関羽はお金の神様?風水における関羽像について

2018年2月6日


 

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日本では、お正月を新暦の三が日に合わせて祝うのが現在一般的ですが、

中国を始めアジア圏の国々では「旧正月」と言って、

旧暦の正月(1月後半~2月半ば)に合わせて盛大に祝われます。

 

中華圏では、

旧正月のお祝いにおいては特に縁起が重視されます。

この縁起を占うのに重要なのが「風水」です。

 

実はこの「風水」と三国志の関羽には、深い関わりがあること、

皆様はご存知でしたでしょうか?

 

なぜ、「風水」において

関羽は富と幸運を司る神様とされるのでしょうか?

今回は、関羽と風水の関係の謎を解き明かすとともに、

風水的に“正しい”関羽像の飾り方を紹介いたしましょう。

 

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監修者

ishihara masamitsu(石原 昌光)kawauso編集長

kawauso 編集長(石原 昌光)

「はじめての三国志」にライターとして参画後、歴史に関する深い知識を活かし活動する編集者・ライター。現在は、日本史から世界史まで幅広いジャンルの記事を1万本以上手がける編集長に。故郷沖縄の歴史に関する勉強会を開催するなどして地域を盛り上げる活動にも精力的に取り組んでいる。FM局FMコザやFMうるまにてラジオパーソナリティを務める他、紙媒体やwebメディアでの掲載多数。大手ゲーム事業の企画立案・監修やセミナーの講師を務めるなど活躍中。

コンテンツ制作責任者

おとぼけ

おとぼけ(田畑 雄貴)

PC関連プロダクトデザイン企業のEC運営を担当。並行してインテリア・雑貨のECを立ち上げ後、2014年2月「GMOインターネット株式会社」を通じて事業売却。その後、「はじめての三国志」を創設。戦略設計から実行までの知見を得るためにBtoBプラットフォーム会社、SEOコンサルティング会社にてWEBディレクターとして従事。現在はコンテンツ制作責任者として「わかるたのしさ」を実感して頂けることを大切にコンテンツ制作を行っている。キーワード設計からコンテンツ編集までを取り仕切るディレクションを担当。


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そもそも「風水」ってなに?

 

「風水」とは、

“気”の流れを物の配置によって制御し、

吉凶禍福をコントロールしようという、

古代中国の時代から存在する思想です。

 

「風水」の発祥は殷の時代に生まれた「卜宅」という

宅地や集落の吉凶を占う術にあると言われています。

 

後に春秋戦国時代に興った陰陽五行説と合わさり、

現在の「風水」に通じる原型が作り出されました。

 

「風水」という言葉は3世紀の晋の時代の

占い師、郭璞(かくはく)によって作られたとされています。

 

「風水」は単に人の運命を占うものではなく、

生活におけるさまざまな要素=衣食住や行動など、

自身をとりまく環境をコントロールし、

「運」を招き入れようとする環境学とも言えるものです。

 

そこから、風水の知識を用い、

さまざまな「運気」を取り込もうとする

考え方が生まれてきました。

 

 



財産を司る神様「財神」って?

 

「風水」の目的は、自ら運気をコントロールし、

幸運を招き入れることにあります。

 

その意味からも、「風水」において「富」=「財産」が

重視されるのも不思議ではないでしょう。

 

中国には「財神」と呼ばれる蓄財招福の神様が存在します。

「財神」は一柱の神ではなく、複数種類の財神が存在しています。

 

「財神」になるのは元は人間であった者が多く、

それらの神々は大きく分けて「武財神」と「文財神」にわけられます。

 

「武」「文」という表記でピンと来る方もいらっしゃると思います。

これは、「財神」となった人物が生前どのような役職に就いて

いたかを示しています。

 

「文財神」として祀られる人物としては、

妲己にたぶらかされたことで有名な殷王朝最後の

紂王の叔父であり、彼を諌めたことで殺された人物、

比干(ひかん)が有名です。

 

他にも春秋時代に斉に仕え、

「管鮑の交わり」という故事成語でその名を知られる

政治家、管仲などがいます。

 

「武財神」は「文財神」よりも格上の神格とされており、

その筆頭として祀られることが多い財神が『関帝』、

つまり三国時代の武将、関羽です。

日々の生活を工夫で楽しくする『三国志式ライフハック

 

横浜中華街が繁栄しているのは関羽のおかげ?

 

生前の武勲や忠義の士としての名声から、

関羽はその死後、歴代王朝から爵位を追贈されてきましたが、

1614年に明の万暦帝から「三界伏魔大帝神威遠鎮天尊関聖帝君」と

いう神号を追贈され、以降、いくつもの神号が追贈されています。

 

関羽は武勇で知られる人物であり、

もともとは武神として信仰されていましたが、

時代を経るごとに商売の神としての信仰を集めるようになりました。

 

なぜ関羽が商売の神様になったのでしょうか?

