キングダム650話雑学「什虎城を大真面目に探してみた」

2020年8月12日

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kawauso編集長(石原 昌光)

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「はじめての三国志」にライターとして参画後、歴史に関する深い知識を活かし活動する編集者・ライター。現在は、日本史から世界史まで幅広いジャンルの記事を1万本以上手がける編集長に。故郷沖縄の歴史に関する勉強会を開催するなどして地域を盛り上げる活動にも精力的に取り組んでいる。FM局FMコザやFMうるまにてラジオパーソナリティを務めるほか、紙媒体やWebメディアでの掲載多数。大手ゲーム事業の企画立案・監修やセミナーの講師を務めるなど活躍中。

コンテンツ制作責任者・おとぼけ(田畑 雄貴)

コンテンツ制作責任者

おとぼけ(田畑 雄貴)

PC関連プロダクトデザイン企業のEC運営を担当。並行してインテリア・雑貨のECを立ち上げ後、2014年2月に「GMOインターネット株式会社」を通じて事業売却。その後、「はじめての三国志」を創設。現在はコンテンツ制作責任者として「わかるたのしさ」を実感していただけることを大切にコンテンツ制作を行っている。キーワード設計からコンテンツ編集までを取り仕切るディレクションを担当。

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内容に納得がいかないkawauso様

 

大人気春秋戦国時代漫画キングダム、8月13日はYJ自体が合併号で休刊なので、つまりはキングダムもお休みです。

 

そこで、ストーリーは進まないわけですが、何かと話題の什虎城(じゅうこじょう)を真面目に検索してみました。果たして、そんな事をして何が分かるんでしょうか?

 

キングダム650話雑学「什虎城などという城はない」

樊城の戦い

 

kawauso編集長は、中国史全般好きなので、もちろん春秋戦国時代もカバーしてます。そこで、春秋戦国時代の地図を調べて、秦、韓、魏、楚の国境辺りに什虎なる城があるかどうかを調べてみましたが、やはりありませんでした。

 

しかし、什虎城はありませんでしたチャンチャン!では記事にならないので、無理やりに什虎城の位置を史実に当てはめて考えてみました。

 

キングダム650話雑学「それは南陽市ではないか?」

 

最近、更新された漫画キングダムの秦の領土のコマを参考に架空の什虎という地名を当てはめたのが上記の地図です。

 

はい、ここまでやると100%バカなんですが、その辺の無駄な労力をひとまず置いて考えるとキングダムにおける什虎城とは、矢印の部分、現在の河南省南陽市(かなんしょうなんようし)に当たるのではないかと推測が出来ます。

白起(春秋戦国時代)

 

どうして、南陽市を選んだのかと言いますと地形的な近さもさることながら、ここは、実際に紀元前273年、秦の白起によって征服され、大量の秦の人民が入植させられた場所なのです。その時代には南陽ではなく(えん)という呼び名でした。時期こそ違いますが、後に秦は什虎を魏から奪い、ここに秦人を入植させるという可能性もあります。

 

キングダムネタバレ考察

 

キングダム650話雑学「玻璃も呉鳳明も欲しがる豊かな地」

長安(俯瞰で見た漢の時代の大都市)

 

さらには、南陽市は楚の領地だった時代から金属工業が盛んであり、後漢の前期には52万戸という当時の中国全土で最も多い人口を記録しました。その後も南陽市は繁栄をつづけ、現在では人口1194万人だそうです。

 

それだけ経済ポテンシャルがある土地ですから、キングダムの時代から玻璃も呉鳳明も欲しがるわけであり、楚としても渡したくないでしょうから、難攻不落の堅城になっていると、逆算するとそのように考える事も可能です。

 

キングダム650話雑学「中華の南北を結ぶ交通の要衝」

兵糧を運ぶ兵士

 

もうひとつ、南陽の特徴は中華の南北を結ぶ交通の要衝になっている点です。キングダムでも、秦、楚、魏、韓の境界線にある重要拠点だと言っている事から、明示していなくてもここが什虎城のモデルになっている可能性は高いと思います。

キングダム650話雑学「三国志の時代主要な戦場になった」

赤鎧を身に着けた曹操

 

もうひとつ、什虎城=南陽市説をkawausoが唱える理由は、この南陽市、古名宛がキングダムの時代から400年程経過した三国志の時代に、何度か主要な戦場になっている点です。

