皆さんは「名言」をご存じでしょうか。言葉の意味をそのまま取るとするならば、「名言」とは「事柄の本質をうまく言い当てた言葉」ということ。その言葉に他者が納得してしまうような、確かがある言葉のことをそう呼びます。
そして歴史上の人物の名言の多くは、流石に海千山千の先人たちだけあってどれもが「名言」として知られるものばかり。今回はその中でも、諸葛亮の名言について見ていきたいと思います。
この記事の目次
後に天才軍師と言われた男の言葉「それ用兵の道は、人の和にあり」
さて諸葛亮と言えば当時としても破格の知恵者であり、更に後の世では天才的軍師の一角とされる人物であることは皆さんご存じのこと。ならば一番に紹介しておくべき諸葛亮の名言と言われる言葉と言えばやはりこちら。
「それ用兵の道は、人の和にあり」
兵法というのは、まずは人の和から。大将があれこれ命令するのではなく、人の和がありさえすれば、人々は自ら戦おうとする。神算鬼謀、そう称される諸葛亮が「人の和」と言うのは、あらゆる意味で琴線に響く言葉だと思いますね。
その意味する所は何なのか「我が心、秤の如し」
お次にご紹介したいのは、こちら。
「我が心、秤の如し」
これは諸葛亮の孔明さ……ではなく、公明正大さを表したものと言われています。私情を交えて誰かに偏ったりなどせず、あくまで釣合った天秤の如く公平ということでしょうか。ただ少し考えてしまうのですが、私情は交えることはなくとも、忠義の方は……なんて。でもどこまでも公平な天秤が少しでもグラつくの、良くありませんか?
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「才に傲りてもって人に驕らず、寵をもって威を作さず」
そしてこちらもぜひ紹介していきたいのが「才に傲りてもって人に驕らず、寵をもって威を作さず」自分の持つ才能に傲り高ぶってはならない、そして寵愛されているからと言っても、その寵愛者の威光を借りるようなことはあってはならない。
これで思い出すのは諸葛亮が可愛がっていた馬謖でしょうか……
彼の最期も含めて、寵があっても威でどうこうするような判断は下さなかったのですね、諸葛亮は。
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孔明のことわざは?三国志演義から生まれた言葉
さてここで少し趣向を変えて、諸葛亮が元となったことわざをご紹介しましょう。例えば「曹操の話をすると曹操が来る」と言ったように、歴史の偉人が元となることわざは多くあるものです。その中でも諸葛亮のことわざは、三国志演義を知っているとニヤリとなるもの。
「孔明弹琴退仲达」
これは「孔明が琴を弾いて仲達を撃退する」ということわざで、危機的状況にあっても冷静さを失わずにいることを例えて言ったことわざです。これはご存じ、三国志演義でただ一人城で琴を弾いていた諸葛亮を見た司馬懿が、何か罠があるに違いないと撤退するシーン。もちろん罠どころかそのまま攻撃されると大ピンチだったので、ある種、諸葛亮は司馬懿の裏を見る能力に賭けた訳ですね。緻密にして豪胆、そんな場面でもあります。
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孔明の有名なセリフは?パリピ孔明のあの言葉は!?
そしてここであの有名作品にも少し触れてみたいと思います。皆さんは「パリピ孔明」はご存じでしょうか。パリピ孔明は五丈原の戦いで病死した諸葛亮が、何の運命か現代日本に転移。そこでとある少女に軍師として仕え、彼女の夢を叶えるために奮戦する……と、できるだけネタバレにならないように説明しましたが、実に面白いのでまだ知らない方はぜひ見てみてくださいネ。その中で、このような諸葛亮のこのようなセリフがあります。
「才能とは生まれつきのものではなく、学習の結果として身に付くものと考えております」
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きちんと元ネタがある、あのパリピ孔明の言葉
実によい言葉でありますが、実は上記のパリピ孔明での諸葛亮のセリフ、きちんと元ネタと言えるものがあります。それは
「非学無以広才 非志無以成学」
これは学ぶことで才能は花開く。そして志がなければ学問に完成はない、というもの。恐らく、前半部分がこの言葉の元となったのではないかと思われます。そして志とは思いであり、目標へまい進する気持ち。努力と共に、何かに向かって突き進んでいこうという心、それこそが才能を開花させ、そして完成させていく……自らが志半ばで倒れたからこそ、出てくる諸葛亮の言葉。そう考えると、涙が滲んでくるようですね。
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諸葛亮という存在と、様々な言葉たち
今回はあくまで一部の、諸葛亮の名言たちをご紹介しました。もちろんこれ以外にも様々な名言を諸葛亮は、そして恐らく――諸葛亮が言ったとされる言葉が、たくさんあります。相手は歴史上の存在ですから、もしかしたら今ある以上にこれから諸葛亮が残したとされる言葉が出てくるかもしれません。嘗ての世界からのメッセージ、そう思うとより、この一文字一文字にロマンを感じるのではないでしょうか。
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三国志ライター センのひとりごと
こう見ていくと、言葉というのは不思議なものですね。考えてみれば遥か昔の、下手をするとどんな人物かも理解しえない相手が発したもの。それが、長い年月を経て私たちのところへ届き、そして浸透していきます。
そして時に姿を変え、再び蘇るのです。「誡子書」は諸葛亮が子に、そして子孫に残したとされる書物ですが、それを現代の私たちが知ることができる。こうやって色々と歴史に触れられる瞬間、ぜひこれからも大事にしていきたいものですね。ちゃぷり。
参考:楊升庵集 将苑・将誡 誡子書
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