水滸伝はどうして70回で終わりではないのか?100回の果てに何が見えるのか?


 

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水滸伝 風采、人格、気品を備え 棍法に優れた盧俊義

 

水滸伝(すいこでん)は大きく70回、100回、120回、と回数が違ってきます。主に70回は途中で終わり、100回はラストまで、120回はそこに色々な戦闘シーンを追加したもの……と言えばいいでしょうか。

 

水滸伝の墓

 

今回は120回はひとまず置いておいて、70回と100回、そこに違いに注目しつつお話をしたいと思います。どうして70回で終わりではないのか、100回の果てに何が見えるのか、それを考えてみましょう。

 

 

監修者

ishihara masamitsu(石原 昌光)kawauso編集長

kawauso 編集長(石原 昌光)

「はじめての三国志」にライターとして参画後、歴史に関する深い知識を活かし活動する編集者・ライター。現在は、日本史から世界史まで幅広いジャンルの記事を1万本以上手がける編集長に。故郷沖縄の歴史に関する勉強会を開催するなどして地域を盛り上げる活動にも精力的に取り組んでいる。FM局FMコザやFMうるまにてラジオパーソナリティを務める他、紙媒体やwebメディアでの掲載多数。大手ゲーム事業の企画立案・監修やセミナーの講師を務めるなど活躍中。

コンテンツ制作責任者

おとぼけ

おとぼけ(田畑 雄貴)

PC関連プロダクトデザイン企業のEC運営を担当。並行してインテリア・雑貨のECを立ち上げ後、2014年2月「GMOインターネット株式会社」を通じて事業売却。その後、「はじめての三国志」を創設。戦略設計から実行までの知見を得るためにBtoBプラットフォーム会社、SEOコンサルティング会社にてWEBディレクターとして従事。現在はコンテンツ制作責任者として「わかるたのしさ」を実感して頂けることを大切にコンテンツ制作を行っている。キーワード設計からコンテンツ編集までを取り仕切るディレクションを担当。


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70回まで

梁山泊(水滸伝)

 

まず70回までのお話をざっくりと。ある日地上に放たれた108の魔星。これらは運命に導かれて、様々な経緯を経て一つの沼の滸に集結します。それこそが水滸伝であり、梁山泊(りょうざんぱく)です。

 

宋江、史進、李逵、魯智深、林冲、武松、楊志(水滸伝)

 

現代でもこれを元に「梁山泊」という言葉が使われますね。この梁山泊に集まった好漢たちは、それぞれが才能に優れた人物たちであったことから才人の集まりを梁山泊と読んだりとします。

 

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歴史上の宋江

宋江 水滸伝

 

この梁山泊、そしてその頭領である宋江(そうこう)には元ネタと言うべき人物がいます。

 

水滸伝の宋江

 

それは嘗ての北宋の時代に、反乱を起こした人物たちがいました。それこそ宋江であり、彼らに軍は敵わず、その勢いは凄まじかったことから朝廷内では「破れぬならば取り込むべき」として、朝廷は宋江らの反乱の罪を問わず、将軍として取り立てた、ということです。

 

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時代を超えて愛される中国四大奇書「はじめての西遊記はじめての西遊記

 

 

歴史小説として

宋江の夢(水滸伝の主人公)

 

これが歴史小説として水滸伝になるにあたり、36名が108人となり、魔星の生まれ変わりとなり、色々な伝承がミキシングされていきました。

 

その中で「梁山泊に集う人たちは、大なり小なり罪(冤罪)を犯して社会からはみ出した人たち」「彼らが梁山泊入りする」「主にトップの宋江は国の先を憂いている」「国自体は悪臣たちがやりたい放題」というスパイスを利かせて煮込んだのが水滸伝です。

 

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梁山泊の最期

宋江(水滸伝)

 

そして、宋江、というよりも宋江を頭領とした梁山泊は、歴史と同じように朝廷に帰順し、それからは国のために戦うことになります。70回は集まった所までで終わるので、100回はこの宋江らが帰順して国のために戦い、そしてどんどんと亡くなっていき、最終的に宋江自身も毒殺されておしまいというエンディングを迎えます。

 

100回と70回の終わりはこの違いがありますね。

 

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終幕の理由

西遊記巻物 書物_書類

 

この終幕の理由に、水滸伝が歴史小説である、ということがあると思います。歴史小説は歴史に沿って描かれる物語、その歴史は既にあったもので、細部には違いはあっても結末は変えられません。

 

夷陵の戦いで負ける劉備

 

三国志演義(さんごくしえんぎ)劉備(りゅうび)は呉に敗北します。それは既に夷陵(いりょう)の戦いという戦いが起こっていて、記録されているからです。如何に主人公格補正があってもそれは変えられないのです。

 

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夷陵の戦い

 

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両親の持っていた横山光輝の「三国志」から三国志に興味を持ち、 そこから正史を読み漁ってその前後の年代も読むようになっていく。 中国歴史だけでなく日本史、世界史も好き。 神話も好きでインド神話とメソポタミア神話から古代シュメール人の生活にも興味が出てきた。 好きな歴史人物: 張遼、龐統、司馬徽、立花道雪、その他にもたくさん 何か一言: 歴史は食事、神話はおやつ、文字は飲み物

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