キングダム
朝まで三国志悪




はじめての三国志

menu

三国志の雑学

はにゃ?これ名詩なの?三国時代の詩が難解すぎる件

この記事の所要時間: 38




 

三国志曹操(そうそう)は、政治も軍事も一流で詩まで書けちゃうニクいやつ。

忙しい最中にも読書を欠かさず、文学の発展につとめて

「建安文学(けんあんぶんがく)」なんていう文学の一大ムーブメントを築きました。

高校の世界史の副教材にちっちゃく載っていたくらい有名だから、

きっとさぞかし素晴らしい文学なのでしょう。と思って読んでみたら、

あれ、あれ、あれれ……

 

はじめての三国志全記事一覧はこちら

関連記事:神は関羽だけではない!魏の曹植の天才ぶりを作詩と共に紹介




元ネタ知らないと仲間外れ

 

読めませんぜ。日本語で書き下し文や注釈がばっちり

付けてある本を見ているのですが、ちんぷんかんぷんです。

なになに「青青子衿 悠悠我心」? 元ネタは詩経?

ええ~、古典をちゃあんとお勉強してないと分らないのかぁ……。

なるほど~、今でもありますよね、元ネタを知ってないと楽しめないものって。

「げえっ、関羽」とか「ならばよし!」とかと同じ次元の話ですね。

元ネタですか……。分る人だけ分ればいいっていう、そういう文学なんですね、

建安文学って。




誰でも楽しめた漢(かん)代の文学

 

せっかく文才あるんだったら、もっと誰でも楽しめるピュアな作品を

書いてくれればいいのに。どうしてわざわざ小難しくしたんでしょうね。

三国志より前の、漢(かん)の時代には、現代人が読んで普通に沁みる

名詩が数多くあるんですよ。例えば、漢の初代皇帝劉邦(りゅうほう)の詩

 

大風起こって雲飛揚(ひよう)す

威は海内に加わって故郷に帰る

安(いずく)にか猛士を得て四方を守らしめん

 

天下とったどー! っていう感慨を大空に揚がる雲に託した伸び伸びとした詩で、

すごく分りやすいです。あ、べつに沁みませんか。

じゃあ読み人知らずのこれなんかどうでしょう。

漢字がいっぱいすぎるのは斜め読みして頂くとして……

 

去る者は日に以て疎(うと)く 来る者は日に以て親し

郭門(かくもん)を出でて直視すれば 但(た)だ丘と墳とを見るのみ

古墓は犂(す)かれて田と為り 松柏は摧(くだ)かれて薪(たきぎ)となる

白楊(はくよう)悲風多く 蕭蕭(しょうしょう)として人を愁殺す

故里の閭(りょ)に還らんと思い 帰らんと欲するも道因(よ)る無し

 

郊外に出たらお墓がごろごろあって、古いお墓は畑にされている。

去りゆく者は忘れ去れるのみだ。みたいな、悲しげな詩ですな。

これ、なんの予備知識もなく普通に読めます。とてもシンプル。

 

まだ漢王朝で消耗してるの?

 

その文学、楽しいんですか……

 

建安文学はシンプルじゃないす。古典をいっぱい読んでて賢いんやぞーとか、

言葉遊びが上手でトンチがきいた冴えた奴なのさっ、とか言いたげな雰囲気があります。

ご自分の業績のコマーシャルソングみたいなものもありますな。

ここでは挙げませんが、曹操曹丕(そうひ)曹植(そうしょく)

あたりの詩をお読み頂ければああなるほどと思って頂けるはずです。

なんでそんなことになっちゃのかというのが疑問。

 

関連記事:曹操の詠った漢詩を分析してみよう。いつのことかわかるかな?

関連記事:【はじビアの泉】現在の漢詩は曹操が造った?文化人曹操の功積

 

わざと小難しくした!

 

限られた者だけが参加できる、小難しい文学。それが建安文学。

曹操がどうしてそんな文学を育んだかと言うと、それはズバリ、

詩作が苦手な司馬懿(しばい)を仲間外れにするためです!

 

 

司馬懿の詩作ベタについては過去記事「三国志の英雄たちの詩を

調べたら司馬懿ヒドすぎワロタwww」にあります)

司馬懿は古い時代から続く権力構造の中の親玉であって、

新しい政治を行いたかった曹操にとっては邪魔者でした。

(司馬懿は代々続く名士層の出身、曹操はどこの馬の骨くんです)

なので、司馬懿っちがどんなに偉いか知らないけど

建安文学分んなかったら相手にしないんで、っていうポーズをとったんですな、曹操は。

 

建安文学の影響と末路

 

こんな次第で、三国時代の文学は残念ながら非常に難解です。

ここで小難しい文学に慣れちゃった文化人たちがその後の時代に

書いていた文章も私レベルの者にはちんぷんかんぷんです。

ようやく読める文章が登場するのは、曹操の時代から500年も後の

唐(とう)の時代になって、古文復興運動が起こってからです。

三国志~唐の前までの文学をスルーして、漢以前の古い質実剛健な

文章に戻しましょう、という運動だったそうな。

三国時代、スルーされましたぜ。痛恨!

