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ええっ?こんなに大変だったの!献帝の東遷を地図で徹底解説




献帝と曹操

 

後漢最期の皇帝、献帝(けんてい)は生涯に二度死亡説が流れる大変な人生を歩みます。

皮肉にも曹操(そうそう)の庇護を受けてから身柄が安定した彼ですが、

その直前には、長安から洛陽まで直線距離376キロという決死の逃避行を経験し

何とか命拾いした壮絶な過去を持っています。

そんな献帝の東遷(とうせん)を地図で出来る限り詳細に解説します。

 

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長安を出たものの変心した郭汜に追撃される

賈詡

 

西暦195年、7月、李傕(りかく)郭汜(かくし)の仲違いにより

内戦状態になった長安から張済(ちょうせい)の斡旋により、

献帝は洛陽に向かって移動する事になります。

帝が居住地を移動する事を遷と言い、長安から東の洛陽を目指したので、

この事を献帝の東遷と言います。

 

東遷1

 

東遷には、数百名の宮廷の人々が付き従い、なかなかに絢爛豪華、

それに加えて、李傕郭汜の暴政から免れて献帝の威光を利用したいと

考える乱世の狼共、郭汜、董承(とうしょう)、張済、楊定(ようてい)、

楊奉(ようほう)、种輯(ちゅうい)、や張楊(ちょうよう)という

人々が加わっていました。

 

ところが、長安から離れて、数十キロも行かない間に、

献帝を独占しようと企んだ李傕が、他のメンバーを引き剥がしに掛り

怒った楊定と楊奉がこれを迎撃して撃退します。

 

破れた郭汜は長安に戻り、さっきまで喧嘩していた李傕と合流、

今度は両者で東遷軍を追い掛ける事になります。

 

 

東遷2

 

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段煨と仲が悪い、楊定・种輯が反対し、華陰を離れる・・

 

途中の華陰(かいん)に勢力を持つ段煨(だんかい)は、

兵糧などを送り、東遷軍に華陰で駐屯するように申し出ました。

しかし、東遷軍を指揮する楊定と种輯は段煨と仲が悪い状態でした。

 

それに、自分の事は棚に上げて、、

「段煨は献帝を独占するつもりではないか?」

という疑心暗鬼も二人にはありました。

 

そこで、二人は献帝の側近の董承に段煨に構わず先を急ぐよう進言。

董承「郭汜の軍勢が華陰に紛れています」と献帝に嘘をつき、

華陰を通過しようとします。

 

東遷軍の一人である楊定は、通る通らないで段煨と揉め、

お互いに10日以上も兵を出して争いを開始します。

そこへ、李傕と郭汜の連合軍も段煨に味方し、

楊定軍に猛攻撃を仕掛けます。

 

押しまくられた楊定は東遷軍に合流出来ず、そのまま荊州まで

逃げて行きました、その後どうなったか知りません。

 

東遷3

 

勢いに乗る李傕・郭汜は張済を引き入れ東潤で東遷軍を撃破

 

ゴタゴタは、その後も続きました、献帝東遷の功労者の張済は、

ここで、今後の進路を巡り、董承、楊奉と仲違いしてしまいます。

そこに、楊定を打ち破り勢いに乗る、李傕・郭汜軍が到着、

 

張済は東遷軍を裏切り、李傕・郭汜と共に、董承、楊奉軍を討ち、

これを敗走させました。

 

さあ、何だか、味方と敵がごっちゃになってきましたが、

皆さま、ついてきているでしょうか?

 

関連記事:【後漢のラストエンペラー】献帝の妻・伏皇后が危険な橋を渡った理由!

