今日のkawauso25「曹爽自由零年」

2020年9月1日


監修者

ishihara masamitsu(石原 昌光)kawauso編集長

kawauso 編集長(石原 昌光)

「はじめての三国志」にライターとして参画後、歴史に関する深い知識を活かし活動する編集者・ライター。現在は、日本史から世界史まで幅広いジャンルの記事を1万本以上手がける編集長に。故郷沖縄の歴史に関する勉強会を開催するなどして地域を盛り上げる活動にも精力的に取り組んでいる。FM局FMコザやFMうるまにてラジオパーソナリティを務める他、紙媒体やwebメディアでの掲載多数。大手ゲーム事業の企画立案・監修やセミナーの講師を務めるなど活躍中。

コンテンツ制作責任者

おとぼけ

おとぼけ(田畑 雄貴)

PC関連プロダクトデザイン企業のEC運営を担当。並行してインテリア・雑貨のECを立ち上げ後、2014年2月「GMOインターネット株式会社」を通じて事業売却。その後、「はじめての三国志」を創設。戦略設計から実行までの知見を得るためにBtoBプラットフォーム会社、SEOコンサルティング会社にてWEBディレクターとして従事。現在はコンテンツ制作責任者として「わかるたのしさ」を実感して頂けることを大切にコンテンツ制作を行っている。キーワード設計からコンテンツ編集までを取り仕切るディレクションを担当。


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人が自由を失うとどうなるのか?という典型例が、正史三国志曹真(そうしんでん)伝に付属する曹爽伝(そうそうでん)が引く、魏末伝にある。

これは司馬懿(しばい)にクーデターを起こされて抵抗せずに投降し、自宅に監禁された曹爽の有様を記した逸話だ。

曹爽

 

曹爽兄弟が屋敷に帰ると、朝廷は洛陽県に命じて住民800名を徴発して

県尉の下に所属させ、曹爽の屋敷の四方を監視させ、四隅に高楼を建てて

その上に人を登らせて、曹爽兄弟を四六時中監視させた。

万策尽きた曹爽は、憂憤の余り、弾弓(だんきゅう)を取り出して後庭に飛び出すと

高楼に登った監視人は、すかさず

「元の大将軍は東南に向かいお出かけ」と大声で唱える始末だった。

 

曹爽は監視の激しさに耐えきれなくなり、弾弓(パチンコ)を持ち出し後庭に出て、

自分を監視する楼の上の監視員にパチンコ玉をぶつけてやろうと思ったからではないだろうか?

司馬懿

 

この異常な監視体制にもかかわらず曹爽は、司馬懿に許され天寿を全うできると信じていたというのだから呆れる。

しばらくすると曹爽はクーデターを計画した角で捕えられ皆殺しの目にあう

 

曹爽は自分がいかに自由を失い司馬懿の籠の鳥であったか、最後まで気づかないままだったのか?

それとも、自由のない状態に慣れてしまったのか?

桓範(かんはん)は、司馬懿が言うままに降伏を受け入れて、今後は金持ちの旦那程度にはなれると楽観する曹爽兄弟に

お前達は小牛同然だと罵ったが、ドナドナ宜しく己の命を司馬懿に預けた形になった。

 

前回記事:今日のkawauso24「袁紹の些細な怒りって何だろう?」

 

李傕・郭汜祭り

 

 

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台湾より南、フィリピンよりは北の南の島出身、「はじめての三国志」の創業メンバーで古すぎる株。もう、葉っぱがボロボロなので抜く事は困難。本当は三国志より幕末が好きというのは公然のヒミツ。三国志は正史から入ったので、実は演義を書く方がずっと神経を使う天邪鬼。

-kawauso編集長ぼやき