
王騎を討ち、麃公を討ち、信の前に三度立ちはだかった男。趙の三大天・龐煖は、物語の前半から中盤にかけての、いちばん大きな壁。
その龐煖と信の決着は、58巻の朱海平原の戦いで描かれています。龐煖がどんな人物で、誰とどう戦い、何巻で倒れたのかまでを、ここで一度まとめておきます。2017年に書いた「龐煖はもうすぐ倒れる」という予想が、どこまで当たっていたのかも、あとで確かめます。
※2017年1月に公開した予想記事を、2026年10月に書き直しました。原作58巻までの展開と、龐煖の最期に触れています。
この記事の目次
龐煖のまとめ:王騎と麃公を討ち、58巻で信に敗れる
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 読み | ほうけん |
| 立場 | 趙の三大天。自らを「武神」と呼び、人を超えた存在になることを求め続ける |
| 主な戦い | 馬陽の戦い(11〜16巻)、合従軍の戦い(25〜33巻)、朱海平原の戦い(55〜58巻) |
| 討った主な相手 | 摎、王騎、劇辛、麃公、胡漸ほか |
| 最期 | 58巻、朱海平原の戦いの十五日目に信との一騎打ちで討たれる。決着は第627話「道の行方」とする資料が複数ある |
| アニメ・実写 | アニメの声は高塚正也さん、実写映画では吉川晃司さんが演じる。最期の場面は2026年10月時点でまだアニメになっていない |
| 史実 | 『史記』趙世家に、燕の劇辛を捕らえた記事と、趙・楚・魏・燕の兵を率いて秦の蕞を攻めた記事がある |
巻と話の題は集英社の単行本の目次、大きな流れは集英社の各巻の紹介、史実は『史記』趙世家と『韓非子』の原文で照らし合わせました。各話の細かな場面は、Wikipedia「キングダムの登場人物一覧」と各話をまとめた複数の資料が一致するものに絞っています。
関連記事:キングダムの朱海平原の戦いとは?何巻何話なの?アニメは何期?15日間の流れと死亡キャラ解説
龐煖はどんな人物?武の道だけを求めた「求道者」
龐煖は、強い者がいると聞けば、敵の陣の中だろうと一人で乗り込んで討ちに行く人物です。将として軍を率いるより、自分一人の武を極めることにしか関心がありません。その生い立ちや李牧との古いつながりも、物語の中で少しずつ明かされていきます。
王騎との因縁は、さらに前から。秦の六大将軍の一人、摎を一騎打ちで討ち、その直後に怒った王騎に顔を斬られて敗れました。馬陽の戦いは、その因縁の続き。
言ってしまえば、自分より強い者がいることが許せない、ただそれだけを理由に戦場を渡り歩いていた人です。近所にいたら、腕相撲の大会があるたびに出場して全員なぎ倒し、次の年も同じことをする、そんな人だと想像すると、少しだけ分かりやすくなります。
関連記事:キングダム死亡キャラ一覧!王騎・麃公・桓騎らの最期と史実で死ぬ運命のキャラまで解説
龐煖と信の三度の戦い、王騎と麃公の最期
| 巻・話 | 戦い | 起きたこと |
|---|---|---|
| 11巻(第115話の題は「龐煖」) | 馬陽の戦い | 王騎を討つために、趙軍の総大将として馬陽に出てくる |
| 13巻(第139話「天災」) | 馬陽の戦い | 夜襲で飛信隊を襲い、信と初めて刃を交える |
| 16巻(第172話「継承」) | 馬陽の戦い | 王騎との一騎打ち。趙の魏加の矢でできた隙を突き、王騎に致命傷を負わせる。王騎は第172話で、信に矛を託して息絶える |
| 30巻 第325話「前進」 | 合従軍の戦い | 李牧の軍を追ってきた麃公を一騎打ちで討つ。そのとき片腕を折られる |
| 32〜33巻(第349話「軽い」から) | 合従軍の戦い(蕞) | 信と二度目の一騎打ち。決着がつかないまま退く |
| 55巻(第600話の題は「十四日目の夜」) | 朱海平原の戦い | 十四日目の夜、蒙恬の陣に現れ、胡漸を討つ |
| 57〜58巻(第627話「道の行方」で決着) | 朱海平原の戦い | 十五日目、信と三度目の一騎打ち。信に討たれる |
話の題は集英社の目次によります。決着の回は、各話をまとめた複数の資料と、はじめての三国志の朱海平原の記事で一致しています。
初めての対戦は馬陽。その後、信は王騎の矛や麃公の盾を託され、その重さを背負って最後の決戦へ向かいます。
