【キングダム】万極は実在する?長平の戦いの史実と信に討たれる最期

2026年9月27日

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kawauso編集長(石原 昌光)

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kawauso編集長(石原 昌光)

「はじめての三国志」にライターとして参画後、歴史に関する深い知識を活かし活動する編集者・ライター。現在は、日本史から世界史まで幅広いジャンルの記事を1万本以上手がける編集長に。故郷沖縄の歴史に関する勉強会を開催するなどして地域を盛り上げる活動にも精力的に取り組んでいる。FM局FMコザやFMうるまにてラジオパーソナリティを務めるほか、紙媒体やWebメディアでの掲載多数。大手ゲーム事業の企画立案・監修やセミナーの講師を務めるなど活躍中。

コンテンツ制作責任者・おとぼけ(田畑 雄貴)

コンテンツ制作責任者

おとぼけ(田畑 雄貴)

PC関連プロダクトデザイン企業のEC運営を担当。並行してインテリア・雑貨のECを立ち上げ後、2014年2月に「GMOインターネット株式会社」を通じて事業売却。その後、「はじめての三国志」を創設。現在はコンテンツ制作責任者として「わかるたのしさ」を実感していただけることを大切にコンテンツ制作を行っている。キーワード設計からコンテンツ編集までを取り仕切るディレクションを担当。

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張昭(ポイント)

降伏した40万人のうち、趙へ帰されたのは240人。『史記』は、長平の戦いの結末をそう書き残しています。その戦いの生き残りとして合従軍編に登場するのが、キングダムの万極です。趙の将軍として秦に攻め込み、秦の人々への憎しみを隠そうともしない男。

 

『史記』の完成という使命を貫いた司馬遷

 

万極という名前は、『史記』の長平の戦いにも合従軍の記事にも出てきません。原作が生んだ人物です。

 

白起に敗北する趙括

 

それでも、万極の恨みには根があります。長平の戦いは紀元前260年に本当にあった戦いで、合従軍まではちょうど19年。信との一騎打ちの結末、長平で起きたこと、その19年を順にたどります。

 

※この記事は2026年9月時点の内容です。原作の合従軍編の内容に触れています。

 

キングダムの万極とは?基本プロフィール

名前 万極(まんごく)
所属・立場 趙の将軍。合従軍で秦に攻め込む
背負っているもの 長平の戦い(紀元前260年)の生き残り
率いる軍 長平で家族を失った人たちとその子孫
実写映画 山田裕貴さん(『キングダム 魂の決戦』2026年)
史実 『史記』の該当記事に名前は見当たらない。背景の長平の戦いは史実

 

万極の軍は、ただの趙軍ではありません。長平で家族を奪われた人たちと、その子どもたちで作られた軍です。秦への恨みが、そのまま軍の形をしているようなもの。原作では、万極自身も長平で父や兄とともに生き埋めにされ、ひとりだけ土の中から這い出したと語られます。

 

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キングダム人物名図鑑

 

万極は原作でどうなる?信との戦い

三国志のモブ 反乱

 

合従軍編の万極は、秦に対して容赦のない戦い方をします。見ている側が目をそむけたくなる場面も少なくありません。その万極の前に立つのが、飛信隊の信です。信は万極のやり方に怒り、万極は長平の恨みを信にぶつけます。

 

たしかに、万極のしていることは許されません。ただ、万極の言い分をただの悪役の台詞として読むと、この戦いのいちばん苦いところを見落とす気がします。二人の戦いは、単行本27巻で一騎打ちに。最後は、信が万極を討ちます。ここは、読み返すたびに重くなる場面です。

 

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キングダムを100倍楽しむ

 

『史記』が伝える長平の戦い|降伏兵40万人と、帰された240人

白起(春秋戦国時代)

 

長平の戦いは、紀元前260年、秦と趙が長平(いまの山西省南部)でぶつかった戦いです。

 

『史記』白起王翦列伝によると、流れは次のとおり。趙は、守りを固めていた廉頗に代えて、趙括を大将にしました。趙括は若いころから兵法を学び、議論では負け知らず。ただ、藺相如は「父の書物を読めるだけで、状況に応じて動けない」と危ぶんでいました。部活で言えば、県大会の決勝で守備の要を外し、作戦ノートは誰より詳しいのに、試合の流れに合わせて動けるかわからない選手を出すような交代です。

