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執筆者:kawauso

原泰久スゲー!虚構の秦・斉秘密同盟に隠された意図とは?

この記事の所要時間: 330




政

 

死を間近にした蔡沢(さいたく)の尽力でついに実現した中原の二大強国、

秦王政(せい)と斉王建(けん)のツートップ会談。

ここで結ばれた秘密同盟により、斉は秦の天下統一まで他国には協力しない事を

約束し、秦は戦わずして斉を切り崩すのに成功したのですが、実はこの話は

キングダムのみの虚構で史実ではありません。

しかし、この虚構には、思わずうなる原泰久の意図が隠されていました。

 

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以前は確かに強かった、東帝と自称した斉

 

キングダムでは、秦と対抗できる東の大国と紹介される斉ですが、

それは、あながち嘘ではありません。

あながちと前置きしたのは、かつては・・に言い変えてもいいでしょう。

 

太公望 釣り

 

斉は元々、太公望呂尚(たいこうぼう・りょしょう)こと、姜子牙(きょう・しが)が

殷(商)討伐の手柄で周の武王からもらった領地でした。

しかし、斉は次第に衰えて最期には、家臣の田和(でんか)が

君主の康公(こうこう)を海浜に移し自身が即位して姜斉は滅び、

田氏の斉、田斉が起こるのです。

 

そこから、斉は威(い)王、宣(せん)王、湣(びん)王の三代、

百年以上、強国であり続け北の燕を併合して、領地を倍にするなど存在感を示し、

一時は、西の秦と共に、東帝・西帝と呼びあった事もあります。

 

ですが、湣王は次第に驕慢になり、周辺国の恨みを買う事態になり

燕の名将楽毅(がくき)が五カ国合従軍を率いて斉を蹂躙するにあたり、

その領地はほとんど燕に奪われてしまいます。

 

幸い、即墨を死守した田単(でんたん)により、斉は巻き返し、

燕軍を北に追い払い、領地を回復しますが、その頃には戦乱ですっかり衰え、

領地がデカイだけで以前の勢いはありませんでした。

 

現在の斉王建は、田単が盛り立てて即位した襄(じょう)王の子で、

斉を傾けた湣王の孫にあたる人物です。

 

関連記事:「斉」ってどんな国?キングダム戦国七雄を徹底紹介

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斉王建の大戦略、他国の紛争に関わらず命脈を保つ

祁山、街亭01

 

すっかり衰えた斉を受け継いだ斉王建の国家運営方針は、

たった一つでした、幸い、秦と隣接していないのを善い事に、

他国の戦乱には一切干渉せずに傍観する姿勢を取ったのです。

 

これにより、斉は激しい興亡が起きた秦の天下統一の数十年の間

奇跡のような平穏な日々を手に入れますが、

もちろん、秦が斉だけを見逃すわけもなく、紀元前二二一年、

王賁(おうほん)、信(しん)、蒙恬(もうてん)の軍勢により

都、臨淄(りんし)は包囲され、建は降伏し中華は統一される事になるのです。

 

斉王建は、殺されず、身柄を共(きょう)に移されたと言われています。




原泰久は、斉王建の消極姿勢を秦・斉同盟として織り込んだ

ペン f

 

ここまで読んでくれた方はお分かりの通り、キングダムの秦・斉秘密同盟は

この斉王建の消極的な国家運営を脚色して変換したものです。

歴史上、ここから先、斉が秦に兵を出す事はないので、もしかしたら

秘密同盟があったのでは?と想像させるには充分な織り込み方でしょう。

 

史実では、ほぼ存在感ゼロの斉王建ですが、キングダムでは、

蛇を食べる変な王ながら、中華統一の困難を前に、

いつ果てるとも知れない乱世を続けざるを得ないジレンマに悩む、

まあ、才能がある君主として描かれています。

 

ここで、秦王政は、建に対して秦による六カ国の支配ではなく、

秦を含め、万民に平等に作用する法によって中華を一つにする

法治主義による帝国の建設を宣言して建を感動させるわけです。

 

呂不韋

 

また、キングダム読者としては、以前、呂不韋(りょふい)と意見が対立した際には

現実主義の呂不韋と理想主義の政の印象でしたが、

今回は、その理想を実現する法という存在を見つけ、一歩成長した

政を見る事も出来るでしょう。

 

秦・斉秘密同盟は虚構ながら、実に色々な要素を原泰久は、

織り込んで、漫画の盛り上げに利用しているのです。

 

キングダムライターkawausoの独り言

kawauso 三国志

 

秦・斉秘密同盟は、政と建の口約束なので記録にも残らず、

史実には無いという事も、ある程度正当化されると言えます。

 

それに、武力による攻撃はしなくても、計略を仕掛けないとは、

盟約していないので、陰に陽に、斉の影響はちらつくかも知れません。

 

そのまま、斉が盟約を守って、存在感の無いまま最期まで進むのか?

ある時点から謀略によって秦の天下統一に干渉してくるのか

その当たりは、まだ未知数であるとも言えますね。

 

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三度の飯の次位に歴史が大好き

10歳の頃に横山光輝「三国志」を読んで衝撃を受け
まずは中国歴史オタクになる。
以来、日本史、世界史、中東、欧州など
世界中の歴史に興味を持ち、
時代の幅も紀元前から20世紀までと広い。
最近は故郷沖縄の歴史に中毒中、、

好きな歴史人物:

西郷隆盛、勝海舟、劉邦、韓信、、etc

何か一言:

歴史は現在進行形、常に最新のジャンルです。

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