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不気味な夢を見る魏延
諸葛亮最後の北伐の際、従軍した魏延は不思議な夢を見ました。それは「自らの頭に角が生える」という夢で、これを占いに長けた「趙直」という者に聞いてみると「麒麟は角を持っていますが、これを用いません。この夢の意味は戦わずして敵が敗れる、という暗示です。」と魏延に伝えました。
しかし趙直は魏延がいなくなってから周囲に「角という文字は刀の下に用と書く。頭上に刀を用いる(首を斬られる)、のだからこれは不吉である。」と漏らしていました。
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諸葛亮の死後、楊儀との対立が頂点に
諸葛亮は北伐の途中で無念の最期を迎えました。遺言で楊儀ら「魏延に敵の追撃を断たせ、姜維がその前を固め、魏延が従わない時はそのまま出発するように」と伝えました。
魏延の様子を伺うと「丞相(諸葛亮)が死んでも私は健在だ。私が軍を率いて賊を討つ。1人の死によって天下の大事をあきらめるとは何事か。ましてや楊儀の指図で殿などできるか!」と激怒。
それを聞いた楊儀らは撤退を始めました。魏延は先回りして桟道を焼き、楊儀の妨害をします。そして魏延、楊儀とも「お互いが反逆した」と上奏したのです。
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謀反の疑いで死す
上奏を受けた劉禅は悩み、周囲に相談すると、誰もが楊儀の肩を持ちます。ここで魏延の人望の無さが悲劇を生んでしまったのです。魏延は謀反の疑いで王平らに攻められ、「どうしてこんなことをするのか!」と一喝され、配下の兵も逃げてしまいます。そして最期には馬岱に討たれてしまうのです。
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三国志ライターみうらの独り言
魏延の逸話を見てみると、やる気が満々であまり謀反をする気は無かったと考えられますね。ただ、対立するものには容赦がなく、その辺が謀反人扱いされた理由だったのかもしれませんね。
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