広告

新解釈にしてもここだけは変えちゃダメ?三国志世界の「不可侵の設定」

2020年12月17日


 

はじめての三国志コメント機能バナー115-11_bnr1枠なし

緞帳の前(織田信長、豊臣秀吉、徳川家康)

 

コメディ映画監督の福田雄一(ふくだ ゆういち
)
監督が制作した、『新解釈・三國志』が話題になっていますね!

 

正史三国志を執筆する陳寿

 

年季の入った三国志ファンの一人として、私が以前、福田監督の制作発表を聞いたとき感想はただただ「勇気がある行いだなぁ!」でした。というのも、これだけ日本で人気が高く熱心なファンが各世代に多い『三国志』を、「新解釈」すると宣言しているわけですから!

 

正史三国志 vs 三国志演義で揉める現代人

 

どんな「新解釈」をしたところで、うるさいファンからは「そのキャラ設定を変えるなよ!」とか「その事件の背景を変えるなよ!」とか、細かいところまでブーイングが殺到することが目に見えている企画です。

 

「新解釈」とタイトルに銘打っただけで、もはや勇者です!

 

舌戦で煽るのがうまい諸葛亮孔明

 

でもコメディ映画界のベテランである福田監督のこと。きっとそのような「うるさいブーイング」も、反響のひとつとしてとらえる気満々で、「批判ウェルカム!」と待ち望んでいるのではないでしょうか?

 

ただしいっぽうで、制作発表を聞いたとき、私の中では「いくら福田監督でも、ここは絶対にいじらないだろう!」と個人的に予想したポイントが数個あります。

 

朝まで三国志201 観客2 モブでブーイング

 

「どんなに手腕の優れたコメディ監督でも、ここの設定をいじったら、もはや焼き討ちにあうだろう!」という、一種の聖域が、三国志世界にはあるのです!

 

戦車隊を率いて活躍する夏侯嬰(かこうえい)

 

そこで今回は、私が個人的に、「いくら福田監督でも、ここはいじらないはず!」という、「三国志世界の絶対不可侵の設定」をいくつか挙げてみました。まさかまさか、福田監督がこのうちのどれかに踏み込んでしまっているのかどうか!

 

炎上する城b(モブ)

 

個人的にも、恐ろしいようでいて、「このうちのひとつくらいには大胆に踏み込んで炎上を引き起こしてほしい!」という気持ちもありつつ、以下、挙げていきます!

 

監修者

ishihara masamitsu(石原 昌光)kawauso編集長

kawauso 編集長(石原 昌光)

「はじめての三国志」にライターとして参画後、歴史に関する深い知識を活かし活動する編集者・ライター。現在は、日本史から世界史まで幅広いジャンルの記事を1万本以上手がける編集長に。故郷沖縄の歴史に関する勉強会を開催するなどして地域を盛り上げる活動にも精力的に取り組んでいる。FM局FMコザやFMうるまにてラジオパーソナリティを務める他、紙媒体やwebメディアでの掲載多数。大手ゲーム事業の企画立案・監修やセミナーの講師を務めるなど活躍中。

コンテンツ制作責任者

おとぼけ

おとぼけ(田畑 雄貴)

PC関連プロダクトデザイン企業のEC運営を担当。並行してインテリア・雑貨のECを立ち上げ後、2014年2月「GMOインターネット株式会社」を通じて事業売却。その後、「はじめての三国志」を創設。現在はコンテンツ制作責任者として「わかるたのしさ」を実感して頂けることを大切にコンテンツ制作を行っている。キーワード設計からコンテンツ編集までを取り仕切るディレクションを担当。


【誤植・誤字脱字の報告】 バナー 誤字脱字 報告 330 x 100



【レポート・論文で引用する場合の留意事項】 はじめての三国志レポート引用について



三国志世界の不可侵の設定その1:呂布が強くない三国志

めちゃくちゃ強い呂布

 

三国志世界で最強の武将とされている呂布。他の武将たちを続々となぎ倒していくパワフルさで、三国志の物語前半を盛り上げてくれます。この呂布(りょふ)が「実は弱かった!」とする新解釈は、アリなのでしょうか?

