袁術(えんじゅつ)は孫策(そんさく)からもらった玉璽(ぎょくじ)を手にして、
皇帝に就任するか迷いますが、
占い師からの宣託や預言書に彼が皇帝になるという文言を見つけ、
皇帝になることを決意します。
袁術は皇帝即位を決意すると豪勢な飾りつけを行い、武官・文官を全員呼び豪勢な
式典を行います。
曹操のもとにも袁術が皇帝に即位したとの報告が入りますが、
彼は大いに落ち込んでいたため、袁術即位の報告を上の空で聞いておりました。
曹操が落ち込んだ理由
曹操はなぜ落ち込んでいたのでしょうか。
その理由は曹昂(そうこう)の死が原因です。
曹昂は曹操と劉夫人の子供でしたが、彼女が曹昂を生んですぐに亡くなってしまった
ため、丁夫人が曹昂を小さい時から母親代わりとして育てます。
丁夫人は曹昂を実の息子のように可愛がっておりましたが、
曹昂が曹操を助けるために戦死したことを聞くと、曹操に激怒します。
曹操は宛城から脱出した後、すぐに丁夫人に謝ります。
しかし丁夫人は彼を許すことはなく、実家に帰ってしまいます。
夏侯惇の激励
曹操は愛しの丁夫人が実家に帰ってしまったことを大いに悲しみ、落ち込んでおりました。
そんな彼を片目の将軍・夏侯惇(かこうとん)がいかつい顔で激励叱咤しますが、
曹操の悲しみは深く、
軍議を行っても程昱(ていいく)や荀彧(じゅんいく)らの意見に答えないことが
しばしばありました。
しかし彼は自力で立ち直り、袁術討伐の計画を荀彧と共に練ります。
袁術の出師
袁術は皇帝の位についてから大いに調子に乗り、
気に入った女性を片っ端から後宮に入れていきます。
そんな中、孫策の離反と呂布(りょふ)が袁術の軍勢を打ち破ったとの報告が入ります。
袁術はそれを聞くと立ち上がり、曹操討伐を諸将に命じます。
そして自ら軍勢を率いて曹操の本拠である許(きょ)へ向けて出陣します。
荀彧の秘策
袁術軍が許へ向けて進軍を開始したとの報告が、
軍議を行っていた曹操や荀彧、程昱、郭嘉(かくか)らに入ります。
曹操は各軍師の意見を一通り聞き、荀彧に袁術との戦いを一任します。
荀彧は袁術との戦いを開始する前に、
曹操にお願いして大きな紙に絵を書いてもらい、
程昱にも大きな紙に文章を書いてもらいます。
そして曹操の親衛隊長である許褚(きょちょ)を伴い出陣します。
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