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【2018年版】『赤兎馬=カバ説』を裏付ける大発見!なんとあの文献に書かれていた?【HMR】

2018年8月29日


 

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なまけもの

 

以前、

 

「2300年前の古代中国に動物園が存在した?キングダムに登場するランカイのモデルも?」

 

と題しました記事において、

(しん)始皇帝(しこうてい)の祖母に当たる人物「夏大后(かたいごう)が

世界中から珍しい動物を集めて動物園を築き、

その中にはカバもいたのではないか、という可能性に触れました。

 

よかミカン

 

この記事の掲載後、

はじめての三国志」が誇る敏腕ライターのおひとり、

よかミカン様から大変重要な情報をご提供戴きました。

 

三国志演義

 

その情報によればなんと、

赤兎馬(せきとば)=カバ説』を裏付ける貴重な文献が

実在していたと言うのです!!

 

カバにまたがる関羽

 

これはもう『赤兎馬=カバ説』は真実であると

言ってしまっても過言ではないでしょう!!

 

筆者はこの情報を知るに至って、

興奮して夜しか眠れず

この事実を皆様に使えなければならない責任の重さに

ご飯も1日3回しか食べられなくなってしまいました!!

 

それでは早速、

『赤兎馬=カバ説』の真相に肉薄していきましょう!!

 

世界には不思議なことはたくさんあるんだよ!!

 

関連記事:そんなカバな!!赤兎馬はカバだった?関羽は野生のカバに乗って千里を走った?(HMR)

関連記事:いつまでやるの?またまた『赤兎馬=カバ説』を検証してみる。第2弾【HMR】

 

監修者

ishihara masamitsu(石原 昌光)kawauso編集長

kawauso 編集長(石原 昌光)

「はじめての三国志」にライターとして参画後、歴史に関する深い知識を活かし活動する編集者・ライター。現在は、日本史から世界史まで幅広いジャンルの記事を1万本以上手がける編集長に。故郷沖縄の歴史に関する勉強会を開催するなどして地域を盛り上げる活動にも精力的に取り組んでいる。FM局FMコザやFMうるまにてラジオパーソナリティを務める他、紙媒体やwebメディアでの掲載多数。大手ゲーム事業の企画立案・監修やセミナーの講師を務めるなど活躍中。

コンテンツ制作責任者

おとぼけ

おとぼけ(田畑 雄貴)

PC関連プロダクトデザイン企業のEC運営を担当。並行してインテリア・雑貨のECを立ち上げ後、2014年2月「GMOインターネット株式会社」を通じて事業売却。その後、「はじめての三国志」を創設。現在はコンテンツ制作責任者として「わかるたのしさ」を実感して頂けることを大切にコンテンツ制作を行っている。キーワード設計からコンテンツ編集までを取り仕切るディレクションを担当。


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その前に、カバって本当に「血の汗」を流すの?

カバって本当に「血の汗」を流すの?

 

『赤兎馬=カバ説』を支える重要な根拠のひとつとして、

「カバが赤い汗をかく」という事実があります。

しかし、実はこの「汗」、血が混ざって赤いわけではないのです。

それどころか、そもそもカバは「汗」をかかないのです。

 

なんという衝撃的事実!!

これには筆者も驚きのあまり呆然として、

そのまま3時間昼寝をしてしまったではないですか!!

 

汗をかかないのに赤い汗をかくってどういうこと?

はてな

 

そもそも汗というのは体温調節のために、

体表にある汗腺という組織から分泌される体液の一種です。

暑さなどのために体温が上昇した場合、汗腺から汗を分泌し

その気化熱で体温を下げようとするわけです。

 

しかし、人間と同じ哺乳類であるカバには

体温調節のために汗をかく必要がありません。

はたしてそれはなぜでしょうか?

 

答えは簡単。

カバは水辺に棲む水棲哺乳類だからです。

 

つまり、カバは日常的に

プールや水風呂に入って涼める環境が

常時身の回りにある動物なんです。

そんな動物だから、当然汗をかく必要もないわけです。

 

古代中国・超科学の世界に挑戦する HMR

HMR  

 

じゃあ、カバの「赤い汗」の正体は一体なんなの?

