キングダムのもう一人の主人公である秦王政しんおう・せい)、
幼少期を秦軍に攻められている戦乱の趙の都、邯鄲(かんたん)で過ごし、
自身に向けられる凄まじい憎悪と虐待と差別を通じて、戦争のむごたらしさを
体験してきた政が目指すのはそれまで誰一人として成し遂げた事がない
中華の統一による戦乱の終結という奇跡のような事業でした。
そんな秦王政、つまりは始皇帝の最期は、漫画キングダムではどのように
表現されるのでしょうか?
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この記事の目次
史実における始皇帝の死はイタすぎるモノ・・
史実における始皇帝は、中華の統一後は、度量衡(どりょうこう)の統一、
文字の統一、馬車の車輪の幅の統一や万里の長城の建造など、後の時代まで評価される
大事業を興す一方で、史上空前の規模の自身の陵墓(りょうぼ)の造営や、
中華全土の巡幸、不老不死の夢に取りつかれた散財などで人民の労力を絞り取り
いつまでも得られない不老不死の薬を待ちわび、死の恐怖に怯えながら、
巡幸の途中に死ぬという、アイタタ・・な最期を迎える事になっています。
しかし、当然、キングダムでこうだと、さすがに絵にならないので、
もっと特別な最期が待っているのでないでしょうか?
これまでの漫画を踏まえ、かつ史実も考えつつ想像してみましょう。
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キングダムにおける始皇帝の最期、六国の死者の怨念に苛まれる
すでに秦王政も覚悟している事ですが、中華の統一事業では、
秦に滅ぼされない為、六国は、死に物狂いで膨大なエネルギーを使い抵抗します。
その結果、敵味方で凄まじい数の人命が失われる事になるでしょう。
すでに故人ですが、趙の武将の万極(まんぎょく)などは、
秦の白起(はくき)による長平の戦いでの40万人という仲間の穴埋め犠牲者の
怨念を背負い秦への復讐で人格が崩壊していました。
ただ、一国、趙だけでさえ、これなので、六国の怨念を受ける
秦王政の精神にかかる負荷は並大抵ではないでしょう。
それにより幼少期に克服したと思っていた、自分は無価値で、
呪われているという、あの政の分身が甦り大人になった、
政を苛み、次第に常軌を逸した行動を取るようになる。
そういう事が起きるのではないでしょうか?
心の支えになる人の死や刺客の怨念を受けて政が歪み始める・・
秦王政は、長子の扶蘇(ふそ)以外にも、長女の麗(れい)が、
宮女の向(こう)との間に生まれ幸せそうなのですが、
気になるのは政の妃は側室も含め全ての記録が無いという事実です。
もしや、今後、物語で向や最愛の娘の身になにかが起きるのかも知れません。
そして、それが、秦に滅ぼされて恨みを抱く人間の凶行だった場合、
内側に秘めていた政の残忍さが爆発するかも知れません。
肉親の愛に飢えていた政が、やっと得られた家族を奪われた時の
怒りや苦しみは、それが信(しん)や河了貂(かりょうてん)であっても
癒せない深い絶望になるからです。
或いは、燕(えん)の太子丹(たん)の刺客として秦王政の命を狙う荊軻(けいか)が、
個人的にも政への恨みを抱いており、死に物狂いの狂気が政を襲う間に
その憎悪が政にも伝わり、次第に慈悲を失い、逆らう者は
容赦なく殺してしまうという始皇帝の性格が形作られる。
そのような劇的な心の変化が起こるのかも知れません。
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罪の意識に苛まれる秦王政に、あの男が忍び寄る
秦の統一事業が進めば進む程に、六国の怨念を引きよせていき、
罪の意識に苛まれる秦王政に、元は太后の側近だった趙高(ちょうこう)が忍び寄ります。
あの、気難しい太后からさえ信頼を勝ち得ていた趙高の
人の魂を掴んでしまう怪しい魅力に、政は次第に魅入られていくのです。
後半は、毎年のように、大きな戦に出ている信は、なかなか政に会う事も出来ず
その間に政は大きく変貌を遂げていき、冷酷な暴君、始皇帝が出来あがってしまう。
キングダムだと、このような流れになるのではないでしょうか?
そして、最期には狂気から立ち直り、中華の統一という輝かしい光と共に、
始皇帝を恨む六国の怨念を一身に受け入れて巡幸の途中に果てていく
そうする事で、自分の人生に始皇帝はケジメをつけるような気がします。
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キングダムウォッチャーkawausoの独り言
今でこそ、鳴りをひそめていますが、秦王政の幼少期といえば、
怨念、怨霊、恨みのビジュアル化したヤツがわらわら出ていました。
趙の女商人の紫夏(しか)の献身的な尽力で、邯鄲(かんたん)から秦に帰り、
その負のエネルギーと決別した政ではありますが、
それっきり、そのようなモノに捕らわれないとは限りません。
むしろ、大量の血を流す事になる、これからの修羅のような戦いの中で
怨念や怨霊の類が出てこない方が不思議とも言えるでしょう。
統一を進めれば進めるだけ返り血を浴びるように苦しみから
狂気に染まっていく、秦王政というのがキングダムにおけるリアル
ではないかと思います。
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