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大衆が求める英雄像に合致した劉備と秀吉
劉備と秀吉の共通点は、民衆受けの良さを追求したもの、もっというと、当時の人々の理想とする、好ましい主人公像が投影されたものもあると思います。
自分たちの立場に近く、色んな人たちに慕われ、のし上がっていく……
ついでに実は高貴な人だったとかいう夢とロマンに溢れた設定……
これを深く投影したからこそ、こういったイメージ像ができたのだと思います。
と、考えると実は古くから、民衆の好みというのは共通点があったのではないかと想像できますね。中国と日本、場所や時代が違っても人々の好ましいイメージが近いのは、何とも面白いものだと思いますね。
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孫堅をかばって死ぬ祖茂も大衆受けした
さて、最後に「民衆受け」を追求したと思われる三国志演義の登場人物を一人。それは孫堅の部下、祖茂です。彼は正史において、殆ど出てきません。伝もなく、孫堅の伝にほんの少しだけの記述があるだけです。
しかし三国志演義では孫堅を逃がすために命をかけ、その果てに華雄に斬られてしまいます。祖茂もまた、あまり身分が高くなかったのでしょう。しかしそんな彼が孫堅の傍控え、身代わりになって最期を迎える……そんな役回り、脚光を一時でも浴びたのは、やはり民衆受けを考えてのことだと思う、筆者でした。
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三国志ライター センのひとりごと
現代では色々な執筆物があります。そして色々なキャラクター、設定を見ることができますが、近年ではどこか「逆境から成り上がっていく」ものが好まれているように思いますね。まあそりゃあ高貴な身分の人が能力チートで敵なしに天下統一だなんてそうそう……ん?そんなどこか光り輝きそうな皇帝、どこかにいたような?
ともあれちょっと時勢の人気を考えてみた筆者でした。
ちゃぷり。
参考文献:三国志演義
【奇想天外な夢の共演が実現 はじめての架空戦記】