カバの「赤い汗」の正体は一体なんなの?

 

確かにカバは汗をかきませんが、

彼らが体表から「赤い汗」に見える“なにか”を

分泌していることは事実です。

 

では、その「赤い汗」とは一体何なのでしょうか?

 

1日の大半を水の中で過ごすカバですが、

そんな彼らも地上に上がることがあります。

カバには体毛がないことは皆さんもご存知ですが

ああ見えて、意外にデリケートなお肌だったりします。

 

そんなカバのお肌にとって、

アフリカ大陸の強い日差しは大敵。

紫外線や乾燥に思いっきりさらされてしまいます。

 

そんなカバのお肌を守るのが、あの「赤い汗」です。

実は、カバの体表には汗をかくための汗腺が変化した

「粘液腺」と呼ばれるものがあり、この粘液腺が

分泌するのがピンク色の粘液……つまり「赤い汗」の正体なのです。

 

カバの全身を覆う「赤い汗」=ピンク色の粘液は

ちょうど日焼け止めローションのような役割を果たし

カバのお肌を強烈な日差しや乾燥から守っているんですね。

 

ちなみに「汗血馬」は実在するの?

ちなみに「汗血馬」は実在するの?

 

三国志に登場する赤兎馬は「汗血馬」だったとされていますが

実際に「血」を汗のように流す馬の存在は確認されていません。

 

そもそも血液は全身に酸素や栄養分を運ぶ

非常に重要な役割を果たす体液であって、

これが体外に流れ出るというのは緊急事態です。

だから、動物が血液を汗のように流すことはありません。

 

ではなぜ「汗血馬」というものが存在しているように

文献に記述されているのでしょうか?

 

これには諸説あり、

 

・赤毛の馬が発汗するとまるで血に染まったように見えた

・体表についた寄生虫に吸われた血液が流出した

 

などの仮説が有力視されているようです。

 

血の汗を流す人間は存在する!?

ピッチャー関羽(野球のエース)

 

星飛雄馬のことではありませんよ?

 

人間には汗のように血が滲み出るという

「血汗症(けっかんしょう)」という症状が

極々まれに起こることが知られています。

 

「血汗症」は死の危険といった極めて重大な

ストレスを感じた人間に起こる症状とされます。

 

歴史文献としては、戦場における兵士や

死刑執行寸前の死刑囚に見られたという記述を

レオナルド・ダ・ヴィンチが遺していることが知られています。

 

『赤兎馬=カバ説』を裏付ける記述がある文献はこれだ!!

よかミカンと石川克世

 

閑話休題(それはさておき)。

 

よかミカン様から「はじ三専用極秘情報回線」を

経由して戴きましたのは、以下のような情報でした。

 

「三国志平話に、興味深い記述を見つけたよぉ!!」

 

この情報に筆者はじめ、「はじ三」スタッフ一同は驚愕、

寝ぼけていた筆者も、頭を100tハンマーでぶっ叩かれた

衝撃を覚えました。

 

三国志平話」とは中国宋代の民間説話をまとめた

元の時代の書物『全相平話五種』、その中に含まれる

『新刊全相平話三國志』全三巻のことです。

 

後に編纂された『三国志演義』には、この『三国志平話』から

多くの故事が取り入れられていることでも知られていますね。

 

その『三国志平話』上巻に、丁原の所有する馬として

「赤兎馬」が登場しますが、その記述の中にこんな一文があります。

 

這馬若遇江河 如受平地 涉水而過多若至水中 不吃草料 食魚鱉

 

この部分を現代日本語に訳すと、以下のようになります。

 

「この馬は川に行き当たっても平地と同じように行き、

いとも簡単に渡ってしまう。

水中では草を食べずに、魚や亀を食らう」

 

赤兎馬は川に行き当たってもまるでものともせず、

平気で川の中を歩いていった。

まさにカバそのものではありませんか!!