 

もっとも有名なのは、三国志の英雄曹操(そうそう)が、一度宛を攻略した後に、未亡人とのメイクラブでウヒョしまくっている間に、宛の支配者であった張繍(ちょうしゅう)に恨まれる事になり、張繍の軍師、賈詡(かく)の計略に掛かって、宛を追い出される事になる宛城の戦いでしょう。

王翦

 

ところで、キングダムに出てくる計略は、全てが全てキングダムのオリジナルではありません。列尾の壊れやすい城や、鄴に難民を追い立て兵糧攻めにする等の李牧や王翦の計略は、日本の戦国時代の鳥取の(かつ)え殺しや豊薩(ほうさつ)合戦の中にあった駄原城(だばるじょう)の戦いが元ネタです。

 

 

実際に使われた戦法や計略なら、漫画の中でもリアルで活かしやすいですからね。だとすると、原先生は什虎城を宛城に比定する事で、三国志の時代の計略をキングダムに盛り込もうと考えているのではないでしょうか?

 

キングダム650話雑学「賈詡の計略が使われるかも」

賈詡

 

では、什虎ではどんな計略が使われるのか?

 

宛城の戦いでは、圧倒的に優勢な曹操軍に対応する為に、張繍の軍師の賈詡は偽りの降伏を提案し、曹操軍を城内に引き入れて歓待し、その警戒心を完全に取り去ってから奇襲を掛けて、曹操を破り追い払っています。

兵士 朝まで三国志

 

その軍勢の動かし方も、軍勢を別の場所へ移動させたいので曹操の陣営を通過してもよいかと尋ね、同時に、荷車や馬車が少なく、全ての武器と防具を車載できないので兵士に完全武装させても良いか?と打診して承諾を受けてから、曹操の陣営を通過し、そのまま完全武装させた将兵の向きを変えて曹操軍の陣営に襲い掛かるというものでした。

昌平君

 

楚と言えば、非常に好戦的な感じですが、もし、指揮官が昌平君であれば、

「あなたは楚人で、しかも王族ですから敵意はありません」と

理由をつけて昌平君を欺き、無血開城するというシナリオも無くはないでしょう。

項燕

 

さらにこの時、什虎城の総大将が項燕将軍だったら後に項燕が昌平君を王に立てる関係上、ストーリーが面白くなるかも

 

キングダム650話雑学「秦魏同盟をオセロする趙・魏・楚・韓同盟」

行軍する兵士達b(モブ)

 

こうして、秦と魏の連合軍が什虎城を落とし、秦がいよいよ魏の領内を通って邯鄲を攻撃しようとした所で、魏と楚が手を結び背後から秦軍を攻撃します。これには、趙と韓も加わっていて、仕掛け人は郭開(かくかい)と手打ちした李牧でした。

 

李牧

 

つまり、秦魏同盟は、さらにその外部から趙・魏・楚・韓同盟によってくるまれていて、完全にオセロされてしまうのです。

 

かくして、魏と趙の戦線が崩壊した秦は大敗を余儀なくされ、一度は得た趙や魏の領土を手放し、函谷関に籠る羽目になりました。こんな風に展開するんじゃないでしょうか?

 

キングダム(春秋戦国時代)ライターkawausoの独り言

kawausoさんのキングダムがキター!

 

最初に、逃げ口上(こうじょう)を言わせてもらうと、まだ什虎城がどんな城か不明ですし、誰が大将として籠っているかも不明、おまけに秦から誰が出撃するか不明な状態では、あやふやな事しか言えませんけどね。

 

それでも、色々空想するのは楽しいなと思い考えてみました。

 

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台湾より南、フィリピンよりは北の南の島出身、「はじめての三国志」の創業メンバーで古すぎる株。もう、葉っぱがボロボロなので抜く事は困難。「はじめての三国志」編集長。三国志・中国史を中心に、日本史から世界史まで幅広いジャンルの記事を執筆・編集し、当サイトでは4,000本以上の記事を担当。三国志は正史から入ったため、演義を書くときのほうが神経を使うという天邪鬼。故郷・沖縄の歴史に関する勉強会の開催や、ラジオパーソナリティとしての活動も行う。

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