曹操孟徳特集
朝まで三国志悪




はじめての三国志

menu

三国志の雑学

梁習(りょうしゅう)とはどんな人?曹操も惚れた不安定な幷州を安定させた名官僚

この記事の所要時間: 411




名官僚01 梁習

 

三国志というと、曹操(そうそう)孫権(そんけん)劉備(りゅうび)

呂布(りょふ)のような群雄同士の戦いばかりがクローズアップされがちです。

しかし、事実の中国は、絶えず、周辺異民族の侵入に悩まされたのであり、

後漢の時代でも、匈奴(きょうど)、烏桓(うかん)、鮮卑(せんぴ)、氐(てい)、

羌(きょう)のような遊牧騎馬民族の侵攻と掠奪は絶えず起きていました。

 

辺境を統治する武将は、この厄介な遊牧民族を懐柔して

自国に被害を及ぼさないようにする必要があり、

それは時として国家の死活問題でした。

 

魏の地味武将、梁習(りょうしゅう)は、そんな困難な辺境の幷州を

長年統治して、異民族を手懐けた名官僚だったのです。

 

ところで、皆さまの応援で、はじさんも月間95.6万PV(2017年1月現在)を達成し、

いよいよ念願だった100万PVが間近に見えてきました。

なんて、告知も含めつつ、本日も気合入れて行ってみまSHOW!

 

はじめての三国志全記事一覧はこちら

関連記事:【新企画】朝まで三国志を開催!夜22時~朝6時までノンストップ特別企画!




曹操の配下として、県長となるが・・

名官僚02 梁習

 

梁習子虞(りょうしゅう・しぐ)は、陳郡柘(せき)に生まれます。

当初は、郡の綱紀となりますが、曹操(そうそう)が司空になった時に召し出され、

漳(しょう)県長になり、乗氏(じょうし)、海西(かいせい)、

下邳令(かひれい)を累転しました。

 

ところが、この海西、淮浦(わいほ)を統治している頃、何があったか民衆が反乱、

身の危険を感じた、梁習は、都尉(とい)衛彌(えいや)と徐宣(じょせん)の所へ

行き、密かに逃亡させたので難を逃れました。

 

なかなか、かっこ悪いスタートですが、この失敗があったからこそ

梁習は、民心に気を配るようになったのでしょう。




曹操に見込まれて、刺史に昇進・・

梁習、曹操

 

その後、中央に戻った梁習は、西曹令史(せいそうれいし)となり中央に戻ります。

そこでたまたま、同僚の王思(おうし)が曹操の不興を買う事がありました。

曹操は、王思を呼び出して投獄してから殺そうとしますが、

王思は留守で、代わりに梁習が呼び出しに応じると、

まったくの人違いで投獄されてしまいます。

 

しかし、人違いと知っても、梁習は王思を庇い自分が罪を受けようとしたので、

事実を知った曹操は、義の人だと感心して梁習を刺史に昇進させます。

おもわぬ所で出世の糸口を掴んだ、と思いきや、これが、大きな試練の始まりでした。

 

そこはまさに世紀末、梁習、別府司馬&幷州の刺史になる

名官僚04 梁習

 

曹操が梁習に用意したのは、最近、袁紹(えんしょう)から分捕った

幷州(へいしゅう)でした、さらに梁習は、別府司馬も兼任しています。

 

別府司馬(べっぷしば)は、独立した兵団を率いている部隊長ですから、

そもそも、赴任する土地で何かあったら手持ちの武力で

なんとかせよという意味合いが含まれていました。

 

幷州は以前、高幹(こうかん)という男が暴れ回った影響が

色濃く残っていて、豪族達は自分を守る為に武装して独立勢力になり、

互いに村を奪い合う勢力争いをし、時に刺史がやってくると、

今度は、豪族同士が団結して抵抗し追い払います。

 

おまけに、その混乱に乗じて、匈奴や鮮卑の異民族が、

大挙し村を襲いまくる、不安定極まりない

北斗の拳的な世紀末状態だったのです。

 

うわあああ、、梁習、エライ所に来てしまいました。

 

梁習、必死の州運営を開始する・・

名官僚05 梁習

 

「俺は、農民反乱でさえ、抑えきれなかったのに

武装した豪族や異民族をどうすりゃいいんだ?」

 

梁習は、途方に暮れ曹操を恨みますが、やるしかありません。

まず、梁習は、暴れ回る豪族で武勇や知略のある人をピックアップします。

そして、自ら、出向いて褒めそやし、推挙して中央に送り込みます。

田舎豪族に取って、中央で役職を得るのは名誉なので喜んで幷州を離れます。

 

