ハイ、それでは、三国志の世界をいろいろな角度から掘り下げていく「ろひもと理穂の三国志バンザイ」のコーナーです。
三国志のお話は諸葛亮孔明が亡くなると同時に急激に盛り下っていきます。一般的には三国志の前半の主役は曹操、後半の主役は諸葛亮孔明といわれています。主役がいなくなるわけですから盛り上がりに欠けるのは仕方のない話です。
ちなみに諸葛亮孔明が五丈原で亡くなるのが西暦234年8月、晋の司馬炎(晋武帝)が呉を滅ぼして天下を統一するのが西暦280年3月。
この間の約半世紀の歴史が見事にはしょられるのが通常の三国志のお話です。黄巾の乱が起こったのが西暦184年のことでしたから、三国志の物語の前半50年と後半50年では扱われ方がまったく違うことになります。
私も三国志の後半はあまり好きではありません。なんか切なくなるからです。後半を読んでいると、前半時期が思い出され、あの頃はみんな活き活きとしていて良かったなーって、感慨深くなってしまいます。今回はあまり切なくならない程度に三国志の結末に触れてみましょう。
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三国の競い合い
三国志っていうくらいですから三国が競い合った時代です。三つ巴の競争ですね。芸能界のお笑いでいうと、「ダウンタウン」と「ウッチャンナンチャン」と「とんねるず」が覇権を争っていた時代のような感じでしょうか。これでひとり勝ちしてしまうと面白くないです。競い合っているからこそ互いに成長していくのです。
今更確認する必要はないかもしれませんが、三国志の三国は、曹操の魏、劉備の蜀、孫権の呉です。人気のあるのはやっぱり蜀でしょうか。三国志演義の影響が大きいですね。
判官贔屓の日本人の文化を考えると、弱小ながら必死に頑張る蜀を応援しちゃう傾向があります。呉を応援している人はよくわかりません(スミマセン。でも私は呉押しですよ)。
呉の魅力って??かなり地味ですよね。ラーメンでいうと塩味かな……。ラーメンの王道は醤油味だし、でも味噌味も人気あります。わざわざ塩味?ってよく言われます。なぜなら私は塩味しか食べないからです。生まれてこの方、味噌味を食べたことがありません。
魏は人材が豊富だし、なにより英雄・曹操がいますからね、人気はあります。荀彧とか郭嘉とか軍師系も魅力的です。
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晋ってなに?
で、結局天下を統一するのが「晋」だというのがやや白ける理由ではないでしょうか。せめて魏が統一してほしかった。この晋を建国したのがご存知「司馬炎(しばえん)」です。
西暦265年のことですから、仮にシュミレーションゲームを西暦184年から始めたとして80年後です。ゲームでここまで天下を統一しないで続けるのは逆に至難の業です。はっきり言ってほとんどの武将たちが寿命で死んでいます。プレイしていてまったく面白くない世界になっていることでしょう。
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晋の統治
そして何より納得いかないのが、こんな混迷の時代を統一した晋が30年で滅ぶということです。(西晋)。
内乱や異民族が原因らしいですが、そんなことはどうでもいいです。三国志を勝ち残った国があっさり潰れることが許せないのです。日本の戦国時代はその点、納得できますね。
天下を統一した徳川家康の江戸幕府はその後200年以上天下を治めます。多くの人間の犠牲はあったものの天下泰平が訪れるのです。そのための競争であり、戦争だったはずです。
三国志の結末がどうしても好きになれない大きな原因って、これかもしれませんね。結局みんな滅んでしまうんですから。あっ、切なくなってきた。
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三国志ライター ろひもと理穂の独り言
理想を言うと、関羽が生きている間に天下を統一してほしかった。まだ呉が建国されていない状態ですが……。みんなが元気なうちに決着をつけてほしかったですね。
そう考えると赤壁の戦いで曹操が勝てばめでたしめでたしだったのでしょうか。いや、それだと物足りないですね。諸葛亮孔明の見せ場がないし。難しい。
皆さんはどうお考えですか。
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