「呂布って本当に強いの?」という疑問を投げかけられました。筆者は「強いよ!ゲームとかでも最強だよ!」という頭の悪い返答をしてしまいそうになりましたが、そう言われて見ると呂布は正史では結構、敗退していることが多いんですよね。
そこでもう一度呂布の戦績を振り返って、呂布が「本当に強い」のかどうか考えて見ようと思います。皆さんもどうかお付き合い下さいませ。
「呂布 本当に強い」
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最強とも言われる呂布
呂布の強さに関しては三国志演義を見るまでもないと思いますので、まずは正史の三国志を見てみましょう。正史に置いても呂布は並外れた武勇の人物であり、力が強く、弓、馬術にも優れていたとあります。その強さから前漢の猛将、李広の二つ名と同じ「飛将」と呼ばれており、その武勇に匹敵する者はいないともされているほどです。
また陳宮曰く「善く戦って敵はいない」 と言い、陳寿は「虎の強さを持つ」とも言っています。ただし謀が少ない、行動が短慮であるとは言っていますが、それでも個人的武勇において呂布は間違いなく最強と言ってもいい人物であったと言えるでしょう。
正史の呂布の戦績を見てみよう
ですがここで呂布の戦績をざっくりみてみましょう。
洛陽で孫堅と戦い負ける。
董卓暗殺後、李カクと戦い負ける。
袁術に迎え入れられ、黒山賊と戦い勝つ。
濮陽で夏候惇に勝ち捕虜にする。(奪還される)
帰ってきた曹操に勝つ。(逃走される)
劉備に勝つ。(逃走される)
張勲に勝つ。
臧覇の城は落とせず。
最終的に曹操に敗北し斬首。
……あれ、結構負けている?勝っていない戦いもある?
というか劉備と曹操を取り逃したのが最大のミスじゃない?
そう思った人も多いでしょう。そう、正史を見てみると意外にも呂布は勝ってばかりという訳ではないのです。
呂布の強さは戦績から理解することができる
さてこれでも呂布は強いと言えるのか、と言うことですが、考えて見て下さい。負けているからこそ呂布は強い、と言えるのではないでしょうか。これは劉備にも言えることではありますが、敗北したのに生き残っているというのはそれだけで「強い」と言えます。そして敗北した場合そのまま立ち直れないことなど多々あるというのに、呂布はまた立ち直って敵対してくるのです。
これは言ってしまえば脅威でしかありません。それこそ最期に曹操と劉備が「捕まえることができたんだから殺しておこう」そう考えて自然な、呂布の強さであり脅威ではないでしょうか。呂布の強さは、その生涯で呂布が敗北したことがあるからこそ分かるのです。
呂布の欠点は、戦いの歴史から分かる
そして同時に、呂布の欠点もこの戦績から読み取れました。呂布はその時、その時で手を組む相手、敵対する相手を簡単に変えてしまいます。彼の最大の欠点として「目先の利益だけを見る」と言えるように、そこに利益を用意されれば昨日の味方であっても裏切ってしまいます。群雄割拠の世界では正直、長く付き合ってはいたくない相手でしょうね。
そして良くある創作の呂布とは違い、呂布という人物はそこそこ頭が回るのが厄介な所。個人としては最強、軍も率いることができる、しかし目先の利益で転ぶ、だけどそこそこ頭が回る……正直な話をすれば、できる内に処断してしまいたいという相手でしょう。
呂布がある程度生き残り、そして途中で死んでしまったのはやはり、呂布という人間を表していると思いますね。
三国志ライター センのひとりごと
今回は呂布の戦績を見てみて、改めて呂布の凄さ、そして彼が抱えていた欠点も分かりました。あの時こうだったら、そうしていたら、はもう過ぎた過去だからこそ言えることですが、呂布の人生を振り返るとなぜ呂布が処断されたのかも良く分かったと思います。
つくづく惜しく、そして然るべくしてそうなったとも言える武将、それが呂布ではないでしょうか。
参考文献:魏書呂布伝 夏候惇伝 程昱伝
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