こうして、あらかたの豪傑を幷州から追い払うと、残された血の気の多い

民兵を徴兵して、魏の兵士として編成しなおしました。

そして、ダメ押しに、兵士や豪族の家族数万戸を人質として、

当時の魏の実質の首都であった鄴(ぎょう)に送り込みます。

これで、彼等は叛くと家族を殺されるので、従順に従うようになります。

 

こうして、梁習は、あらかたの武装豪族と気の荒い精兵を幷州から、

追放する事に成功、抵抗したり、命令に背いた兵は、

容赦なく討伐していき幷州刺史の威厳を見せつけます。

 

最凶の敵、鮮卑大人、育延が互市の開催を要求する

名官僚06 梁習

 

しかし、梁習の敵は、地元の豪族だけではありませんでした。

何度も大挙して侵攻し、掠奪を繰り返す異民族もいたのです。

 

中でも鮮卑族の大人(王)育延(いくえん)は、我が物顔で土地を荒らし、

この幷州の人々全てが恐れる存在でした。

ある時、育延は五千騎の手勢を引き連れて、梁習の所へ、

挨拶にやってきます。

 

「ガババババ!我々は物資が欲しい!州刺史殿には、

是非、互市(ごいち:異民族と漢族の市場)を開いて頂きたい、

この育延、この通りお願い申し上げる」

 

ウイグル獄長ばりの上から目線で要請しました。

 

「参ったぞ、許さなければ、後の恨みが恐ろしいし、

許せば、市の周辺で略奪が増えるかも知れない、、

やむを得ない、互市を許そう」

 

梁習、トラブルを起した鮮卑を処罰し育延を斬る

名官僚07 梁習

 

ところが、互市の準備をはじめた所でトラブルが発生します。

互市の警備兵が、鮮卑兵を捕えたのです。

それを見た鮮卑兵は、すぐに騎馬に乗り梁習を大勢で取り囲みました。

 

一触触発の状態ですが、負け犬根性がついている吏民は、

鮮卑兵を恐れて、皆、下を向いてしまっています。

 

梁習は、内心恐ろしかったのですが、腹を括りました。

そして、鮮卑兵を捕えた兵に質問したのです。

 

「この鮮卑はいかなる犯罪を犯したのか!」

 

「窃盗です、盗品はこちらです・・」

 

兵士が、確かに鮮卑兵が犯した罪の証拠を見せると、

梁習は、通訳を介して、鮮卑大人育延を呼びつけました。

 

育延が、悠々とやってくると、梁習は、大声で叱りつけます。

 

「見たか!貴様の配下は罪を犯した、私の兵は当然の事をしたのだ!

であるのに、貴様はどうして兵を動かし、我々を驚かすのだッ!」

 

育延は、梁習の気迫に押されてたじろきます。

その隙を逃さず、梁習は、剣を抜いて育延を斬り捨てました。

あまりの事に、鮮卑騎兵は怖気づき、報復もせずに解散します。

 

梁習の毅然とした態度を見た、遊牧民は、以後、

幷州に入りこんで掠奪する事が無くなりました。

 

曹操は梁習を褒め、真刺史とした・・

名官僚08 梁習、曹操

 

こうして、世紀末の有様だった幷州は、梁習により生まれ変わります。

梁習は、反乱者を討つ事、数千名、降伏してくる者、数万人、

匈奴王も鮮卑王も、梁習に頭を下げてやってくる状態になり、

農民は安心して、田畑を耕し人口も増えて、州は栄えました。

 

曹操は、予想以上の成果を挙げた梁習を褒め爵位を進めて、

関内侯(かんないこう)とし真刺史としています。

 

幷州の古老は、涙を流して言うには、

「長年、ここに住んでいるが、梁習様程の名刺史を見た事ない」

だったそうです。

 

三国志ライターkawausoの独り言

kawauso 三国志

 

最初は、県の反乱さえ治められないダメダメだった梁習ですが、

曹操の計らいで、幷州に飛ばされるや、根性を据えて奮闘し、

とうとう、世紀末の様相だった州を平定していまいます。

 

梁習は、また清廉潔白な人で、二十数年も幷州にいるのに、

財産が出来るどころか、どんどん貧しくなり、

生活には困り、珍しい献上品一つ持っていない有様だったようです。

 

曹叡は、その態度を評して、別の刺史に与える何倍もの贈物を与え

その苦労を労ったと言います。

 

西暦230年、梁習は幷州で死去していますが、立派に辺境を治め

異民族の侵入を許さず、曹操の天下統一に貢献している事では、

地味とはいえ、どんな名将にも劣らぬ貢献であったと言えるでしょう。

 

はじめての三国志:全記事一覧はこちら

関連記事:【三国志if】もし袁紹が官渡の戦いで曹操に勝ってたらどうなってたの?

