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もし黄忠が曹操軍入りしたら三国志はこうなる!劉備の計画は崩壊し、訪れる危機とは?

2024年11月30日


 

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戦場で尊敬される黄忠

 

三国志演義』の劉備軍の花形「五虎将軍(ごこしょうぐん)」の一人にして、ハイスペックおじいちゃん将軍としてキャラも立っている、黄忠(こうちゅう)

 

はてなマークな劉備と袁術

 

すっかり蜀の重臣というイメージがついていますが、実はこの黄忠、ほんの一時期とはいえ、曹操(そうそう)軍の武将だったことを、ご存知でしょうか?

 

赤壁の戦いで敗北する曹操

 

おそらく黄忠本人は曹操に会ったことはないと思いますが、赤壁(せきへき)の戦い前後の激動の中で、ほんの一時期「組織上は」曹操軍の一端という扱いになったのです。歴史のイフ展開考察が好きな三国志ファンは、ここで次のように考えるのでは?

 

五虎大将軍の黄忠

 

もしそのまま黄忠が曹操軍の中で、きちんと重臣として扱われ、曹操軍に居続けていたら、その世界線での黄忠はどのような働きをしていたのでしょうか?

 

凡人すぎた楊雍(はてな)

 

そしてその場合、三国志全体の展開はどのように変わっていったのでしょうか?

 

 

監修者

ishihara masamitsu(石原 昌光)kawauso編集長

kawauso 編集長(石原 昌光)

「はじめての三国志」にライターとして参画後、歴史に関する深い知識を活かし活動する編集者・ライター。現在は、日本史から世界史まで幅広いジャンルの記事を1万本以上手がける編集長に。故郷沖縄の歴史に関する勉強会を開催するなどして地域を盛り上げる活動にも精力的に取り組んでいる。FM局FMコザやFMうるまにてラジオパーソナリティを務める他、紙媒体やwebメディアでの掲載多数。大手ゲーム事業の企画立案・監修やセミナーの講師を務めるなど活躍中。

コンテンツ制作責任者

おとぼけ

おとぼけ(田畑 雄貴)

PC関連プロダクトデザイン企業のEC運営を担当。並行してインテリア・雑貨のECを立ち上げ後、2014年2月「GMOインターネット株式会社」を通じて事業売却。その後、「はじめての三国志」を創設。現在はコンテンツ制作責任者として「わかるたのしさ」を実感して頂けることを大切にコンテンツ制作を行っている。キーワード設計からコンテンツ編集までを取り仕切るディレクションを担当。


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黄忠の運命の分かれ目はここだった!赤壁直後の情勢図

三国志演義_書類

 

まずは『三国志演義』の流れをおさらいしましょう。

 

劉表死す

 

もともと黄忠は、劉表(りゅうひょう)軍に仕える武将でした。ところがご承知の通り、劉表が病没した後を継いだ劉琮(りゅうそう)はあっけなく曹操に降伏してしまいます。これによって、荊州一帯は、すべて曹操軍の勢力下となります。

 

進軍する兵士b(モブ用)

 

この時、黄忠は他の旧劉表軍の武将たちと一緒に、曹操の勢力下で引き続き荊州の守りを任されました。

 

韓玄(かんげん)

 

 

ここで上司となったのは、韓玄(かんげん)という人物。

 

赤壁の戦い

 

やがて赤壁の戦いで曹操が敗北すると、守りが薄くなった荊州に劉備軍が入ります。

 

黄忠と同列になることにくキレる関羽

 

黄忠は、韓玄の下で、関羽(かんう)との華やかな戦いを繰り広げますが、この戦いを通じて、黄忠は関羽の人柄に接しておおいに心を動かされ、また上司の韓玄からの扱いが酷かったこともあって、ついに劉備軍に加わることになる、というのが、実際の経緯です。こうしてまとめてみると、なるほどこの時の黄忠は形式的には「曹操軍の末端」にいたわけですが、黄忠本人の視線から言うと、周囲の勢力図の変化によって「受け身」で主君が変わっただけのこと。

 

劉備軍で出世する魏延と黄忠

 

その黄忠、劉備という自分にぴったりの主君を見つけ、その下に加わってからは、益州攻略や漢中争奪戦で大活躍をすることになります。本来、優秀な人材を集めることを重視していた曹操にとって惜しむらくは、この時の彼が黄忠の存在を恐らく知らなかったこと。

 

黄忠の様子を見に行く趙雲

 

もし、赤壁の戦いから撤退する時の曹操のところに、誰かが進言をして、「荊州はもはや守り切れないでしょう!こうなったら今後のことを考えて、荊州の守りにつかせている旧劉表軍の有能な人材を引き抜いて、北へ連れ帰ってしまいましょう。たとえば韓玄の下でくすぶっている黄忠という男などはいかがでしょう?」と紹介していたら?

 

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もし黄忠が曹操軍に加わっていたら劉備陣営に地味な苦労が積み重なる!

