はにゃ?これ名詩なの?三国時代の詩が難解すぎる件

2017年12月15日


 

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三国志の曹操(そうそう)は、政治も軍事も一流で詩まで書けちゃうニクいやつ。

忙しい最中にも読書を欠かさず、文学の発展につとめて

「建安文学(けんあんぶんがく)」なんていう文学の一大ムーブメントを築きました。

高校の世界史の副教材にちっちゃく載っていたくらい有名だから、

きっとさぞかし素晴らしい文学なのでしょう。と思って読んでみたら、

あれ、あれ、あれれ……

 

関連記事:神は関羽だけではない!魏の曹植の天才ぶりを作詩と共に紹介

 

監修者

ishihara masamitsu(石原 昌光)kawauso編集長

kawauso 編集長(石原 昌光)

「はじめての三国志」にライターとして参画後、歴史に関する深い知識を活かし活動する編集者・ライター。現在は、日本史から世界史まで幅広いジャンルの記事を1万本以上手がける編集長に。故郷沖縄の歴史に関する勉強会を開催するなどして地域を盛り上げる活動にも精力的に取り組んでいる。FM局FMコザやFMうるまにてラジオパーソナリティを務める他、紙媒体やwebメディアでの掲載多数。大手ゲーム事業の企画立案・監修やセミナーの講師を務めるなど活躍中。

コンテンツ制作責任者

おとぼけ

おとぼけ(田畑 雄貴)

PC関連プロダクトデザイン企業のEC運営を担当。並行してインテリア・雑貨のECを立ち上げ後、2014年2月「GMOインターネット株式会社」を通じて事業売却。その後、「はじめての三国志」を創設。戦略設計から実行までの知見を得るためにBtoBプラットフォーム会社、SEOコンサルティング会社にてWEBディレクターとして従事。現在はコンテンツ制作責任者として「わかるたのしさ」を実感して頂けることを大切にコンテンツ制作を行っている。キーワード設計からコンテンツ編集までを取り仕切るディレクションを担当。


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元ネタ知らないと仲間外れ

 

読めませんぜ。日本語で書き下し文や注釈がばっちり

付けてある本を見ているのですが、ちんぷんかんぷんです。

なになに「青青子衿 悠悠我心」? 元ネタは詩経?

ええ~、古典をちゃあんとお勉強してないと分らないのかぁ……。

なるほど~、今でもありますよね、元ネタを知ってないと楽しめないものって。

「げえっ、関羽」とか「ならばよし!」とかと同じ次元の話ですね。

元ネタですか……。分る人だけ分ればいいっていう、そういう文学なんですね、

建安文学って。

 

誰でも楽しめた漢(かん)代の文学

 

せっかく文才あるんだったら、もっと誰でも楽しめるピュアな作品を

書いてくれればいいのに。どうしてわざわざ小難しくしたんでしょうね。

三国志より前の、漢(かん)の時代には、現代人が読んで普通に沁みる

名詩が数多くあるんですよ。例えば、漢の初代皇帝劉邦(りゅうほう)の詩

 

大風起こって雲飛揚(ひよう)す

威は海内に加わって故郷に帰る

安(いずく)にか猛士を得て四方を守らしめん

 

天下とったどー! っていう感慨を大空に揚がる雲に託した伸び伸びとした詩で、

すごく分りやすいです。あ、べつに沁みませんか。

じゃあ読み人知らずのこれなんかどうでしょう。

漢字がいっぱいすぎるのは斜め読みして頂くとして……

 

去る者は日に以て疎(うと)く 来る者は日に以て親し

郭門(かくもん)を出でて直視すれば 但(た)だ丘と墳とを見るのみ

古墓は犂(す)かれて田と為り 松柏は摧(くだ)かれて薪(たきぎ)となる

白楊(はくよう)悲風多く 蕭蕭(しょうしょう)として人を愁殺す

故里の閭(りょ)に還らんと思い 帰らんと欲するも道因(よ)る無し

 

郊外に出たらお墓がごろごろあって、古いお墓は畑にされている。

去りゆく者は忘れ去れるのみだ。みたいな、悲しげな詩ですな。

これ、なんの予備知識もなく普通に読めます。とてもシンプル。

 

まだ漢王朝で消耗してるの?

 

その文学、楽しいんですか……

 

建安文学はシンプルじゃないす。古典をいっぱい読んでて賢いんやぞーとか、

言葉遊びが上手でトンチがきいた冴えた奴なのさっ、とか言いたげな雰囲気があります。

ご自分の業績のコマーシャルソングみたいなものもありますな。

ここでは挙げませんが、曹操曹丕(そうひ)曹植(そうしょく)

あたりの詩をお読み頂ければああなるほどと思って頂けるはずです。

なんでそんなことになっちゃのかというのが疑問。

 

関連記事:曹操の詠った漢詩を分析してみよう。いつのことかわかるかな?

関連記事:【はじビアの泉】現在の漢詩は曹操が造った?文化人曹操の功積

 

わざと小難しくした!

 

限られた者だけが参加できる、小難しい文学。それが建安文学。

曹操がどうしてそんな文学を育んだかと言うと、それはズバリ、

詩作が苦手な司馬懿(しばい)を仲間外れにするためです!

 

 

(司馬懿の詩作ベタについては過去記事「三国志の英雄たちの詩を

調べたら司馬懿ヒドすぎワロタwww」にあります)

司馬懿は古い時代から続く権力構造の中の親玉であって、

新しい政治を行いたかった曹操にとっては邪魔者でした。

(司馬懿は代々続く名士層の出身、曹操はどこの馬の骨くんです)

なので、司馬懿っちがどんなに偉いか知らないけど

建安文学分んなかったら相手にしないんで、っていうポーズをとったんですな、曹操は。

 

建安文学の影響と末路

 

こんな次第で、三国時代の文学は残念ながら非常に難解です。

ここで小難しい文学に慣れちゃった文化人たちがその後の時代に

書いていた文章も私レベルの者にはちんぷんかんぷんです。

ようやく読める文章が登場するのは、曹操の時代から500年も後の

唐(とう)の時代になって、古文復興運動が起こってからです。

三国志~唐の前までの文学をスルーして、漢以前の古い質実剛健な

文章に戻しましょう、という運動だったそうな。

三国時代、スルーされましたぜ。痛恨!

 

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三国志ライター よかミカンの独り言

 

どうりで、学校で習う漢文は『史記(しき)』と李白(りはく)・杜甫(とほ)の

唐詩ばっかりだったわけだ。トホホ……。

 

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—古代中国の暮らしぶりがよくわかる—

 

 

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よかミカン

よかミカン

三国志好きが高じて会社を辞めて中国に留学したことのある夢見がちな成人です。 個人のサイトで三国志のおバカ小説を書いております。 三国志小説『ショッケンひにほゆ』 【劉備も関羽も張飛も出てこない! 三国志 蜀の北伐最前線おバカ日記】 何か一言: 皆様にたくさん三国志を読んで頂きたいという思いから わざとうさんくさい記事ばかりを書いています。 妄想は妄想、偏見は偏見、とはっきり分かるように書くことが私の良心です。 読んで下さった方が こんなわけないだろうと思ってつい三国志を読み返してしまうような記事を書きたいです!

-三国志の雑学, 執筆者:よかミカン
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