沙悟浄は河童じゃなかった?西遊記のびっくり逸話

2022年7月31日


 

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沙悟浄は河童じゃなかった

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監修者

ishihara masamitsu(石原 昌光)kawauso編集長

kawauso 編集長(石原 昌光)

「はじめての三国志」にライターとして参画後、歴史に関する深い知識を活かし活動する編集者・ライター。現在は、日本史から世界史まで幅広いジャンルの記事を1万本以上手がける編集長に。故郷沖縄の歴史に関する勉強会を開催するなどして地域を盛り上げる活動にも精力的に取り組んでいる。FM局FMコザやFMうるまにてラジオパーソナリティを務める他、紙媒体やwebメディアでの掲載多数。大手ゲーム事業の企画立案・監修やセミナーの講師を務めるなど活躍中。

コンテンツ制作責任者

おとぼけ

おとぼけ(田畑 雄貴)

PC関連プロダクトデザイン企業のEC運営を担当。並行してインテリア・雑貨のECを立ち上げ後、2014年2月「GMOインターネット株式会社」を通じて事業売却。その後、「はじめての三国志」を創設。戦略設計から実行までの知見を得るためにBtoBプラットフォーム会社、SEOコンサルティング会社にてWEBディレクターとして従事。現在はコンテンツ制作責任者として「わかるたのしさ」を実感して頂けることを大切にコンテンツ制作を行っている。キーワード設計からコンテンツ編集までを取り仕切るディレクションを担当。


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容姿

 

と、お気付きの方もいらっしゃいますでしょうか。沙悟浄は、お供になる時に剃髪します。つまりそれまでは髪があるのです。しかもこの髪の毛についても描写があり「紅い炎のような色のふわふわの髪」という髪質までも言及が為されています。

 

まあ他の容姿に付いては「丸い目で光っている」「黒いような青いような藍色の顔」と、それなのに怖い描写ではありますが。何が言いたいかと言うと、別に河童なんて一言も書かれてはいないのです!

 

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ああ勘違い

西遊記 沙悟浄

 

で、この沙悟浄=河童というイメージがどこから生まれたかと言うと。

 

「沙悟浄は妖怪となった」

流沙河(りゅうさが)に住んでいた」

 

この二つがポイントです。

 

実は文字から勘違いされる……実際に勘違いされたのですが、流沙河とは流砂河、即ち流砂が河のようになっている場所のことで、つまりここは砂地なのです。ですが西遊記が日本に入ってきた時に流沙河が「河」として認識され、河の妖怪=河童としての沙悟浄の姿が生まれた、というのが河童としての沙悟浄が生まれた経緯なのです。

 

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注目点

 

さて、そんな沙悟浄ですが西遊記ではちょっと目立たない存在です。兄弟子二人がヒーローポジションの孫悟空、コミカルな立ち位置の猪八戒。この二人が喧嘩をした時に仲裁したりする役目……と言えば聞こえはいいですが、兄貴分二人にキャラクターを持っていかれた感はありますね。

 

しかしそんな沙悟浄は西遊記を元にした作品では厭世的なキャラクター、クール系、敢えて落ち着きのあるおじさま枠など、あまり本編で目立たないからこそのキャラクター性を付けられている気がしますね。もしかしたらそこが沙悟浄の魅力、なのかもしれません。

 

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三国志ライター センのひとりごと

三国志ライター セン

 

今回は沙悟浄と、河童に付いてお話しました。こうやって翻訳の過程で生まれるキャラクター性、ついつい注目してしまいます。

 

もちろん西遊記本編も面白いです。しかし同時にこういう沙悟浄のようなキャラクターの「読者に想像の余地を与える」というのもまた、物語の面白さだと思いますね。そういう意味では三国志(さんごくし)とはまた違い、三国志演義(さんごくしえんぎ)で生まれたキャラクターが人気が出る、というものに繋がるのかも……なんて。

 

センさんが三国志沼にドボン b

 

色々と想像してしまいがちな筆者でした。どぼーん。

 

参考文献:西遊記

 

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セン

両親の持っていた横山光輝の「三国志」から三国志に興味を持ち、 そこから正史を読み漁ってその前後の年代も読むようになっていく。 中国歴史だけでなく日本史、世界史も好き。 神話も好きでインド神話とメソポタミア神話から古代シュメール人の生活にも興味が出てきた。 好きな歴史人物: 張遼、龐統、司馬徽、立花道雪、その他にもたくさん 何か一言: 歴史は食事、神話はおやつ、文字は飲み物

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