劉備の統率力は高い?低い?色々な戦いから劉備の能力を推察してみよう

2019年7月28日


 

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張良と劉邦が楚漢戦争のゲームをプレイ

 

近年では三国志ブームもあり、様々な三国志、三国志演義題材としたゲームが出ています。しかしこういったゲームになると気になるのが武将たちの能力値。この武将はもっとこうでは?もっと高い能力では……?色々ありますよね。

 

二刀流の劉備

 

今回はそんな武将たちの中でも評価の分かれる劉備(りゅうび)の統率力について話していきたいと思います。

 

 

 

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監修者

ishihara masamitsu(石原 昌光)kawauso編集長

kawauso 編集長(石原 昌光)

「はじめての三国志」にライターとして参画後、歴史に関する深い知識を活かし活動する編集者・ライター。現在は、日本史から世界史まで幅広いジャンルの記事を1万本以上手がける編集長に。故郷沖縄の歴史に関する勉強会を開催するなどして地域を盛り上げる活動にも精力的に取り組んでいる。FM局FMコザやFMうるまにてラジオパーソナリティを務める他、紙媒体やwebメディアでの掲載多数。大手ゲーム事業の企画立案・監修やセミナーの講師を務めるなど活躍中。

コンテンツ制作責任者

おとぼけ

おとぼけ(田畑 雄貴)

PC関連プロダクトデザイン企業のEC運営を担当。並行してインテリア・雑貨のECを立ち上げ後、2014年2月「GMOインターネット株式会社」を通じて事業売却。その後、「はじめての三国志」を創設。戦略設計から実行までの知見を得るためにBtoBプラットフォーム会社、SEOコンサルティング会社にてWEBディレクターとして従事。現在はコンテンツ制作責任者として「わかるたのしさ」を実感して頂けることを大切にコンテンツ制作を行っている。キーワード設計からコンテンツ編集までを取り仕切るディレクションを担当。


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一般的なゲーム題材にされた劉備のステータスと「統率力」

土いじりをする劉備

 

まず一般的なゲーム題材にされた時の劉備のステータスを見てみました。多くの三国志ゲームに劉備は出てきますが、その場合のステータスとして「平凡な能力」「魅力的なスキルがとても高い」このような共通点が見受けられます。

 

酒を飲む曹操と劉備

 

つまり曹操(そうそう)などに比べると非常に凡才、しかしカリスマ性などに優れている、というのが一般的な劉備の評価と言えるでしょう。

 

法正と劉備

 

さてここで気になるのが統率力。統率力というのは簡単に言ってしまうと周囲の人間を上手に扱える能力。的確な指示を出して操作できるかどうか、リーダーシップのような能力と言えますね。

 

カリスマ性だけはある、とされる劉備にこの統率力があるのかどうか、これを考えてみましょう。

 

 



劉備の戦歴を見てみよう

三国志の主人公の劉備

 

では劉備の戦歴、軍を率いて戦ったような戦いを正史準拠で見ていきます。

 

呂布と劉備

 

呂布(りょふ)戦では敗北。

袁術(えんじゅつ)戦では勝利。

 

徐州(じょしゅう)では曹操に敗北、官渡では袁紹(えんしょう)軍の配下で軍を率いていますがこちらも曹操に敗北。益州、漢中では諸葛亮(しょかつりょう)が指揮をとったと考えられるので考慮しないでおきます。また夷陵では陸遜(りくそん)相手に大敗北をしていますね。

 

劉備

 

さて、これだけ見るとかなり統率力に欠けるように見えるでしょう。しかし負けた時の相手を見てみると、呂布、曹操、陸遜などといった三国志の中でも桁違いの相手ばかりを相手にしている時とも言えます。これだけでは致命的に統率力が欠けているとは判断できません、むしろ彼ら相手に戦って生還しているだけでもかなりの部類では……とすら考えられます。

 

 

正史の劉備の能力を評価してみよう

夷陵の戦いで負ける劉備

 

劉備が「戦下手」と評価されるのは、夷陵の戦いでの敗北や曹丕から「戦を理解していない」と酷評されたことに起因していると思います。が、前述したように劉備が敗北した戦というのは「相手が悪すぎる」場合が多く、また呂布との戦いでの敗北はそもそも味方であった呂布がいきなり裏切ってからの敗北です。

 

蜀の劉備

 

長い間、流浪の身であった劉備ですが、それは逆を言うと長い間の戦闘経験があるということ、そしていくつもの勢力の違う勢力で戦ってきたということでもあります。

 

これを考えれば決して劉備の能力は非凡なものではない、むしろその度に違う軍で指揮をとっていたことを考えれば、統率力に関してはそれなりに鍛えられていたとは考えられないでしょうか?

 

 

三国志演技の補正を加えたらどうなる……?

周瑜、孔明、劉備、曹操 それぞれの列伝・正史三国志

 

ここでちょっと良く言われている「ゲームの題材とされた劉備の能力は演義基準」というものに注目してみましょう。

 

劉備の元から離れたくない徐庶

 

確かに三国志演義の劉備は能力こそ優れていないが人を惹きつける能力、カリスマ性に溢れていると描写されています。これを基準として描写されることが多いゲームでは、劉備が「魅力以外は平凡」というキャラクターに描写されるのは分からないでもないですね。

 

呂布VS劉備三兄弟

 

しかし三国志だと一武将としてしか描写されていない董卓(とうたく)戦、三国志演義の方では虎牢関で関羽(かんう)張飛(ちょうひ)と共に呂布と互角に打ち合いをしているという描写が加えられているのです。演義ベースにするならばこのことももう少し加味して、関羽や張飛までとはいかないものの武将としての能力をプラスして欲しいというのが、筆者の本音でもありますね。

 

三国志ライター センのひとりごと

三国志ライター セン

 

三国志がゲームなどになって親しまれるようになるのは喜ばしいことです。

 

公孫サンは英雄劉備が真似した人物

 

しかしその一方で、お気に入りの武将の能力を数値化されるとそれはそれで何だかモヤモヤしてしまうこともしばしば。だけど「不当だ!もっと高い」なんて騒ぐのではなく、どんな事象を下敷きにそういった能力にされたのかちょっと考察してみる……これもまた楽しいので、一度お試し下さい!

 

 

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蜀のマイナー武将列伝

 

 

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セン

両親の持っていた横山光輝の「三国志」から三国志に興味を持ち、 そこから正史を読み漁ってその前後の年代も読むようになっていく。 中国歴史だけでなく日本史、世界史も好き。 神話も好きでインド神話とメソポタミア神話から古代シュメール人の生活にも興味が出てきた。 好きな歴史人物: 張遼、龐統、司馬徽、立花道雪、その他にもたくさん 何か一言: 歴史は食事、神話はおやつ、文字は飲み物

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