曹操の妻に徹した卞夫人と曹昂の母として生きた丁夫人、二人の生き様を考察

2022年9月19日


 

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曹操の妻に徹した卞夫人と丁夫人

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監修者

ishihara masamitsu(石原 昌光)kawauso編集長

kawauso 編集長(石原 昌光)

「はじめての三国志」にライターとして参画後、歴史に関する深い知識を活かし活動する編集者・ライター。現在は、日本史から世界史まで幅広いジャンルの記事を1万本以上手がける編集長に。故郷沖縄の歴史に関する勉強会を開催するなどして地域を盛り上げる活動にも精力的に取り組んでいる。FM局FMコザやFMうるまにてラジオパーソナリティを務める他、紙媒体やwebメディアでの掲載多数。大手ゲーム事業の企画立案・監修やセミナーの講師を務めるなど活躍中。

コンテンツ制作責任者

おとぼけ

おとぼけ(田畑 雄貴)

PC関連プロダクトデザイン企業のEC運営を担当。並行してインテリア・雑貨のECを立ち上げ後、2014年2月「GMOインターネット株式会社」を通じて事業売却。その後、「はじめての三国志」を創設。戦略設計から実行までの知見を得るためにBtoBプラットフォーム会社、SEOコンサルティング会社にてWEBディレクターとして従事。現在はコンテンツ制作責任者として「わかるたのしさ」を実感して頂けることを大切にコンテンツ制作を行っている。キーワード設計からコンテンツ編集までを取り仕切るディレクションを担当。


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丁夫人に辛く当たられても配慮を忘れなかった卞夫人

卞夫人 曹操

 

さて名家生まれの丁夫人は、身分が低い卞夫人を軽蔑し、日頃から辛く当たっていたと言います。それでも卞夫人は丁夫人に逆らうことなく、良く仕えました。しかし今や丁夫人は離縁され、卞夫人は曹操の正室。

 

そう、今までの恨みを……とはなりませんでした。卞夫人は曹操と丁夫人が離縁した後も丁夫人への配慮を欠かさず、丁夫人もこれに深く感謝したそうです。

 

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息子の事より曹操を支える事を優先した卞夫人

皇帝に就任した曹丕

 

そんな卞夫人、息子の曹丕が後継者になることが正式に決まった時のこと。

 

周囲の者がお祝いに天下に貯蔵している宝を配りましょう!と言われて「夫は曹丕が年長だから太子にしたのです。何をそんなに喜んでいるのですか。そのように祝う必要などありません」とこれに取り合わず、あくまで粛々と過ごしました。

 

これを聞いた曹操は「怒った時には顔色を変えず、喜んだ時には節度を忘れない。これは最も難しいことだ」と言ったと言います。

 

曹植は軟弱ではなかった曹植

 

また可愛がっていた曹植(そうしょく)が罪を犯した際にも「曹植を特別扱いするな」と言っていたようで、卞夫人の冷静さと言うか、覇者の妻である迫力が伝わってくるようですね。

 

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母の愛に生きた丁夫人と曹操の妻として生きた卞夫人

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丁夫人の怒りはごもっともですし、子を亡くした母親の怒りと哀しみは良く分かります。ですが、丁夫人はあくまで曹昂の母親であり続けました。

 

対して卞夫人は、曹操の妻、というか、覇者である曹操の妻、という迫力と気概を感じさせる女性でもあります。どちらが優れているという訳ではありませんが、個人的な観点だけを述べると、卞夫人はやはり、曹操の妻なんだなぁ……と、どうしても感じてしまいますね。

 

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三国志ライター センのひとりごと

三国志ライター セン

 

主観だけを述べましたが、筆者は丁夫人も大好きです。曹昂を失って、決してその原因の一端である曹操に譲らないその姿は、正に母親としての愛と強さを感じさせます。

 

そして卞夫人の強さはまた、それとまた別方向に突き抜けているんですよね。卞夫人が決して愛情のない母親という訳ではないのですが、覇者・曹操の妻と言えば、自分は卞夫人かなぁ……とちょっと思ってしまった次第でした。

 

センさんが三国志沼にドボン a

 

どぼーん。

 

参考文献:魏書武帝紀 后妃伝

 

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セン

両親の持っていた横山光輝の「三国志」から三国志に興味を持ち、 そこから正史を読み漁ってその前後の年代も読むようになっていく。 中国歴史だけでなく日本史、世界史も好き。 神話も好きでインド神話とメソポタミア神話から古代シュメール人の生活にも興味が出てきた。 好きな歴史人物: 張遼、龐統、司馬徽、立花道雪、その他にもたくさん 何か一言: 歴史は食事、神話はおやつ、文字は飲み物

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