 

関連記事:【建安文学】文学史に残る名文を記した陳琳の魅力ってなに?

関連記事:梁鵠(りょうこく)とはどんな人?魏の宮殿を飾った全ての題字を書いた文化人

 

三国志ライター よかミカンの独り言

 

どうりで、学校で習う漢文は『史記(しき)』と李白(りはく)・杜甫(とほ)の

唐詩ばっかりだったわけだ。トホホ……。

 

はじめての三国志:全記事一覧はこちら

関連記事:そうだったのか!?曹丕はスイーツ男子。詩にスイーツの想いを込めちゃったよ!

関連記事:蔡琰(サイエン)とはどんな人?翻弄された運命をたどった詩人

 

—古代中国の暮らしぶりがよくわかる—

 




 

よかミカン

よかミカン

投稿者の記事一覧

三国志好きが高じて会社を辞めて中国に留学したことのある夢見がちな成人です。

個人のサイトで三国志のおバカ小説を書いております。

三国志小説『ショッケンひにほゆ』
https://3594.fun 

【劉備も関羽も張飛も出てこない! 三国志 蜀の北伐最前線おバカ日記】

好きな歴史人物:
王充(おうじゅう。後漢初期の思想家)
※ はじさんのサイト内検索で王充の記事が出てきます

何か一言:
三国志のお話の世界の広がりは無窮。
日々新しい三国志が生まれています。
ご一緒に三国志の新しい歴史を刻みましょう。

関連記事

  1. 【軍師特集】三国志、中国史、日本史にみる君主を支えた敏腕軍師たち…
  2. 『三国志』人気を数字から考えてみる
  3. 【キングダム ネタバレ注意】秦・中華統一後、王賁(おうほん)は今…
  4. 三国時代の鉄の生産と専売制度はどうだったの?
  5. 全員主役級!三国志を日本で映画化するならキャスティングはこれだ!…
  6. 公孫康(こうそんこう)とはどんな人?虚を捨て、実を取り遼東に安寧…
  7. 董卓は実は名将軍であるという根拠
  8. 謎の中華料理「日本豆腐」と「孔明点灯豆腐」とは?

google検索フォーム

過去記事を検索できます

ピックアップ記事

おすすめ記事

  1. 【キングダム553話】休載スペシャル「山の民どうなる?」予想レビュー
  2. 【シミルボン】あちこちにスローガンが一杯?賑やかな三国志時代の壁
  3. 【シミルボン】三国志の裏側:使い捨てられる兵士はどこからやってきたのか?
  4. 90話:張任によって龐統討たれる
  5. 終わりが悪かった呉の孫権の惜しさ
  6. 【大三国志 攻略5】分城のシステムを紹介します。青州最強の●●さんも登場!!

三國志雑学

“はじめての三国志150万PV" “広告募集"

はじめての三国志 書籍情報


著:kawauso 価格480円
※Kindle読み放題対応

ピックアップ記事

おすすめ記事

王濬(おうしゅん)とはどんな人?呉を平定し、三国時代の終焉させた功労者【晋の将軍列伝】 【シミルボン】衝撃!司馬懿の首は本当に180度回った? 知ってた?三国志由来のことばBest5 洛陽に続き、長安でも好き放題をした董卓 豫譲(よじょう)とはどんな人?士は己を知るものの為に・・執念の暗殺者 【劉孫同盟誕生秘話】孫呉の内部は新劉備派と反劉備派に割れていた 孔明の北伐が成功したら三国志どうなったの? 武田晴信の領地経営と甲州法度をざっくりと分かりやすく紹介!

おすすめ記事

  1. 【真田丸】日本一の兵と称された真田幸村と魏の張遼、名将の類似点を紹介!
  2. 美濃大返し炸裂!織田家の覇権をかけた柴田勝家(アゴ)と羽柴秀吉(サル)の戦い
  3. 井伊直弼の評価はどうなっているの?独裁者?英雄?
  4. 【キングダム】残念!ファルファルおじさん騰 死亡のお知らせ
  5. 【キングダム553話】「ルーディン」ネタバレ&レビュー
  6. 諸子百家(しょしひゃっか)ってなに?|知るともっと三国志が理解できる?
  7. 曹操のお屋敷はガラスでキラキラだった?西域趣味の曹操が金髪美女とアモーレ・ミ―オ!
  8. 【ネタバレ注意】キングダム539話レビュー「戦の相手」

はじさん企画

袁術祭り
李傕祭り
帝政ローマ
広告募集
まだ漢王朝で消耗してるの?
HMR
ライフハック
君主論

ビジネス三国志
春秋戦国時代
日常生活
曹操vs信長
架空戦記
ライセンシー
北伐
呂布vs項羽
編集長日記
はじめての三国志TV
“曹操孟徳" “黄巾賊" “赤壁の戦い" “THE一騎打ち" “夷陵の戦い" “kawausoのぼやき記事" “よかミカンのブラック三国志"
“邪馬台国"
PAGE TOP