台湾にはどんな三国志漫画があるの?作品と概要をまとめてみた

2021年2月8日


 

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三国志演義_書類

 

日本では三国志を題材にした漫画が数多くあります。筆者は「横山三国志(よこやまさんごくし)」から物語の全体像を学び、そこから三国志の世界観にハマっていきました。日本ではこういったケースも珍しくありませんが、お隣の台湾ではどうなのでしょうか?

 

台湾の忘年会「尾牙」陸遜

 

台湾の人たちは中国からの移民の末裔が多いため、自身を漢民族と考える人も少なくありません。そういった人たちがどのような本を読んで三国志を学ぶのか。今回は台湾で販売されている三国志作品をいくつかピックアップし、その概要を簡単し紹介していきます。

 

監修者

ishihara masamitsu(石原 昌光)kawauso編集長

kawauso 編集長(石原 昌光)

「はじめての三国志」にライターとして参画後、歴史に関する深い知識を活かし活動する編集者・ライター。現在は、日本史から世界史まで幅広いジャンルの記事を1万本以上手がける編集長に。故郷沖縄の歴史に関する勉強会を開催するなどして地域を盛り上げる活動にも精力的に取り組んでいる。FM局FMコザやFMうるまにてラジオパーソナリティを務める他、紙媒体やwebメディアでの掲載多数。大手ゲーム事業の企画立案・監修やセミナーの講師を務めるなど活躍中。

コンテンツ制作責任者

おとぼけ

おとぼけ(田畑 雄貴)

PC関連プロダクトデザイン企業のEC運営を担当。並行してインテリア・雑貨のECを立ち上げ後、2014年2月「GMOインターネット株式会社」を通じて事業売却。その後、「はじめての三国志」を創設。戦略設計から実行までの知見を得るためにBtoBプラットフォーム会社、SEOコンサルティング会社にてWEBディレクターとして従事。現在はコンテンツ制作責任者として「わかるたのしさ」を実感して頂けることを大切にコンテンツ制作を行っている。キーワード設計からコンテンツ編集までを取り仕切るディレクションを担当。


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三国志キャラをネコ化した作品

何晏

 

登場人物を動物化する作品はいくつかありますが、台湾にも三国志キャラをネコ化した作品があります。

 

それが肥志という作者の

「如果歷史是一群喵:亂世三國篇(もしも歴史の登場人物が猫だったらシリーズ:乱世三国志篇)」。

 

 

この本はネコ化した可愛いキャラクターと共に歴史を学ぶという趣旨で作られた本で、三国時代はその一部です。第一巻は()(しょう)(しゅう)の古代中国篇からスタートし、最後は隋唐時代篇で終わります。

 

三国時代については三国志演義の影響か、劉備(りゅうび)や蜀を視点とした物語展開がメイン。漫画ではあるものの歴史を学ぶ本なので比較的文章量が多く、ネコ化したキャラは挿絵に近い感じで登場します。

 

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最初は面白かったが失速した作品

 

日本でも最初は順調だったのに、途中で人気がなくなる漫画は少なくありません。香港の漫画家である李志清(りーじーちん)の「三國英雄傳(さんごくえいゆうでん)」もその一つ。もともとは香港の作品ですが、台湾でも販売され迷作として知られています。

 

序盤では青龍偃月刀(せいりゅうえんげつとう)蛇矛(だぼう)など9つの武器を題材とした作品となっていて、三国志の時代背景を踏襲しつつもオリジナルの作品展開を見せていました。しかし、物語が進むにつれてオリジナリティが失われていき、後半は演義のストーリーそのままという感じに。

 

孫権に気に入られる孫峻

 

最後は長坂(ちょうはん)の戦いが終わったところで連載が終了し、伏線を張っていたはずの孫権(そんけん)についても明かされないまま終わってしまいました。

 

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三国志主要戦図一覧

 

三国志の短編集

袁術と呂布

 

三国志の中には様々なエピソードが盛り込まれていますが、その一部分を切り取ってオリジナルの話を作り出したのが、陳某(ちぇんまお)という漫画家が書いた「不是人(人にあらず)」です。

 

呂布に暗殺される董卓

 

この作品の中では呂布(りょふ)が義父の丁原(ていげん)を殺し、その後に董卓(とうたく)を殺すまでの裏側が描かれていたり、曹操に捕らえられた呂布と貂蝉(ちょうせん)の末路、諸葛亮(しょかつりょう)魏延(ぎえん)の確執など人間模様をうまく表現した作品となっています。

 

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日本でも読める海外の三国志

 

漫画大国の日本において海外の作品がヒットする例はあまり多くありません。ただ、前述した陳某の作品には日本でも販売され、一定の人気を獲得している作品があります。

 

それが「火鳳燎原(かほうりょうげん)」。

 

 

物語は反董卓連合のあたりからスタートし、主人公は司馬懿(しばい)と「燎原火(りょうげんか)」を名乗るあの人気武将。オリジナルキャラも多数登場する上に、敗残兵たちを集めて作った「残兵」という暗殺集団など独自の要素が満載です。

 

2020年末の時点で68巻まで出版されていますが、まだまだ終わる気配はありません。日本では知られざる名作として語られているので、興味がある方は読んでみてはいかがでしょうか。

 

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TK

TK

KOEIの「三國無双2」をきっかけに三国志にハマる。
それを機に社会科(主に歴史)の成績が向上。 もっと中国史を知ろうと中国語を学ぶために留学するが 後になって現代語と古語が違うことに気づく。


好きな歴史人物:
関羽、斎藤一、アレクサンドロス大王、鄭成功など

何か一言:
最近は正史をもとに当時の文化背景など多角的な面から 考察するのが面白いなと思ってます。 そういった記事で皆様に楽しんでもらえたら幸いです。

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