「子廉殿がいなければ、貴方はこの世に生まれてはいなかった」
そう息子に言い聞かせたのは、卞皇后。その卞皇后が便宜を図ったと言われるのが、魏の将軍、曹洪です。
彼は名前から分かるように曹操とは親戚で、若い頃から曹操を他の武将と共に支え続けるのですが……ただ、曹操の股肱之臣としては他に圧されているでしょうか。今回はそんな曹洪のとりかえばやを考えてみましょうか。
この記事の目次
唯一の名台詞|俺はなくとも曹操なくしては天下が困るんだよぉ!
さて曹洪で最も有名なエピソードが、曹操が董卓軍に敗北して逃走する最中のこと。曹操はこの戦いで馬を失っていましたが、曹洪はそんな曹操に自分の馬を譲り、自分は徒歩で曹操に追従しました。
この申し出は曹操は最初は断るのですが、曹洪は「天下に洪(自分)はなくとも、公(貴方)はいなければなりません」と言って曹操を馬に乗せ、二人は何とか逃げ延びることができました。
後に曹丕の怒りをかってしまう曹洪ですが、これを引き合いに出して卞皇后は曹洪を庇ったと言います。
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マルサも驚く曹操を上回る資産家でケチな曹洪
そんな曹洪はケチでした。ケチなため財産が曹操よりも多かったのですが、財務調査官が曹洪と曹操の財産を同じ規模と報告した事があります。それを知った曹操は「嘘つけ!子廉の財産がわしより多いはずじゃ」と即座に否定しました。(魏略)
しかしケチではあるもののお金の使い方を知らない訳ではなかったようで、前述したように敗北後、曹操が部隊を立て直す際に数千の寡兵で協力するのですが、もちろんこれには曹洪が貯めていた資金が使われていたのではないかと思います。
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遵法精神が薄く配下に法を破らせる曹洪
ただ、まあ、問題はあったようで。曹洪はお金を溜め込んでいたためか、曹洪の食客や縁者は驕り高ぶっており、法に沿わない行動を取る者も多くいたようです。
このため、以前曹洪に借金を断られていた曹丕は、曹洪の食客が罪を犯した際に連座して殺そうとしたとも……それそれ以外にもえっちな格好させて舞姫に踊らせて楊阜に叱られたり、曹操も「金と色を好む」曹洪のことは心配していたようですね。
まあ色好みは曹操もなのですが。
とは言えそんな曹洪とりかえばや、やってみましょう!
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曹仁と曹洪を取り替え関羽と対決させてみたい!
さてまずは曹仁!
三国志演義では良く一緒に出てくる二人ですね。とは言えどちらかというと、曹洪が暴走して曹仁がそれを諫める……みたいな関係ですが。二人とも曹操を良く支え、窮地に陥っても見事其れを打破してきた両名です。
ただ面白いのはそんな二人ですが、曹仁が曹丕に好まれているのに対し、過去の恨みもあって曹丕は曹洪を嫌っていました。法を厳守して信賞必罰に対し真摯であった曹仁と、エピソードを見ると金持ちであるために食客や縁者が好き勝手していた曹洪……むしろこの二人、どうしてここまで性格の差があるのか?
とは言え関羽対曹洪、みたくない?
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