「わしの樊噲じゃ」盗賊達を震え上がらせ、曹操の命を救った許褚の武勇とは?


 

秦を打ち破り西楚覇王(せいそはおう)・項羽(こうう)と天下の覇権を巡って戦った

劉邦(りゅうほう)

彼の親衛隊隊長として常に劉邦の護衛を務めていた樊噲(はんかい)。

彼は優れた武勇と人並み外れた胆力をもった人物で、

項羽に謝罪しに行った鴻門の会(こうもんのかい)では劉邦のためにその身を投げ出して、

項羽の前に参上して堂々と劉邦のために弁解の言葉を述べた勇士です。

 

 

そんな彼ですが三国志の英雄である曹操の親衛隊・隊長に樊噲に匹敵する人がいたのをご存知ですか。

その名を許褚(きょちょ)と言います。

彼は曹操から「お前こそわしの樊噲である」と言わしめた人物として、

その名を知られることになります。

 

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必死の奮戦

 

許褚の生まれ故郷は沛国譙(しょう)県出身の人物です。

彼の容姿は雄々しい顔で武勇に優れて勇気を兼ね備えていた人物でした。

彼は故郷を出て汝南(じょなん)で彼を慕ってきた若者を集めて砦を作って、

汝南へ襲いかかってくる賊を蹴散らしておりました。

しかし彼の砦に驚くべき報告が届きます。

それは汝南に向かって一万人程の賊が向かってきているとの知らせです。

この報告を聞いた許褚は急いで砦を修理させて弓や矢を大量に集めさせて、

賊軍を迎撃する態勢を整えさせます。

許褚は賊軍がやってくると若者を指揮して弓や石を賊軍に投げつけて応戦。

賊軍も許褚の砦を落とすために遮二無二攻撃を行ってきます。

許褚は賊軍に対して奮戦していきますがついに兵糧が無くなってしまいます。

彼はこのままでは賊軍に敗北してしまうためある秘策を思いつき実行に移します。


賊軍を騙して兵糧を得る

 

許褚は賊軍に大声で「オイラ達は食い物が無くなったから和睦したい。

そこで牛を一頭持って行くから兵糧と交換してくれないか。」と述べます。

すると賊軍も大声で「承知した」と返答。

許褚は牛を一頭連れて賊軍の元へ行くと兵糧と交換して帰ってきます。

翌日驚くべき事件がおきます。

なんと昨日賊と交換したはずの牛が一人で砦へ帰ってきてしまったのです。

このままでは賊軍が襲いかかってくるかもしれないと感じた許褚は、

とんでもない行動に出ることになります。

 

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牛を引っ張って賊の元へ行く

 

許褚は砦を出ると一人で牛の尾を引っ張って、

賊が駐屯している所に向かって歩き始めます。

この姿を見た砦の若い者達は唖然として声が出ませんでした。

しかし彼らよりも驚いて動けなくなっていたのは賊軍の方でした。

牛を一人で引っ張ってくる許褚の姿を見て賊軍は散り散りになって逃亡を開始。

許褚は牛を引っ張っていっただけで賊軍を追い散らすことに成功します。

彼のこの行動は4州に響き渡ることになるのです。


曹操殺害を未然に防ぐ

 

その後許褚は曹操の配下として加わることになります。

曹操が官渡の戦いを行っている最中にある事件が勃発。

それは曹操軍の兵士が曹操暗殺を企てていたのです。

許褚は典韋(てんい)の後継者として曹操の側を常に守る親衛隊隊長として

就任。

この兵士は許褚が非番の日を狙って曹操殺害を決行します。

しかし許褚は曹操の宿舎を遠ざかるとなんとなく胸騒ぎを覚えて曹操の元へ帰ります。

すると曹操軍の兵士が曹操を刺し殺そうと小さい刀を懐から出しているところでした。

この現場を見た許褚は後ろからこの兵士を捕らえて彼を処刑。

こうして曹操暗殺は未然に防がれることになります。


  

 

三国志ライター黒田レンの独り言

 

許褚の武力は凄まじいのですが、軍中では彼を「虎痴(こち)」と言うあだ名で呼んでいたそうです。

なぜ虎痴と呼ばれていたのでしょうか。

それは彼の武勇が虎に匹敵するほどの強力な武勇を有していながら、

何事もない日にはぼーっとしている様子だからだそうです。

三國無双の許褚はこの虎痴の痴を重視したキャラ設定だからこそ

あのようなちょっと可愛い武将になってしまったのではないのでしょうか。

 

参考文献 ちくま文芸文庫 正史三国志魏書3 今鷹真・井波律子著など

 

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—古代中国の暮らしぶりがよくわかる—

 


 

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