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【英雄亡き三国志の見どころ】司馬師vs王基の壮絶な舌戦:勝利の軍配はどちらに!?


 

司馬懿(しばい)が政敵であった曹爽(そうそう)を打倒したことによって、

司馬家が魏の政権を運営を司ることになります。

司馬懿が亡くなると息子である司馬師(しばし)が、

父の跡を継いで魏の政権を運営することに。

 

 

魏の武将であった王基(おうき)曹丕(そうひ)の時代に魏に仕えることになりますが、

初めは青州(せいしゅう)の刺史であった王凌(おうりょう)に仕えめきめきと頭角を表します。

司馬懿王基の優れた才能を認め彼を中央に呼び寄せて官職を与え仕事を行わせた後、

曹爽からもその才能を認められて呉との国境沿いの太守に異動することに。

その後荊州(けいしゅう)刺史に就任すると魏軍を率いて、

呉の軍勢を打ち破って武将を捕虜にするなど武功を挙げ、

内政においても優れた統治力を見せており、

荊州地方での彼の活躍と名声は大いに讃えられていたそうです。

そんな彼ですが司馬師の時代でも以前と同じように重用されておりました。

しかしある反乱がきっかけで彼と真正面から意見をぶつかり合うことになり、

激しい議論を戦わせたそうです。

今回はこの司馬師vs王基の議論の戦いの行方をご紹介したいと思います。

 

はじめての三国志全記事一覧はこちら

関連記事:眼球が飛び出て死亡!強烈すぎる司馬師(しばし)のエピソード【はじさん臨終図巻】


司馬師に人材を推挙

 

王基は司馬師が魏の政権のトップとして君臨すると彼に手紙を送ります。

彼は司馬師へ「魏の領土は三国の中でも一番広く、政治を行うのはかなり面倒で、

反乱はたえずそこここで起きております。

そこで今回私があなたに手紙を送らせてもらいましたのは、

この面倒な政治を取り仕切ることができ、

あなた様の良きパートナーとなることのできる臣下をご紹介させていただきたいと

思いまして進言させていただきます。

今回私が推挙するのは許允(きょいん)・傅嘏(ふか)・崔賛(さいさん)です。

彼らは無欲で正しい気質を有している臣下であり、浮ついた心を持っていない人物です。

是非推挙してあなた様の政治に協力できれば幸いに存じます。」と

司馬師に手紙を送ります。

司馬師は王基からの手紙を受け取ると彼らを召し寄せて、

政治に参画させることに。

こうして司馬師は王基と良い関係を築くことができます。


毌丘倹と文欽が司馬師に反旗を翻す

 

司馬師が父・司馬懿同様魏の政権を握って政治を運営。

豫州(よしゅう)の刺史であった毌丘倹(かんきゅうけん)は友人である李豊(りほう)

夏侯玄(かこうげん)らが司馬師にクーデターを起こそうとして失敗し、

処刑されたことを知ります。

そのため彼はクーデターを起こした彼らと仲が良かったことから、

司馬師に目をつけられて処罰されてしまうのではないかと不安に駆られてしまいます。

彼はいつ司馬師に処断されるかわからないため、

部下の文欽(ぶんきん)を取り込んで司馬師に対して反乱を起こす準備を行います。

 

 

毌丘倹は反乱の準備が整うと司馬師を魏の政権から排除することを目的として挙兵。

司馬師は毌丘倹らが反乱を起こしたことを知るとある人物を呼び寄せることにします。

その人物は司馬師が政権のトップに就任した時、

すぐれたパートナーを推挙してきた王基でした。

 

【奇想天外な夢の共演が実現 はじめての架空戦記

 

王基の意見とは

 

王基は司馬師に呼ばれた許昌(きょしょう)へ到着すると早速司馬師と会談。

司馬師は「君に許昌の兵士を率いてもらい、

毌丘倹と文欽が起こした反乱軍鎮圧の先鋒となってもらいたい。

ところで君にひとつ聞きたいことがあるのだが、毌丘倹達は今後どうなると思う」と

訊ねられます。

王基は「毌丘倹が起こした淮南(わいなん)地方での反乱ですが、

民衆や役人達が積極的に彼らへ協力しているわけではありません。

毌丘倹が民衆や役人を脅迫して協力させているので、

殿が大軍を率いて彼らにプレッシャーをかければ、

毌丘倹の陣営は瓦解すること間違えないでしょう。」と進言。

司馬師はかれの言葉に大きく頷くと「すぐに出立してくれ」と彼に出陣を促し、

王基も司馬師の言葉を受けて出陣していくのでした。


進軍を止めるように命令

 

司馬師は王基の軍勢が出陣してから数日後に軍勢を率いて淮南地方へと出撃。

彼は幕僚達から「殿。毌丘倹の部下である文欽は兵士も強いため、

まともにぶつかるのは良くないと思います。」と進言されます。

司馬師は彼らの意見を聞いて王基へ「俺が行くまで進軍を停止してくれ」と命令。

王基は司馬師からの命令が届くとイラっとして彼に手紙を送ります。

 

王基vs司馬師の第一回論戦:その1:王基「先手を打って敵の勢いを削ぐべし」

 