三度目の一騎打ちで問われたのは、龐煖が生涯をかけて探していた答え。人を超えようと一人で武を磨いた龐煖と、仲間や先に逝った者たちの思いを背負って戦う信。王騎や麃公が龐煖と向き合ったときの問いに、信が答えを出した場面だと読めます。
公式に公開されているアニメ6期のあらすじは、朱海平原の戦いの序盤まで。続編の制作は発表されていますが、2026年10月19日に確かめた公式の告知には、放送時期の記載はありませんでした。
関連記事:【キングダム】アニメの死亡キャラは何期何話?王騎・麃公・成蟜の最期の回、龐煖はまだアニメ化前
2017年の予想は当たった?答え合わせ
この記事の初版は、2017年1月、朱海平原の戦いが描かれる前に書いた予想でした。そのときに挙げた四つの根拠と、その後の原作を表にすると、こうなります。
| 2017年の予想 | その後の原作 |
|---|---|
| 史料に龐援(龐煖とされる人物)が出てくる時期は、秦が鄴を攻めたころ。信とぶつかるのはこの戦いになる | 当たり。鄴攻めの主戦場、朱海平原で信と龐煖が戦う(58巻の集英社の紹介と一致) |
| 史書から名前が消えるのに合わせて、作中でも退場するのではないか | 当たり。朱海平原で信に討たれる |
| 思いを背負わない分「軽い」という弱点が、決着の伏線になる | 判定はおあずけ。背負うものの重さが決着の中心にある、と読むのは筆者の解釈 |
| 王騎の矛を受け継いだ信が、その矛で龐煖を討つ | 判定はおあずけ。信は鄴攻めから王騎の矛を使うが、最後の一撃の武器までは確かめきれていない |
初版で一番の根拠にしていたのは、四つ目の予想。信が龐煖を倒すという大きな流れは当たりましたが、どの武器で、どんな一撃で決めたのかまでは、まだ答え合わせの途中です。
関連記事:キングダムの鄴攻めは史実?何巻から何巻まで?アニメ6期の範囲
史実の龐煖:合従軍を率いたのは李牧ではなく龐煖
龐煖は、『史記』に名前の残る趙の将軍です。趙世家にある記事は、次の二つ。
| 年 | 『史記』趙世家の記事 |
|---|---|
| 悼襄王三年(紀元前242年) | 龐煖が将となって燕を攻め、燕の将・劇辛を捕らえる |
| 悼襄王四年(紀元前241年) | 龐煖が趙・楚・魏・燕の精鋭を率いて秦の蕞を攻めるが、落とせない。向きを変えて斉を攻め、饒安を取る |
二つ目が、作中の合従軍の戦いにあたる記事。作中では李牧が合従軍の頭脳として描かれますが、史書で四か国の兵を率いて蕞を攻めたと書かれているのは、龐煖のほうでした。
『韓非子』飾邪篇には、秦が鄴を落としたとき、龐援が兵を南へ向けたものの、そのときにはすでに城塞を失っていた、という一節があります。ここでの名前は「龐援」で、これを龐煖と同じ人物とみるのは後の読み方。2017年の予想の手がかりも、ここにありました。
今回照らし合わせた趙世家の記事と『韓非子』の一節には、龐煖の死因は書かれていません。信に討たれる最期は、作中で描かれた結末です。
関連記事:キングダムの合従軍は史実?函谷関の戦いの本当の結末と映画・漫画との違い
キングダムの龐煖のよくある質問
龐煖は何巻何話で死にますか?
58巻です。朱海平原の戦いの十五日目、信との一騎打ちで討たれます。決着の回は第627話「道の行方」とする資料が複数あります。
龐煖の最期はアニメの何期ですか?
2026年10月時点で、まだアニメになっていません。続編の制作は発表済みですが、放送時期は確認した公式の告知には書かれていません。
龐煖が王騎を討つのは何巻何話ですか?
16巻です。王騎が息を引き取るのは第172話「継承」です。
龐煖は実在しますか?
実在します。『史記』趙世家に、燕の劇辛を捕らえたことと、四か国の兵を率いて秦の蕞を攻めたことが書かれています。
関連記事:キングダムの司馬尚(しばしょう)とは?三大天の強さと番吾の戦い、死亡するのか、史実の最期
キングダムウォッチャーkawausoの独り言
「必ず信は、龐煖と対決し、王騎、そして麃公将軍の仇を討つ事が確実だ」。2017年に予想を書いたときの記事の最後で、kawausoはそう確信している、とまで言い切っていました。当時はまだ朱海平原の戦いが始まる前。ずいぶん大きく出たものです。
答えが出るまでに、そこから何年もかかりました。龐煖がいなくなったあと、趙の三大天の席には司馬尚が加わり、物語はまた別の大きな壁に向かっています。王騎と麃公の時代の敵が去り、信たちの世代の戦いが始まった。龐煖の退場は、そんな区切りの印にもなっています。






