キングダム「秦を強力アシスト六国の佞臣を紹介」

2020年2月26日


 

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キングダム 戦国七雄地図

 

大人気春秋戦国時代漫画キングダム。私達は中華統一というと、飛信隊や王翦(おうせん)王賁(おうほん)の奮戦をイメージしてしまいますが、実際には秦が六国に送り込んだ佞臣による内側からの崩壊も侮れない破壊力を持っています。

 

宦官

 

キングダムでは、趙の佞臣郭開(ねいしんかくかい)が有名ですが、今回は、それ以外の秦の中華統一をアシストする佞臣を紹介しましょう。

 

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監修者

ishihara masamitsu(石原 昌光)kawauso編集長

kawauso 編集長(石原 昌光)

「はじめての三国志」にライターとして参画後、歴史に関する深い知識を活かし活動する編集者・ライター。現在は、日本史から世界史まで幅広いジャンルの記事を1万本以上手がける編集長に。故郷沖縄の歴史に関する勉強会を開催するなどして地域を盛り上げる活動にも精力的に取り組んでいる。FM局FMコザやFMうるまにてラジオパーソナリティを務める他、紙媒体やwebメディアでの掲載多数。大手ゲーム事業の企画立案・監修やセミナーの講師を務めるなど活躍中。

コンテンツ制作責任者

おとぼけ

おとぼけ(田畑 雄貴)

PC関連プロダクトデザイン企業のEC運営を担当。並行してインテリア・雑貨のECを立ち上げ後、2014年2月「GMOインターネット株式会社」を通じて事業売却。その後、「はじめての三国志」を創設。戦略設計から実行までの知見を得るためにBtoBプラットフォーム会社、SEOコンサルティング会社にてWEBディレクターとして従事。現在はコンテンツ制作責任者として「わかるたのしさ」を実感して頂けることを大切にコンテンツ制作を行っている。キーワード設計からコンテンツ編集までを取り仕切るディレクションを担当。


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斉を動かさなかった后勝

 

口で蛇を飼っているのに、話してみると存外常識人という斉王建(せいおうけん)の宰相が后勝(こうしょう)です。元々、后勝は斉王建の母、君王后(くんおうこう)の一族であり、斉の(じょうおう)と君王后の推挙で宰相になりますが、分かりやすい程に賄賂(わいろ)に弱いようで、秦王政により多額の金品で買収されます。后勝は、さらに斉の重臣達を秦に派遣、この連中も賄賂で骨抜きにされ、斉に戻ると秦に都合のよい事ばかり報告するようになります。そんな后勝が斉王建に進言した策こそ、残りの五カ国が秦に攻められても、助けないで中立を保つというものでした。

 

炎上する城b(モブ)

 

斉王建はこれに従い、秦が次々に五か国を攻め滅ぼすのを黙ってみていたのです。しかし、いよいよ五カ国が滅ぼされると危機意識を持った斉王建は、秦と斉を繋ぐ道を封鎖しますが、時すでに遅く、斉の人々も兵士も、ほぼ戦わずに降伏を受け入れました。これにて斉は滅ぶのですが、大国斉を釘付けし他国に協力させなかった后勝の佞臣ぶりは素晴らしいですね。

 



魏の信陵君を酒浸りにした晋鄙の食客

信陵君

 

魏には信陵君という李牧(りぼく)にも匹敵する公子がいました。紀元前247年には、信陵君は五カ国連合軍を率いて洛陽手前まで押し寄せ、王齕(おうこつ)蒙驁(もうごう)は、戦っても勝てずに軍を解散して函谷関(かんこくかん)に引っ込んでしまった程でした。

 

呂不韋

 

信陵君を排除しようと考えた、おそらく呂不韋(りょふい)辺りが、かつて信陵君が軍権を奪う為にやむを得ず殺害した晋鄙(しんぴ)の食客を探しだし、金銭を援助して信陵君が魏王の地位を狙っていると安釐王(あんきおう)を焚きつけ、これを真に受けた王は信陵君を遠ざけました。これに絶望した信陵君は、酒浸りの生活を送りまもなく酒毒で死去しました。もし、信陵君が生きていれば、キングダムは李牧だけに頼らずに、もっと楽な展開が可能だったでしょうね。晋鄙の食客ナイスアシストです。

 

楚の春申君を殺害した李園

春申君

 

李園(りえん)は楚の春申君(しゅんしんくん)を殺害した人物です。元々、美貌(びぼう)の妹の李環を春申君を通じて孝烈王に献じ男子が産まれた事で楚の外戚となり、その後、春申君を殺害して妹の産んだ子の幽王を立てて10年間楚の政治を牛耳りました。キングダムでは、春申君に勝るとも劣らない人物とされていますが、楚世家の記述では、李園が為した事は特にありません。戦国策にはありますけど・・

 

炎上する城a(モブ)

 

さらに、有能な人物の割に幽王が死んで、その子の哀王を立てた時、哀王の庶兄の負芻(ふすう)を推す群臣に敗れて一族皆殺しにされています。この辺りを考えると、秦のスパイではありませんが李園が楚の命運を衰亡させたとは、言えるかも知れません。

 

燕の命脈を縮めた太子丹

荊軻

 

燕の太子丹(たいしたん)は、有名な刺客、荊軻(けいか)を秦王政に送り込んだ人物です。動機は、趙で人質だった頃は仲が良かったのに秦で再会した時に政に冷たくあしらわれた恨みという子供みたいなものですが、それはそれとして、刺客を放って一気に中華統一の野望を挫こうとしたのは、快挙のように見えます。

 

逃げる秦王政を追いかける荊軻

 

ところが、太子丹は中途半端な人物で、荊軻が自分の古い仲間が燕に到着してから、秦に出発しようとしているのを、何度も催促し、呆れた荊軻は仲間の到着を待たずに、秦舞陽(しんぶよう)を助手にして秦に旅立ちます。結局、秦舞陽は秦王政を見ても恐ろしさに動く事も出来ずに捕らえられ、荊軻は一人で政を追い回す事になり暗殺は失敗したのです。

 

秦王政を暗殺するための策を考える荊軻

 

その結果、太子丹は秦王政をいたずらに怒らせ、燕の滅亡を早めてしまいました。これも、痛恨のオウンゴールで秦の中華統一を結果的にアシストしたと言えます。

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