王基は司馬師へ「毌丘倹の軍勢は進むことをしないで停滞しているのは、

民衆達や役人達が彼に従うのを嫌がっており、私たちと敵対したくないという証でしょう。

もし今進軍を停止して陣営を作って駐屯することになれば、

彼らの期待に応えることをやめることになり、

敵軍を恐れているかのように周囲から取られかねません。

さらに我が軍が突っ走んないで駐屯した場合、毌丘倹の反乱を鎮圧するのが遅くなり、

この反乱に乗じて呉軍が淮南地方へ進軍してきたらとすれば、

淮南地方は魏の領土ではなくなってしまう可能性もあります。

以上のことから我が軍はすぐに進発して、

当面の目標地点である南頓(なんとん)へ進出したいと思います。

この南頓の地には我が軍が40日間活動することができる兵糧が貯蓄されており、

ここを抑える利益は計り知れないものです。

我らがここを抑えることによって得る利益は反乱軍にとっても利益になるということです。

とにかく出陣するんでよろしく」と手紙を送りつけます。

司馬師はこの手紙を見て王基へ「分かった。とりあえず進んでいいから無理しないで」と

返信するのでした。

こうして第一回戦は王基の勝利で膜が閉じられることになります。


  

 

王基vs司馬師の第二回論戦:司馬師「全軍集結してから仕掛けるんじゃ」

 

王基はどんどん南頓目指して突き進んでいきますが、

司馬師の手紙が彼の元に届きます。

司馬師は「ちぃと進み過ぎではないかね。そろそろ進軍を止めてくれんか。」と

指令が届きます。

王基はこの指令が書いてある手紙を見るとすぐに司馬師へ返信。

王基は司馬師へ「殿。兵は拙速を貴ぶという言葉がありますが、

巧遅を貴ぶとは聞いたことがありません。

将軍の幕僚達は慎重論をかざしている者が多くいるのでしょうが、

先陣を彼らの慎重論に巻き込まないでいただきたい。

今この慎重論に合わせて先陣である我らを停止させることによって得る利益はなく、

失う損失は測りしれません。

毌丘倹がもし南頓にある兵糧を奪うことになれば、

反乱を鎮圧することが難しくなります。

そうなれば遅いのです。」と行軍を停止することに対して厳しく批判。

司馬師はこの王基の手紙を受け取ると彼に返信。

司馬師は「全軍集結してから一気に攻撃を仕掛けるんじゃ。いいから待ってろい」と命令。

ここで高らかにゴングが鳴り第二回戦はこうして幕を閉じることになるのですが、

両者引き分けの形として第三回戦へと持ち越されることになります。

 

王基vs司馬師の第三回論戦:命令無視!?

 

王基は司馬師から手紙を受け取ると中を見てからくしゃくしゃにして丸めてしまいます。

そして幕僚達を集めて「戦が発生し、兵士を率いることになった将軍は王の命令を聞かなくてもいいと古の人物は述べている。

今ここでダラダラと王と議論を交わしている時間が無駄である。

自軍が占拠することで有利になり、敵が占拠しても有利になる。

このような土地のことを争奪の地と言うのである。

南頓こそこの争奪の地である。」と述べて、幕僚達へ出陣を命令します。

こうして王基は司馬師との議論を放棄して進軍してしまうのでした。

 

三国志ライター黒田レンの独り言

 

司馬師vs王基の戦いは王基が戦いを放棄したことによって司馬師の勝利となります。

しかし王基が独断専行したことによって、

淮南の反乱軍との戦いにどういった影響を及ぼしたのでしょうか。

それは王基の戦術眼が確かであったことが証明されることになります。

彼は南頓に毌丘倹軍よりも先に到着したことによって兵糧を手中に収めます。

毌丘倹は王基が南頓の兵糧を収めたことを知って、

先に進むことができなくなり、あてにしていた兵糧も無くなってしまったため、

後方の項へ移動していきます。

毌丘倹は鄧艾(とうがい)軍を奇襲するために軍勢を二つに分けることにします。

王基は毌丘倹の軍勢が分裂したことを知ると毌丘倹軍に猛攻を加えて、

打ち破ることに成功。

こうして淮南の反乱は鎮圧されることになります。

司馬師は議論に勝つことになりますが、

王基の進言は的を得て敵軍を蹴散らすことに成功したのです。

どちらが真の勝者であるのか、皆さんにはお分かりになると思います。

 

参考文献 ちくま文芸文庫 正史三国志魏書4 今鷹真・井波律子著など

 

はじめての三国志全記事一覧はこちら

関連記事:【もう一つの三国志】司馬師暗殺計画の裏側

関連記事:衝撃!高平陵の変の黒幕は司馬師だった!

 

—古代中国の暮らしぶりがよくわかる—

 


 

黒田廉(くろだれん)

黒田廉(くろだれん)

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横山三国志を読んだことがきっかけで三国志が好きになりました。
その後の日本史・中国史を学びました。
またいろいろな歴史小説を読んでおります。
現在はまっている歴史小説は宮城谷昌光氏の劉邦です。

歴史人物:

張遼、孟嘗君、張作霖など

何か一言:

今年も頑張ってはじさん盛り上げていくにゃー!!

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