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執筆者:kawauso

ネタバレ注意!政の配下となった李斯の最期が残念すぎる

この記事の所要時間: 410




李斯

 

大人気春秋戦国時代漫画キングダムで動きがありました。

秦と趙との激闘、黒羊丘編がひとまず終了し、幕間の趙の李牧(りぼく)

秦王政(せい)のやりとりを経て、呂不韋(りょふい)四柱の筆頭で

「法の番人」の異名を取る李斯(りし)が昌文君の働きで罪を許され

秦の宮廷に電撃復活したのです。

 

ここからキングダムは、桓騎(かんき)信(しん)のような将軍ではなく

李斯を筆頭とした文官の権謀術数の話に移っていきますので、

はじさんで簡単に李斯についておさらいしておきましょう。

 

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楚の小役人が一念発起して荀子に学ぶ

李斯 ネズミ

 

元々、李斯は秦の人間ではありません。

楚の上蔡(じょうさい)という所で生まれた人で、

最初は、これという野心もなく仕官して小さな県の役人になりました。

しかし、同じ鼠でも倉庫の鼠は、たらふく米を食べ人間を恐れないのに対し

便所の鼠は人の糞尿を食べ、臆病で人間の影を見ても逃げ惑う姿を見て

人生が180度変わるような衝撃を受けます。

 

「人間も鼠と同じだ、能力ではない、どこに居るかで価値が決まるのだ

俺は絶対に便所の鼠では終わらんぞ!」

 

李斯は、せっかく就いた役人を辞め財産を整理して荀(じゅん)子の門を叩きます。

自分の居場所を自分で掴み、乱世で成りあがろうと決意したのです。

 

関連記事:キングダムの時代に開花した法家の思想

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李斯、荀子の下で法の番人として目覚める

月 f

 

荀子は、君子を頂点に、役人がこれを補佐し法を行使して庶民を治めるという

ピラミッド型の社会をモデルとしていました。

李斯は、この考えに感化され君主の徳などという曖昧なモノではなく、

何者にも揺るがない絶対の法こそが、天下を治めると確信するに至ります。

 

卒業した李斯は、当時、天下を制覇する勢いだった秦へ向かい、

その豊富な法知識を買われて呂不韋の食客になります。

漫画では、そのまま呂不韋の四柱になっていますが、事実は異なり、

呂不韋の推挙で秦王政に仕えています。

 

外国出身者が追放されかけた時、「諫逐客書」を出す

嫪毐 ろうあい

 

次第に信任を得る李斯ですが、折悪しく、太后に取り入った

巨根の宦官、外国人の嫪毐(ろうあい)が反乱を起こし鎮圧されます。

その背後に趙人の呂不韋が居た事で、秦では外国人に対する風当たりが

激しくなり外国人追放令まで出されます。

 

自らも楚人である李斯は猛反論し、秦が商軮(しょうおう)や

張儀(ちょうぎ)のような外国人の力を借りて勢力を伸ばした事を

理路整然と説明します。

秦王政は、この説明に感じ入り呂不韋の亡き後は益々、

李斯を重用するようになります。

 

関連記事:嫪毐(ろうあい)ってどんな人?男のウェポンで天下に名をとどろかせる

 

非情な李斯、学友 韓非子を毒殺する

韓非

 

同じ頃、秦王政は、韓の公子、韓非(かんぴ)の書物に心酔していました。

やがて、韓非が存命である事を知った政は

韓非を秦に招いて側近くで仕えさせようとします。

 

李斯は、荀子の門で学んでいた頃、韓非の学友であり、

才能では全く及びませんでした。

そこで、自身が用いられない事を恐れた李斯は、政に讒言し

韓非を投獄させ、さらに毒を与え殺してしまいます。

出世の為なら学友でも殺す、李斯の飽くなき権力欲が出ています。

 

始皇帝、天下統一、李斯は封建制を廃止、中央集権制を敷く

キングダム 始皇帝

 

紀元前221年、秦王政は、中華を統一し始皇帝と名乗ります。

李斯は丞相として、遂に長年の宿願を実行に移します。

それは、これまでのように各地に王族や重臣を配置して、

独自に政治を任せる封建制度ではなく、

各地に、役人を派遣して一人の皇帝の下で一つの法を通じて

人民を治めさせる中央集権制の実現でした。

 

現在、多くの国が採用している政治システムも、

首都に政治の中心を置いて、官吏(公務員)を派遣して統治する

中央集権システムなので、李斯の統治システムは基本では、

現代の社会でも通用しているのです。

 

始皇帝の死後、李斯は方針を誤る

趙高 キングダム

 

始皇帝が全国巡幸中の紀元前210年に崩御すると、

遺言により、その地位は長男の扶蘇(ふそ)が継ぐ事になっていました。

しかし、始皇帝晩年のお気に入りの趙高(ちょうこう)が始皇帝の側にあるのを

利用して遺書を改竄し、末子の胡亥(こがい)を皇帝にしようと

丞相の李斯に持ちかけてきます。

 

李斯が本当に法家の人間なら、遺言を書き換えるなど

許されませんが、扶蘇と仲が悪かった李斯は保身の為に

趙高の陰謀に加担してしまうのです。

これが秦帝国の運命を決定的に誤らせる事を李斯は

気がついていませんでした。

 

趙高が胡亥を操り李斯には悲惨な最期が訪れる

胡亥

 

ところが全ては趙高が己の野心の為に仕組んだ罠でした。

胡亥の家庭教師である趙高は、李斯よりも遥かに胡亥に親密であり

権力を握ると、胡亥を宮殿の奥で酒池肉林の贅沢に耽らせ

趙高にとって、都合の悪い人間は胡亥に逢わせようとはせず、

表の政治を全て自分で決済するようになります。

 

さらには、保身の為に少しでも謀反の芽を摘もうと、

王族、重臣、秦を建国した多くの人々を次々に殺してしまいました。

その数は十万人とも言われています。

 

李斯は、ようやく過ちに気が付き、秦帝国を軌道修正しようと

胡亥に何度も諫言しますが、それらは、後で趙高により

すべて捻じ曲げられて伝えられます。

 

いよいよ李斯が邪魔になった趙高は、楚との戦いで戦死した、

李斯の長男がかつて楚に通じていたという罪をでっちあげ、

高齢の李斯を激しい拷問に掛けて自白させました。

 

李斯は息子と共に腰斬(ようざん)という腰で胴体を切り離す、

残酷な刑罰に掛けられ、苦しみ、のたうちまわりながら世を去ったのです。

 

キングダムライターkawausoの独り言

kawauso 三国志

 

李斯は、強い上昇志向と法こそが社会を安定させると言う信念で、

ついに中国史上、最初の統一帝国、秦を完成に導きました。

しかし、始皇帝の遺言を保身から書き換えるという悪事に手を染め

輝かしい功積に自ら泥を塗ってしまったのです。

 

李斯に感情がなく本当に法そのものであったなら、

こんな事も起きなかったでしょうが、実に人生は皮肉です。

 

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三度の飯の次位に歴史が大好き

10歳の頃に横山光輝「三国志」を読んで衝撃を受け
まずは中国歴史オタクになる。
以来、日本史、世界史、中東、欧州など
世界中の歴史に興味を持ち、
時代の幅も紀元前から20世紀までと広い。
最近は故郷沖縄の歴史に中毒中、、

好きな歴史人物:

西郷隆盛、勝海舟、劉邦、韓信、、etc

何か一言:

歴史は現在進行形、常に最新のジャンルです。

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