ホウ統……の弟さん
とは言え別に張飛夫妻は引き裂かれてないのですが……実はここに、もう一組のエピソードが挿入されて林冲が生まれたのでは?というのが今回の想像タイム。
そしてその一人こそ、蜀が生まれる前に亡くなった軍師、鳳凰の雛、ホウ統……の弟、ホウ林とその妻のお話です。
このホウ林、正史にも記録があり、荊州治中従事の地位に付いていたと言います。しかし荊州は曹操によって劉備の手から離れてしまいました。この時、ホウ林は妻と離れ離れになってしまいます。
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曹丕「全魏が泣いた」
しかし奥さんは再婚せず、ホウ林との間に生まれていた娘を一人で何年も養育し、夫との再会を待ち続けました。そして何の因果か、黄権の軍に従軍していたホウ林は後に黄権と共に魏に降伏。
曹丕は黄権もホウ林も降伏を受け入れたので、二人は、家族は再会できたのです。またこの際に曹丕はこの話に感動し、ホウ林の妻に贈り物をしたそうです。妻との再会自体は正史ではなく襄陽記のものですが、妻と引き裂かれた、妻が貞淑だった、この部分を合わせて林冲と言うキャラクターが出来上がったのかな、と筆者は考えました。
とはいえホウ林は無事再会、林冲は再会できないままと後味の悪さが付いてきますが……その辺が、水滸伝、という感じはしますね。
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三国志ライター センのひとりごと
ホウ林が黄権の軍に従軍していた、後に黄権と降伏した。曹丕はホウ林を列侯した、というのは正史のホウ統伝に記されています。ただ時期を考えると家族が離れ離れになった時期は何十年もあったとは思えないのですが……その辺は曹丕から列侯されたことで、襄陽記にエピソードが記録されたのかもしれません。
こちらは色々あったとはいえハッピーエンド、しかし林冲は……世の無常さを思わせる結末です。そんな水滸伝と三国志のエピソード関係を考えてみる、の回でした。
ざぽーん。
参考文献:水滸伝 蜀書ホウ統伝 襄陽記
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