 

春秋戦国時代の白起、デビュー戦から大殺戮

 

秦はひそかに名将・白起を総大将に据え、趙軍を囲んで補給を断ちます。食べ物が届かなくなって46日。趙の兵は、陣の中で互いに殺し合って食べるところまで追い詰められました。趙括は突撃して射殺され、残った趙兵40万人は秦に降伏します。

 

 

長平の戦いがいまも語られる理由は、ここから。『史記』は、白起が降伏した兵をだまして、ほとんど全員を穴に埋めて殺したと伝えます。年少の者240人だけが、趙へ帰されたとあります。40万人のうち、帰されたのが240人。『史記』の人数で計算すると、約1,700人に1人です。

 

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史実版の春秋戦国時代の年表

 

長平から合従軍まで19年

行軍する兵士達b(モブ)

 

長平の戦いが紀元前260年。合従軍が秦を攻めたのは、紀元前241年です。そのあいだは19年。

 

紀元前260年の長平の戦いから紀元前241年の合従軍までの年表。嬴政の誕生、秦への帰国、即位を含む

長平の戦いから合従軍までの19年。出典:『史記』。作図:はじめての三国志

 

 

19年は、生まれた赤ん坊が大学生になるくらいの時間です。仮に長平の年に10歳だった子なら、合従軍のころには29歳になっている計算。一軍を率いていてもおかしくない年ごろです。原泰久先生が、合従軍の趙軍に長平の生き残りを置いたのは、この19年を計算に入れたからではないか、と思うのです。

 

ちなみに、長平の翌年の紀元前259年、趙の都・邯鄲で生まれた男の子がいます。のちの嬴政。長平の恨みが最も濃かった土地で、秦の王子が育っていたことになります。

 

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キングダム年表

 

万極は実在する?

西遊記巻物 書物_書類

 

万極は原作の登場人物です。『史記』の長平の戦い(白起王翦列伝)と合従軍(秦始皇本紀)の記事に、万極の名は見当たりません。ただ、長平の戦いと、降伏兵のほとんどが命を奪われたことは『史記』に記録があります。万極の恨みの出どころは、作り話ではありません。

 

名前が残ったのは、白起と趙括と廉頗。『史記』は40万人の兵を人数で伝え、ひとりひとりの名前は書いていません。万極は、その名前のない40万人の側から秦を見ている人物なのだと思います。

 

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キングダム武将の哀しすぎる最期

 

万極のよくある質問

万極は最後どうなりますか?

 

原作の合従軍編で、信との一騎打ちの末に討たれます。

 

 

万極は長平の戦いとどう関係していますか?

 

原作では、長平の戦いで父や兄とともに生き埋めにされ、ひとりだけ生き残った人物として描かれています。戦いそのものは、紀元前260年に実際に起きています。

 

万極は実在の人物ですか?

 

『史記』の該当記事に名前が見当たらない、原作の人物です。

 

実写映画で万極を演じたのは誰ですか?

 

山田裕貴さんです。2026年公開の『キングダム 魂の決戦』で演じました。

 

キングダムライターおとぼけの独り言

 

はじめての三国志主宰 おとぼけ(田畑雄貴)

 

40万人のうち、帰されたのは240人。この数字を知ったうえで万極の言葉を読むと、悪役の台詞として聞き流すのは難しいと思います。やっていることは決して許せません。それでも、名前の残らなかった40万人の側から秦を見た人物として、万極は欠かせない敵です。それでは兄弟たちよ、また次の記事でお会いしまっせ!

 

—熱き『キングダム』の原点がココに—

春秋戦国時代

 

 

 

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おとぼけ(田畑雄貴)

数々のブレストと思いつきで場を散らかした後、権限委譲と言い放ち、kawauso編集長に丸投げし去っていく。インターネットの不特定多数無限大の可能性にロマンと情熱を捧げる「はじめての三国志」の創設者。創造的で自由な発想が称賛や批判を創発し、心をつかむコンテンツになると信じている。各メンバーのパーソナリティを尊重し、全員の得意分野を活かし、補完し合うチーム作りを目指している。

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