

斉の宣(せん)王とは、異母兄弟にあたりました。

彼は薛(せつ)という領地を持っていましたが、その領地の城壁が、

低すぎると感じて、増築を開始します。

 

ところが、当時、田嬰と、宣王の仲はよくありませんでした。

そこで、城壁を高くするのは、返って宣王の警戒心を強めると

反対する声が多かったのです。

 

「今、城壁を高くすれば、政敵に田嬰は斉から離脱する為に

城壁を高くしようとしていると讒言されます、どうか、

増築は、時期を待って頂きたい」

 

田嬰の食客は、次々にやってきて、田嬰を諫言します。

最初は、「たかが城壁位の事で、そんな事にはならないだろう」

と穏やかに返答していた田嬰ですが、沢山の食客が

同じ諫言をするので、とうとうキレてしまいます。




腹を立てた田嬰は、城壁の話は取り次ぐなと厳命

photo credit: Purple haze via photopin (license)

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「ええい、忌々しい、たかが城壁の事で考え過ぎだと

言ったであろうが!!もう、先生達の御高説は聴きたくない

城壁の話をする者は、二度と取り次ぐな!」

 

田嬰は、こう厳命しました、これで、食客は

諫言が出来なくなってしまったわけです。

 

田嬰のガードを破る、男の奇妙な言葉

 

その事から、しばらくして、一人の男が田嬰への面会を願います。

そして、男は、渋い顔をしている田嬰に、

 

「三言だけしゃべらせてください、もし、それ以上、

しゃべったら、釜ゆでにされても文句はありません」

 

と告げました。

 

田嬰が許可すると、男は大きな声で、

 

「海!大!魚!」

 

と叫ぶと、そのまま、帰ろうとしました。

はっとした、田嬰は、男を呼びとめます。

 

田嬰「お待ちなされ!今の三言の意味をお聞かせ下さい」

 

男「申し訳ありませんが、私は釜ゆでにされたくありません」

 

田嬰「そのような事はしません、どうか、落ち着いて、

今の言葉の意味を教えてくだされ!!」

 

男は、海、大、魚の意味を伝える

photo credit: DSCN6484 via photopin (license)

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田嬰が男を引きとめて、上座に案内して座らせると、

そこから、男は静かに語り出しました。

 

「おそれながら、只今の、私の三言について申し上げます。

まず、海とは、本国すなわち斉の事を意味しています。

そして、大魚とは、この薛におられる、あなた様の事です。

 

大魚は、海の中にいればこそ、力を遺憾なく発揮できますが

一度、陸に上がれば、あたら虫けらの餌食です。

 

あなたは、城壁を高くして薛を守ろうとお考えですが、

それによって斉王に見放されたら、どうなさいます?

それこそ海を失った大魚、例え天に届くような

城壁を積み上げても何の役にも立ちませんぞ」

 

これを聴いた田嬰は、深く頷いて、城壁の増築を

とり止めたのでした。

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