 

関羽は信義に厚く、信用のおける人物として評価されていました。

商売というものは、なにより信義が重視されます。

関羽のひととなりが、商売を守護する神様として

合っていたことが、大きく影響しているようです。

 

また、関羽には「算盤(そろばん)」や「大福帳」と言った、

商売においては欠かせない道具を発明したとする民間伝承もあります。

 

これは諸説あるようですが、

関羽が戦において、配下の兵士の損害を

算盤を用いて計算、管理していたことが元になっているとか、

 

関羽は挙兵以前から塩の売買を生業としていたとされ、

その商売に算盤や大福帳を用いていたことに

由来するとも言われています。

 

世界各地に進出した中国人=華僑が、

彼らの居住区に商売繁盛を願って

関羽を祀る『関帝廟』を立てるようになりました。

 

日本でも、横浜中華街にある「関帝廟」の他、

神戸や長崎、沖縄などに築かれ、

商売繁盛と財運の神として信仰を集めています。

 

横浜や神戸の中華街が観光地として人気があり

商店や食堂が繁盛しているのも、

「関帝様」に守護されているおかげかもしれませんね。

 

 

風水における「関羽像」の効果的な飾り方

 

「財神」の中でも特に霊験あらたかな「武財神」の関羽

この関羽をかたどった像は、風水においても蓄財招福を招く

開運アイテムとして珍重されています。

 

特に力の強い財神である「関羽像」は、

普通に飾るだけでも邪気を払い、富を呼び寄せる

ご利益があるとされていますが、

その関羽像の持つ力をより効果的に得るためには

2つのアイテムを合わせて使うと良いとされています。

 

そのひとつは「招財進寶古銭」です。

 

「招財進寶」は中国語で「ツァオツァイーチンパオ」と読み、

その文字を記すだけでご利益が得られるとされる、

一種のおまじないのような言葉です。

西洋における「シジル(印形)」と呼ばれる図形や記号に近いものですね。

「招財進寶」の文字を書いた御札を財布に入れるだけでも

金運がアップするとされています。

 

この「招財進寶」が刻印された古銭型のお守りが「「招財進寶古銭」です。

「招財進寶古銭」を関羽像の下に置くことで、

蓄財招福のご利益が増すとされています。

 

「招財進寶古銭」と並んで、

関羽像のご利益をよりパワーアップすると言われているのが、

「龍亀ロングイ」」です。

 

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龍亀とは何? 財運が増強する風水アイテム

 

「龍亀」とは、読んで字のごとく

龍の頭と亀の身体を持つとされる、

古来中国に伝わる霊獣のひとつです。

 

古代中国では、この世に存在する動物たちの中でも

特に尊い長と考えられた4種類の動物、

龍・麒麟・鳳凰・霊亀を“瑞獣”と呼びました。

 

このうちの霊亀が龍に変じる直前の姿が

「龍亀」であるとされています。

 

「龍亀」の像は通常、

コインで築かれた山の上に乗り、

口にもコインをくわえているという姿で造形されています。

 

「龍亀」には「順利財源廣進」

(剤が途切れなく入るご利益)

があると言われ、その像は銅製であることがベストと言われています。

 

 

「龍亀」はどこに飾ればベスト?

 

財運の神様である関羽の像との相乗効果があるので、

一緒に置くだけでご利益があるとされる「龍亀」ですが、

 

より風水的にその効果をアップさせるためには、

玄関や門など、(運気を招き入れる)家の入り口に

頭を向ける形で設置し、

レジや金庫など、お金を蓄える場所の側に置くことが

ベストであるとされています。

 

 

三国志ライター 石川克世の独り言

 

風水の思想の源泉は方位学にあるとされています。

 

日々をただ漫然と生活するのではなく、

常に運気を意識しながら折り目正しく

身の回りを整理して生活することで、

結果的には運気を招き入れることができると、

昔の人は知っていたのかもしれませんね。

 

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石川克世

三国志にハマったのは、高校時代に吉川英治の小説を読んだことがきっかけでした。最初のうちは蜀(特に関羽雲長)のファンでしたが、次第に曹操孟徳に入れ込むように。 三国志ばかりではなく、春秋戦国時代に興味を持って海音寺潮五郎の小説『孫子』を読んだり、 兵法書(『孫子』や『六韜』)や諸子百家(老荘の思想)などにも無節操に手を出しました。 好きな歴史人物: 曹操孟徳 織田信長 何か一言: 温故知新。 過去を知ることは、個人や国家の別なく、 現在を知り、そして未来を知ることであると思います。

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