 

三国志平話

 

カバが魚や亀を食べるの!?

 

勘のいい読者様ならお気づきでしょう。

「その記述はおかしいんじゃないか」……って。

 

そう。

この『三国志平話』の記述によれば

赤兎馬は「水の中では魚や亀を食べた」ことになります。

 

カバって草食動物だろ?

魚や亀を食べるわけないだろうが。

 

そう思われても不思議はありません。

 

(参考映像:スイカをまるごと食べるカバ)

 

草食動物は一切肉を食べないわけではない

 

草食動物が餌とするのは植物である。

肉を食べるのならそれは肉食動物ではないか?

 

一般的な感覚から言えば、確かにその通りです。

しかし、草食動物と言っても、一切肉食しないとは限りません。

 

確かに常に餌となる植物が豊富にあれば、

草食動物が肉を食べる必要はありません。

 

しかし、干魃などの緊急事態で食料にできる植物が

極端に減ってしまった場合、仲間や他の動物の死骸を

食べて飢えを凌ぐことがあることが知られています。

 

実際、カバが仲間の死骸やインパラといった

動物を食べた観測記録が残されています。

 

まして、赤兎馬が生きていたのは戦場です。

カバが食べられるような植物が常に十分用意できていた

とも考えられません。

 

赤兎馬(カバ)にまたがる呂布

 

戦場を駆けるカバ=赤兎馬が

飢えを凌ぐために水中で捉えやすい魚や亀を食べた

可能性は十分あるとは考えられませんか?

 

三国志ライター 石川克世の憶測

三国志ライター 石川克世の憶測

 

でも、結局のところそれは『三国志平話』の記述だろ?

あれってつまるところフィクションじゃん?

 

……確かにそう思われても仕方がありません。

赤兎馬が川の中を平気で歩くとか。魚や亀を食べるとか

それはただのフィクションではないか、と。

 

しかし、こう考えることはできないでしょうか?

 

三国志演義に詳しい方はご存知のことと思いますが、

演義に登場する有名な武器、

例えば関羽の青龍堰月刀や張飛の蛇矛は

歴史上の三国時代に存在したものではありません。

 

それらの武器は宋代以降に成立したものですが、

これはちょうど『三国志平話』や『三国志演義』が

成立した時代にあたります。

 

つまり、これらの説話の作者は

一般の庶民にはあまり馴染みのない

史実上の三国時代の武器を登場させるよりも、

 

宋代や元の時代に一般的に存在していた武器を

登場させることで、読み手にイメージしやすい

ものとして物語を書いていたと考えられます。

 

それと同じことが「赤兎馬」にも言えるとは思いませんか?

 

『三国志平話』の時代、

中国大陸にはすでにカバが持ち込まれていた。

その「異様な馬」のような動物を目の当たりにした

人が書き残した説話が、後に『三国志平話』にも

取り込まれた可能性は十分に考えられるでしょう。

 

つまり、

やっぱり『赤兎馬』は『カバ』であったのです!!

 

……まあ、それを裏付ける客観的物証は存在しないんですけどね。

 

関連記事:三国志時代のペット事情が興味深い!陸遜の孫も犬を可愛がっていた!

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赤兎馬はカバ

 

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石川克世

石川克世

三国志にハマったのは、高校時代に吉川英治の小説を読んだことがきっかけでした。最初のうちは蜀(特に関羽雲長)のファンでしたが、次第に曹操孟徳に入れ込むように。 三国志ばかりではなく、春秋戦国時代に興味を持って海音寺潮五郎の小説『孫子』を読んだり、 兵法書(『孫子』や『六韜』)や諸子百家(老荘の思想)などにも無節操に手を出しました。 好きな歴史人物: 曹操孟徳 織田信長 何か一言: 温故知新。 過去を知ることは、個人や国家の別なく、 現在を知り、そして未来を知ることであると思います。

-呂布
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