人材を見出すのが趣味の曹操

 

そんな人物が荊州にいるとわかれば、曹操は当然興味を持ち、黄忠を召喚することでしょう。

 

三国志の武器 床弩 黄忠

 

そして関羽にも劉備にも出会っていない時期の黄忠は、「曹操ほどの人が私の名前に関心を持ってくれたとあらば」と、劉備の荊州入りよりも前のタイミングで、曹操のもとに向かっていたかもしれません。そうなっていたら、その後の三国志はどうなっていたでしょうか?

 

徐庶がいなくなり寂しがる劉備

 

このシナリオで、深刻な影響を受けるのは劉備軍です。益州攻略の時に黄忠が手元にいないと、たちまち劉備軍は、かなり苦しい人材のやりくりを迫られます。より深刻なのが、漢中争奪戦。

 

黄忠VS夏侯淵

 

実際には黄忠はここで大活躍をし、曹操軍のベテラン将軍、夏侯淵(かこうえん)を討ち取るという快挙まで成し遂げるのですが、黄忠が劉備軍に参加していないこの世界では、黄忠が果たしていたこの役割は別の誰かになります。

 

魏延の謀反を察する孫権

 

おそらくは、劉備や諸葛亮(しょかつりょう)は、その反骨的な性格を警戒しながらも、魏延(ぎえん)をメインに使うことになります。魏延でも悪くないのですが、とにかく周りの諸将とうまくやっていけない。

 

魏延

 

さらに魏延が夏侯淵をみごとに討ち取れるかも、やや微妙です。最悪の場合、黄忠がいないだけで、漢中争奪戦は長期戦と化し、何年もの膠着状態に陥ってしまったかもしれません。

 

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一番苦しいのは荊州の関羽に黄忠が襲い掛かること

大きすぎる関羽像

 

それだけではありません。劉備の視点からすると、いちばんきついのは、荊州を守る関羽のところに黄忠が襲いかかってくるシナリオです。

 

関羽

 

この方面には本来、龐徳(ほうとく)が投入されて関羽を苦しめたのですが、このイフ世界では黄忠と龐徳がコンビで関羽に挑みます。

 

関羽

 

これでは、関羽が呉の呂蒙に倒されるよりも前に、魏から派遣されてきた黄忠と龐徳に倒されてしまう可能性すらあり得ます!

 

敗れる関羽雲長

 

漢中をとれない上に、荊州を曹操軍にとられ、関羽も討ち取られてしまうとなれば、これはまさに劉備陣営にとって地獄の展開です!

 

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まとめ:まだ残された劉備軍大逆転のシナリオ

ポイント解説をするYASHIRO様 ポイント

 

ですが、このイフ展開、何もそのように劉備軍にとって最悪の展開にならない可能性もあります。というのは、荊州を守る関羽のところに黄忠が襲いかかった場合、ここで、初めて、関羽と黄忠の一騎打ちが発生することになります。

 

弓の名人・黄忠

 

本来ならば韓玄との戦いの際に、戦場で一騎打ちをし、互いに認め合った二人。その二人の出会いがここにズレた場合でも、けっきょく、関羽と黄忠の間に戦場での友情が芽生え、なんと、このタイミングで黄忠の劉備軍への寝返りが発生するかもしれません!

 

蜀の劉備

 

その場合、なるほど、劉備軍全体では、まだ漢中を占領できていなかったりと史実と比べてデメリットも残りますが、ここで黄忠が関羽の下に飛び入りすることで、荊州が呉にとられる史実シナリオを関羽&黄忠のコンビが防いでくれるかもしれません!

 

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劉備

 

 

三国志ライターYASHIROの独り言

三国志ライター YASHIRO

 

そうなると、夷陵の戦いが起こらず、関羽と劉備の寿命が延びるのです!

 

頑固ジジイで戦場に出たい黄忠

 

黄忠が仲間に加わるタイミングが後倒しになったものの、結果として、関羽と劉備が長生きすることになり、かつ、この場合、黄忠自身も史実より長生きすることになるこのシナリオ。

 

三国志を楽しく語るライターYASHIRO様

 

黄忠がもし曹操軍に残っていても、実は曹操側にはあまりメリットがなく。なんだかんだ劉備にはおいしい展開もあり得ると予想しましたが、さて黄忠ファンの皆さん、このシナリオはいかに?

 

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YASHIRO

とにかく小説を読むのが好き。吉川英治の三国志と、司馬遼太郎の戦国・幕末明治ものと、シュテファン・ツヴァイクの作品を読み耽っているうちに、青春を終えておりました。史実とフィクションのバランスが取れた歴史小説が一番の好みです。 好きな歴史人物: タレーラン(ナポレオンの外務大臣) 何か一言: 中国史だけでなく、広く世界史一般が好きなので、大きな世界史の流れの中での三国時代の魅力をわかりやすく、伝えていきたいと思います

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