コメディ映画監督の福田雄一監督が制作した、『新解釈・三國志』が話題になっていますね!
年季の入った三国志ファンの一人として、私が以前、福田監督の制作発表を聞いたとき感想はただただ「勇気がある行いだなぁ!」でした。というのも、これだけ日本で人気が高く熱心なファンが各世代に多い『三国志』を、「新解釈」すると宣言しているわけですから!
どんな「新解釈」をしたところで、うるさいファンからは「そのキャラ設定を変えるなよ!」とか「その事件の背景を変えるなよ!」とか、細かいところまでブーイングが殺到することが目に見えている企画です。
「新解釈」とタイトルに銘打っただけで、もはや勇者です!
でもコメディ映画界のベテランである福田監督のこと。きっとそのような「うるさいブーイング」も、反響のひとつとしてとらえる気満々で、「批判ウェルカム!」と待ち望んでいるのではないでしょうか?
ただしいっぽうで、制作発表を聞いたとき、私の中では「いくら福田監督でも、ここは絶対にいじらないだろう!」と個人的に予想したポイントが数個あります。
「どんなに手腕の優れたコメディ監督でも、ここの設定をいじったら、もはや焼き討ちにあうだろう!」という、一種の聖域が、三国志世界にはあるのです!
そこで今回は、私が個人的に、「いくら福田監督でも、ここはいじらないはず!」という、「三国志世界の絶対不可侵の設定」をいくつか挙げてみました。まさかまさか、福田監督がこのうちのどれかに踏み込んでしまっているのかどうか!
個人的にも、恐ろしいようでいて、「このうちのひとつくらいには大胆に踏み込んで炎上を引き起こしてほしい!」という気持ちもありつつ、以下、挙げていきます!
この記事の目次
三国志世界の不可侵の設定その1:呂布が強くない三国志
三国志世界で最強の武将とされている呂布。他の武将たちを続々となぎ倒していくパワフルさで、三国志の物語前半を盛り上げてくれます。この呂布が「実は弱かった!」とする新解釈は、アリなのでしょうか?
普通に考えれば、無理なはず。
というのも率直なところ、三国志ファンたちの間で、「呂布よりも関羽が強い」とか、「呂布よりも張飛が強い」とか言っただけでも、「お前は何もわかっていない」とボコボコにされること必至だからです。
「呂布より強い〇〇がいる」というだけでも「わかっていない」とタタかれるほどの聖域!
どんなコメディ監督でも、ここには手を出さないと思いますが。さて今回の福田監督は、いかに??
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三国志世界の不可侵の設定その2:董卓が悪くない三国志
三国志という物語の前半は、中央の政界を牛耳った董卓という悪逆な政治家に対し、曹操や劉備といった英雄たちが「反董卓連合軍」として結集するところから始まります。
この董卓というのが、残虐非道でかつスケベという、本当にどうしようもない大悪党なのですが、まさかこの董卓が「悪人ではなかった」と描かれていたら?
「董卓を倒す」という正義の旗のもとに立ち上がった曹操や劉備の出足は、いったいどうなってしまうのでしょうか?
三国志という壮大な物語がオープニングから躓くことになってしまいます。どんな「新解釈」監督でも、ここはいじれないかと思いますが、さて今回の福田監督は、いかに??
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三国志世界の不可侵の設定その3:関羽がぜんぜん高潔じゃない三国志
三国志の登場人物の中でも最大の人気を誇るのが、関羽。物語の中心的な人物として活躍する、というだけではありません。何があっても主君(劉備)を裏切らない。それでいて、恩を受けたことがある相手なら、たとえ敵(曹操)でも助けてしまうことがある。
「義理」「誠実」「正直」を絵に描いたような好人物!
横浜の中華街に関羽を祀る廟があるように、中国では民間信仰の対象になっているほど、尊敬されている人物です。
この関羽が、実は金に汚かったとか、ウソツキだったとか、あるいは女性スキャンダルにまみれていた、とかいった設定は、ありなのでしょうか。
いやいや、さすがにここはいじれない設定のハズ!というのも、これこそ、へたなことをしたら国際問題になりかねない一大聖域。さすがに福田監督も、ここはいじらないですよね、まさかね??
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