 

呂布のラストウォー 呂布

 

普通に考えれば、無理なはず。

 

というのも率直なところ、三国志ファンたちの間で、「呂布よりも関羽が強い」とか、「呂布よりも張飛が強い」とか言っただけでも、「お前は何もわかっていない」とボコボコにされること必至だからです。

 

矢を当てる呂布 呂布、紀霊

 

「呂布より強い〇〇がいる」というだけでも「わかっていない」とタタかれるほどの聖域!

どんなコメディ監督でも、ここには手を出さないと思いますが。さて今回の福田監督は、いかに??

 

関連記事:呂布って本当に強いの?正史を見ると意外な呂布の戦績

関連記事:呂布の死因は2つの説が存在した!?豪傑呂布の死因を考察

 

 

三国志世界の不可侵の設定その2:董卓が悪くない三国志

董卓

 

三国志という物語の前半は、中央の政界を牛耳った董卓(とうたく)という悪逆な政治家に対し、曹操(そうそう)劉備りゅうび)といった英雄たちが「反董卓連合軍」として結集するところから始まります。

董卓

 

この董卓というのが、残虐非道でかつスケベという、本当にどうしようもない大悪党なのですが、まさかこの董卓が「悪人ではなかった」と描かれていたら?

 

橋瑁が決起文を送り反董卓連合軍結成

 

「董卓を倒す」という正義の旗のもとに立ち上がった曹操や劉備の出足は、いったいどうなってしまうのでしょうか?

 

三国志という壮大な物語がオープニングから躓くことになってしまいます。どんな「新解釈」監督でも、ここはいじれないかと思いますが、さて今回の福田監督は、いかに??

 

関連記事:みんな演義に騙された?董卓の長安遷都と洛陽炎上には嘘がある!

関連記事:董卓と呂布の関係、史実での離反は何が原因だったのか?

 

三国志世界の不可侵の設定その3:関羽がぜんぜん高潔じゃない三国志

セクシーすぎる塩商人だった関羽

 

三国志の登場人物の中でも最大の人気を誇るのが、関羽(かんう)。物語の中心的な人物として活躍する、というだけではありません。何があっても主君(劉備)を裏切らない。それでいて、恩を受けたことがある相手なら、たとえ敵(曹操(そうそう))でも助けてしまうことがある。

 

「義理」「誠実」「正直」を絵に描いたような好人物!

 

関帝廟 関羽

 

横浜の中華街に関羽を祀る廟があるように、中国では民間信仰の対象になっているほど、尊敬されている人物です。

 

杜氏に惚れる関羽

 

この関羽が、実は金に汚かったとか、ウソツキだったとか、あるいは女性スキャンダルにまみれていた、とかいった設定は、ありなのでしょうか。

 

はじめてのプロ野球 関羽

 

いやいや、さすがにここはいじれない設定のハズ!というのも、これこそ、へたなことをしたら国際問題になりかねない一大聖域。さすがに福田監督も、ここはいじらないですよね、まさかね??

 

関連記事:横浜関帝廟のご利益のでる参拝の仕方とは?パワースポットにも最適?

関連記事:関帝廟ガイド~知っておきたい、正しい「基本」の参拝方法

 

【次のページに続きます】

 

次のページへ >

  • この記事を書いた人
  • 最新記事
YASHIRO

YASHIRO

とにかく小説を読むのが好き。吉川英治の三国志と、司馬遼太郎の戦国・幕末明治ものと、シュテファン・ツヴァイクの作品を読み耽っているうちに、青春を終えておりました。史実とフィクションのバランスが取れた歴史小説が一番の好みです。 好きな歴史人物: タレーラン(ナポレオンの外務大臣) 何か一言: 中国史だけでなく、広く世界史一般が好きなので、大きな世界史の流れの中での三国時代の魅力をわかりやすく、伝えていきたいと思います

-新解釈・三國志