このところ、政治家の公私混同、分別の無さが毎日のように
ネットニュースを賑わしています。
東京都知事の舛添要一氏の公私混同の「五千万円外遊」が問題になったのも
記憶に新しいですが、そんな中、横浜市長の林文子氏(70)も
自身のヘアメイク代、1回3万円を横浜市の支出として
出していた事が明らかになりました。
横浜市長は年収、2400万円で収入としては東京都知事に次ぐ金額です。
林文子横浜市長は、以前は、飛行機でファーストクラスを利用した事が
話題に上がったり、自らが住む市長公舎を1700万円かけて
リフォームして批判を浴びたりしています。
さて、現代日本の事は、一旦置いて、三国志の時代には、
役人の公金横領などは、どのように処理されたのでしょうか?
この記事の目次
超厳しい!汚職すると、三代禁錮刑
三国志の少し前、後漢の時代には、汚職役人については、
三代に渡って禁錮刑という規律がありました。
当時の禁錮刑は、今のように牢獄に繋ぐのではなく、
自分の屋敷に軟禁状態にして、役人の職につけなくなるという意味です。
牢獄に繋がれるわけではないですが、祖父の時代の汚職が、
孫の代の出世まで阻むとは、そうとうに厳しいです。
今風に言えば、舛添さんは、もし有罪ならお孫さんの時代まで、
公職にはつけないという事ですね、これは厳しい・・
刑罰は厳しい方がいい、緩い方がいい?
刑罰を厳しくして、法を恐れさせたほうがいいのか?
逆に緩くして、人民の良識を発揮させた方がいいのか?
中国でも、この二つの考えの間で時々の政権の方針の揺れ動きがありました。
厳罰で人民に向き合ったのが性悪説に立つ、法家思想を採用した秦です。
秦は信賞必罰を基本としましたが、厳しすぎる法は秦の命脈まで、
縮めてしまい、統一から、たった15年で崩壊します。
逆に、法律を簡潔にして、人民の支持を得たのが
劉邦(りゅうほう)が興した漢でした。
もっとも、それは、建国当初だけで、支配が固まってくると、
巨大な帝国に相応しいように法を改正していきます。
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天才諸葛亮孔明の、法を厳しくする理由とは?
時代は下って、三国志の時代、蜀を勢力圏に入れた劉備の政権は、
蜀漢を建国します。
その統治の責任者になった諸葛亮孔明(しょかつ・りょう・こうめい)は、
それまで緩かった蜀の法律を厳しくして、人民を締めつけるようにしました。
それに対して、異議を唱える部下がいて、今は国が建国してから、
間もないのだから、蜀の人民が懐いていない。
ここは、高祖 劉邦がしたように法を緩くして人民を懐柔するのが
先決という意見が出ます。
それに対して、孔明は、このように反論しました。
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法律は、その状況に応じて厳しくも緩めもする・・
孔明「君の意見は、一を知りつつも二を知らない。
そもそも、高祖が秦を滅ぼした時、人民は秦の厳罰に疲れ切っていた。
高祖は、それを考えて、法を簡素にして人民の疲労を軽減したのだ。
一方、我が蜀は前政権下では、厳罰であったとは言い難い。
むしろ、法が緩く無規律でさえあった所もある。
この状態で、法を緩くすれば、人民はそれに恩義を感じる所なく、
かえって政治は乱れるだろう。
ここは、長年の法の緩みを正し、厳しくする事が、
かえって蜀の人民の為になるのだ」
そう、孔明は、法は厳しければいいわけでも、
緩ければいいわけでもなくその土地の状態を判断して、
その都度、定めていかなければならない、そのように言ったのです。
事実、蜀の法は厳しかったですが、身分の上下に関わらず公正に
適応されたので、人民は不満を覚える事もなく、よく法に服したそうです。
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道徳の維持の為に、法の厳罰化は必要
孔明の考えで言えば、現在の日本は、とても法が緩いと言えるでしょう。
「汚職がバレてもどうせ、注意で済む、いよいよになりゃ、
政治家、辞めりゃあいいんだろう?」
と政治家が、高を括ってしまうと、公金横領のような事件の防止は難しいです。
やはり、現在の日本においては、せめて公職については、刑罰を厳しくするのが
汚職防止に繋がる早道ではないでしょうか?
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