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仙人修行をして呂后に止められる張良
また、劉邦に大変信頼され、大出世を果たした張良ですが、晩年にとんでもないことを言い出します。「自分はこの世での栄達を極めた。だからもう俗世の一切から離れ、仙人になろうと思う」
こう宣言した張良、穀物を食すことをやめ、仙人としての修行と研究に明け暮れ、どういったものかは知りませんが体を軽くする呼吸法などを行っていたそうです。
これを聞きつけたのが呂后。彼女は張良を説得して、食事を取らせました。この経緯を見ると、張良は途中で呂后の説得のため諦めたものの、仙人となろうとしていたようです。そんな彼の子孫が奇跡を起こして宗教の開祖となったのは、既にこの時点で張良自身が仙人と至っていた可能性もあるのでは……???
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水滸伝にも登場する張良の子孫
また張良の子孫というだけでも驚きびっくりな張魯ですが、彼の子孫もまた色々な話を見ていくと面白いことになっています。
張魯自身は曹操に降伏し、息子も取り立てられ、更に五斗米道は形を変えて現代まで残っています。
ではその子孫は……なんと、かの有名な水滸伝に出てくるのです。それも朝廷から疫病に悩まされるこの国を救うようにと要請され、見事祈祷でそれを叶える張天師として!
とはいえ、張天師は冒頭のみの登場ですし、そもそも水滸伝は創作物です。ですが張良から始まり、張天師に終結する家系……そう考えると、中々すごいですね、張魯の家系。
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【中国を代表する物語「水滸伝」を分かりやすく解説】
三国志ライター センのひとりごと
今回は三国志に出てくる張魯と、漢書に出てくる張良についてのお話でした。しかし張魯だけに限らず、三国志で出てくる人物の何人かはこの張良を引き合いにされているのも面白いですよね。それだけ張良という人物は、そしてその人物が後世に与えた影響は大きかったのでしょう。
そんな流れゆく時代の楽しさ、複雑さを胸に抱きつつ、本日もどぼーんしたいと思います。
参考文献:漢書列伝張陳王周伝 三国志魏書張魯伝 蜀書劉二牧伝 歴世真仙體道通鑑
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