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董承、南匈奴、白波賊に援軍を呼び掛け李傕・郭汜軍を撃破

 

しかし、董承は諦めず、軍を立て直すと、南匈奴(きょうど)の左賢王、

去卑(きょひ)、白波賊の胡才(こさい)、李楽(りらく)、韓暹(かんせい)に

呼びかけて、大軍をかき集め、曹陽潤(そうようじゅん)で、

李傕、郭汜の軍勢を撃破しました。

 

東遷4

 

李傕、郭汜は、打ち破られましたが、まあ、しぶとい連中です。

南匈奴や、白波賊が引いてから、再び東遷軍に戦いを挑み、

再び、董承、楊奉の軍を撃破し、これで東遷軍は壊滅します。

 

最初の献帝死亡説が流れたのは、この頃であるようです。

 

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味方を斬り捨てて黄河を渡る鬼畜 董承・・

 

董承は、献帝を引き連れて、僅かな兵力で、黄河を渡ります。

それを追い掛けて、数百人の宮廷の役人が、わらわらと少ない船に

乗ろうと殺到してきました。

 

董承「どけい!船に乗ろうとする者は斬ってすてるぞぉ!」

 

東遷5

 

董承は戟を振り回し、船に手を掛けた人々の指を斬り落とし、

船を岸から離す事に成功しました。

あまりに多くの人間の手を斬ったので、船の中には、

大量の指が転がっているという有様だったようです。

 

献帝は、その地獄絵図の一部始終を見ていた事でしょうが、

これという感想は残っていません。

 

さしもの李傕と郭汜も黄河を渡ってまで、東遷軍を

追いかける情熱はなく、すごすごと長安に引き返しています。

 

東遷軍、安邑へ到着、曹操が派遣した曹洪を撃破する

表情 曹操02

 

ほとんど兵力を失った東遷軍ですが、先行していた張楊、李楽

河東大守、王邑(おうゆう)の援助を受けて、何とか安邑に駐屯します。

その頃、曹操は献帝が死んではおらず、黄河を越えて

安邑に入った事を知ると、自身で保護しようと曹洪(そうこう)を派遣して、

迎えにやろうとします。

 

東遷6

 

しかし、董承は曹操を信じておらず、この場は、袁術の配下の

萇奴(ちょうど)と共に防衛して、曹洪を帰還させています。

 

どうして、献帝に関心がない袁術が護衛を引き受けたか、

分りませんが、恐らく曹操への嫌がらせでしょう。

 

再び内紛が勃発し、董承は曹操を頼る・・

 

西暦196年、正月、こんどは白波賊から東遷軍に入った韓暹が

高位を与えられて増長し、董承等と対立、ついに董承を攻撃したので、

董承は張楊のアドバイスで一足先に洛陽に移動し、都の再建に当たります。

 

東遷7

 

そこに7月、献帝を擁した、韓暹、楊奉、張楊がやってきます。

董承は、韓暹と共に護衛を命じられましたが、増長しきった韓暹と

いつまでも一緒にはいられないという事と、ここで献帝を自身が握り

他の連中を一掃しようと考えて、曹操に密書を送ります。

 

ここで曹操軍が洛陽に入城、曹操は密書の通りに、

韓暹、楊奉、張楊を追放してしまいました。

 

董承は最期には、献帝を曹操に売る事で自身の地位を確保し、

列侯に封じられ、199年には車騎将軍になりました。

 

三国志ライターkawausoの独り言

kawauso 三国志

 

並の人なら人間不信になる、裏切りについだ裏切りを乗り越え、

やっと献帝は、地獄のような長安を逃れ、生まれて初めて、

操り人形ながら、平穏な暮らしを送れるようになります。

 

やがて、荒れ果てた洛陽を離れて、献帝は許に居場所を定める事になり

長い長い、曹操の傀儡の人生がスタートします。

 

一方、裏切りの連続を上手く立ちまわった董承ですが、西暦200年、

曹操を暗殺しようとして失敗し一族は皆殺しにされました。

董承は、因果応報とはいえ、彼の娘で献帝の妃だった董貴人まで

懐妊中にも関わらず連座で絞殺されたのは、気の毒な事でした。
 

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—古代中国の暮らしぶりがよくわかる—

 




 

kawauso

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三度の飯の次位に歴史が大好き

10歳の頃に横山光輝「三国志」を読んで衝撃を受け
まずは中国歴史オタクになる。
以来、日本史、世界史、中東、欧州など
世界中の歴史に興味を持ち、
時代の幅も紀元前から20世紀までと広い。
最近は故郷沖縄の歴史に中毒中、、

好きな歴史人物:

西郷隆盛、勝海舟、劉邦、韓信、、etc

何か一言:

歴史は現在進行形、常に最新のジャンルです。

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