えーっと、オラは曹操(そうそう)様のボディーガードの許褚(きょちょ)なんだな・・魏の仲間の話は書かれるのに、オラの話はいつまで待っても書かれないから、もう、自分で話をする事にしたんだな。
この記事の目次
オラは力持ちなんだな・・
オラの名前は許褚、字(あざな)は仲康(ちゅうこう)っていうんだな。身長は184センチで胴まわりは、120センチもあるんだ。自分でいうのも恥ずかしいけどオラは力持ちなんだな。ただ、あんまり頭は良くないから、虎痴(こち)って言われて、昔は、これが本当の名前だと思われてたんだ。でもオラは、虎痴でなくて、許褚だから間違えないで欲しいんだな
黄巾賊は許さないんだな
オラが若い頃、黄巾賊とかいう、頭に黄色い布を巻いた連中が来たんだ。だからオラは、沢山の村の若い衆を集めて城を守らせた。矢が無くなったら、石を投げたりして黄色い連中を追い払ったんだな。どうだ、オラ強いだろ? えっへん!
牛を使って計略なんだな・・
でも、追い払っても、追い払っても、黄色い連中は、次々やってきたんだ。汝南からきた、喝破(かっぱ)とかいう黄色いやつらは、強くて、オラ達の村は籠城して食糧が無くなって困ったんだ。オラが全部、食べたわけじゃないから、怒らないで欲しいんだな。だから、オラは考えた、城壁の中から黄色いヤツに呼び掛けて、食糧と牛を交換しようって言ったんだ。黄色いやつらは、肉が食べたかったみたいで交換していいっていったから、オラは城の門を開けて牛を引っ張っていった。でも、途中でわざと牛の手綱を放してやったんだな。そしたら、牛は逃げるからオラは牛の尾を捕まえて、引きずって黄色いやつらの所まで持っていった。そしたら、黄色いやつらは、オラの怪力に驚いて牛も取らないで逃げて行ったんだな。へっへっへ、オラの知力も、たまには使えるんだな。
ボスに会って、樊繪(はんかい)って言われたんだな
しばらくすると、ボス(曹操)がオラの村を制圧したから、オラは手下と共に挨拶しに行ったんだな。ボスは、オラを見るなり、「わが樊繪である」とか言って、以後はずっと、わしに仕えるように言ったんだな。でも、ハンカイって誰なんだ? オラの名前は許褚なんだな?
ボスを狙うヤツは許さないんだな
ボスが袁紹(えんしょう)と戦っていた時、袁紹に寝返ったヤツがいて、ボスを殺してその首を袁紹に持っていこうとボスのテントに入りこもうとしたんだな。オラは胸騒ぎがして、ボスのテントに引き返したら、変なやつらが入ってきて騒いだから、皆蹴散らしてやったんだな。誰であろうと、ボスを狙うやつは許さないんだな!
ボス大ピンチで、大活躍なんだな
ボスが馬超(ばちょう)とかいうやつと戦った時、河を渡って向こう岸に行こうとしたら馬超のやつが、騎兵1万騎で矢を放って襲いかかってきたんだな。オラ達の軍は馬超にやられて、ボスとオラは船の中で二人きりになったんだ。オラは、左手で馬の鞍を掲げて矢からボスを守っていたけど船頭もやられたから右手で船の舵を取りながら、何とか向こう岸まで逃げた。ボスは「許褚がいなかったら、ワシの命は無かった」って褒めてくれたんだ。
馬超をにらんでびびらせたんだな・・
馬超とボスの戦いは、途中で動かなくなったから、話し合いをして決めようという事になったんだな。本当は、馬超と韓遂(かんすい)とボスと3名で話し合うハズだったけど、ずるがしこい馬超だから途中でワシを殺すかもしれんとボスが言って、オイラはついていったんだな。オラは、ボスが話をしている間、ずっと馬超をにらんでやったから、馬超はビビって、ボスを斬れなかったんだな。へへへ、馬超も、大した事ないんだな。
ボスが死んだ時、血を吐いて泣いた・・
ボスは、いつもオラを可愛がってくれたけど、西暦220年に死んだんだな。オラは哀しくて、何日も泣いて、涙が枯れて最後には血を吐いたんだな。ボスは、悪役みたいに思われているけど、本当は情け深いいい人なんだ。オラは生まれ変わっても、またボスの家来になりたいな。
三国志ライターkawausoの独り言
許褚は、はじさんのキャラクターとしてはイラストに頻繁に登場しますが、典韋(てんい)と同じく、個人の記事がないという可哀想な状態にありました。そこで、許褚個人に自分の履歴を語ってもらいましたが、いかがでしょうか?評判がよいようなら、他の武将でもやるかも知れません。今日も三国志の話題をご馳走様でした。
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