関連記事:「後漢の州人口」から読み解く群雄の力!曹操が袁紹の本拠地を欲しがった理由も分かる!

 

—古代中国の暮らしぶりがよくわかる—

 




 

kawauso

kawauso

投稿者の記事一覧

三度の飯の次位に歴史が大好き

10歳の頃に横山光輝「三国志」を読んで衝撃を受け
まずは中国歴史オタクになる。
以来、日本史、世界史、中東、欧州など
世界中の歴史に興味を持ち、
時代の幅も紀元前から20世紀までと広い。
最近は故郷沖縄の歴史に中毒中、、

好きな歴史人物:

西郷隆盛、勝海舟、劉邦、韓信、、etc

何か一言:

歴史は現在進行形、常に最新のジャンルです。

関連記事

  1. 趙雲が最強イケメンだった3つの理由
  2. 涼州兵も思わずニッコリ?曹操はユーモアに溢れていた
  3. これは意外!?三国志時代では戦争の必需品だった短刀
  4. 赤壁の敗戦の原因は腸チフスだった?多くの魏将の生命を奪った伝染病…
  5. 【三国志の疑問】女性を巡る男の戦いはどこまで真実なの?史実と演義…
  6. 【初心者向け】本田圭佑が憧れている曹操(そうそう)という人はどん…
  7. 【解煩督】呉にだっているぜ!解煩、敢死、無難、様々な特殊部隊
  8. 後漢の時代のお金の常識に迫る!当時の金融はどんなモノだったの?

google検索フォーム

過去記事を検索できます

ピックアップ記事

おすすめ記事

  1. 曹仁(そうじん)ってどんな人?熱血と沈着冷静、大人な大将軍の人生
  2. 豊臣秀吉の天下統一に向けて「四国征伐」が開戦!どんな戦いになったの?
  3. 二世は辛いよ!やられキャラの張虎と楽綝の生涯を紹介!
  4. これであなたも知ったかぶり!春秋時代をザックリ紹介!
  5. 郭解(かくかい)とはどんな人?悪いことの全てをやり尽くした遊侠人
  6. 【ネタバレ注意】キングダム546話「大炎の地」ネタバレ&レビュー

三國志雑学

“はじめての三国志150万PV" “広告募集"

はじめての三国志 書籍情報


著:kawauso 価格480円
※Kindle読み放題対応

ピックアップ記事

おすすめ記事

【おんな城主・井伊直虎ネタバレ感想】第42話「長篠に立てる柵」 曹丕の残忍さがよく分かる曹丕の妻、甄氏の悲劇 織田信長の息子達の名前がファンキーでかなりやばい!! 墨家(ぼっか)が滅んだ理由と創設者 墨子はどんな思想だったの? 知らないと貴方も騙される!龐統の心の誘導テクニックが使えるのでこっそり教えちゃいます! 朝まで三国志2017 三国志の最強軍師は誰だ! 第11部 趙達(ちょうたつ)とはどんな人?サイババか!?三国志に現れた天才占い師 棗祇(そうし)とはどんな人?新しい兵糧収入法を考え曹操の覇業を支えた功臣

おすすめ記事

  1. 衛瓘(えいかん)とはどんな人?司馬昭の重臣であり、晋の建国時に大いに活躍【晋の謀臣列伝】
  2. 【三国志演義】は劉備を偽善者前提で見ると面白い
  3. 韓浩(かんこう)とはどんな人?曹操が常に手元に置きたがった男
  4. 陸瑁(りくぼう)とはどんな人?人の苦境を救い、孫権の過ちを正そうと忠言を行った陸遜の弟
  5. 三国一のヨイショ男、曹操の部下の褒め方が半端ない
  6. はじめての三国志 4コマ劇場 「長坂橋を死守する張飛くん」
  7. 孫家三代もメロメロ、実は周瑜と双璧の名将 程普の伝説
  8. 【三國志曹操伝 ONLINE プレイ攻略1】ついに超名作ゲームがみんなの手に蘇る!!

はじさん企画

袁術祭り
李傕祭り
帝政ローマ
広告募集
まだ漢王朝で消耗してるの?
HMR
ライフハック
君主論

ビジネス三国志
春秋戦国時代
日常生活
曹操vs信長
架空戦記
ライセンシー
北伐
呂布vs項羽
編集長日記
はじめての三国志TV
“曹操孟徳" “黄巾賊" “赤壁の戦い" “THE一騎打ち" “夷陵の戦い" “kawausoのぼやき記事" “よかミカンのブラック三国志"
“水滸伝"
PAGE TOP