広告

諸葛亮が使った計略「空城の計」とは?歴史を動かした心理戦の傑作!

2024年3月9日


 

はじめての三国志コメント機能バナー115-11_bnr1枠なし

 

パリピ孔明

 

皆さん、パリピ孔明(こうめい)はご存じですか?

 

自分の人形を操る孔明

 

 

一見謎の組み合わせのように感じるこの組み合わせ、もしも知らない方には何のこっちゃと思うかもしれませんが、実に面白い漫画で、アニメにもなっている作品です。

 

三国志を語るセンさん

 

ぜひ実物でこの衝撃を味わって欲しいため詳しい話は伏せておきますが、この漫画、現代に諸葛亮(しょかつりょう)と共にその計略の数々も蘇って活躍します。そこで今回は諸葛亮の計略の一つである、空城の計についてちょっとお話したいと思います。

 

 

 

監修者

ishihara masamitsu(石原 昌光)kawauso編集長

kawauso 編集長(石原 昌光)

「はじめての三国志」にライターとして参画後、歴史に関する深い知識を活かし活動する編集者・ライター。現在は、日本史から世界史まで幅広いジャンルの記事を1万本以上手がける編集長に。故郷沖縄の歴史に関する勉強会を開催するなどして地域を盛り上げる活動にも精力的に取り組んでいる。FM局FMコザやFMうるまにてラジオパーソナリティを務める他、紙媒体やwebメディアでの掲載多数。大手ゲーム事業の企画立案・監修やセミナーの講師を務めるなど活躍中。

コンテンツ制作責任者

おとぼけ

おとぼけ(田畑 雄貴)

PC関連プロダクトデザイン企業のEC運営を担当。並行してインテリア・雑貨のECを立ち上げ後、2014年2月「GMOインターネット株式会社」を通じて事業売却。その後、「はじめての三国志」を創設。現在はコンテンツ制作責任者として「わかるたのしさ」を実感して頂けることを大切にコンテンツ制作を行っている。キーワード設計からコンテンツ編集までを取り仕切るディレクションを担当。


【誤植・誤字脱字の報告】 バナー 誤字脱字 報告 330 x 100



【レポート・論文で引用する場合の留意事項】 はじめての三国志レポート引用について



空城の計とは?いったいどんな計略なの?

城の前を掃除する孔明

 

 

まずは空城(くうじょう)の計について、軽くご説明をしましょう。空城の計とは、字のまま「城を空にする計略」です。一般的な説明としては「あえて自分の陣地に敵を招き入れることで敵の警戒心を誘う計略のこと」と言われています。この場合の城というのは自分の領地の城、もしくは拠点のことですね。自らの拠点地を利用して敵を計略にかける、ある種、恐ろしい計略です。

 

 

 

諸葛亮が使った空城の計とは?登場してくるのは三国志演義

三国志演義_書類

 

この空城の計を諸葛亮が使ったのは、三国志演義で出てくるお話です。史実でこそないとはいえ、かなり緊迫感溢れるストーリーの中、空城の計は出てきます。

 

チビってしまう司馬懿と孔明

 

司馬懿(しばい)率いる魏との戦いの中、諸葛亮率いる蜀軍は敗北して撤退することになりました。圧倒的な数の魏軍に、このままでは……と一計を案じた諸葛亮。何を考えたのか、場内を掃き清めた上で城門を開け放ちます。

 

こちらもCHECK

空城も計 孔明
空城の計って何?門を開けて敵軍をお出迎え?

続きを見る

 

 

これぞ空城の計!「慌てるな!これは孔明の罠だ!!」

挑発する諸葛亮孔明

 

追ってきた魏軍、城門が開けられていたことにも、楼の上でたった一人諸葛亮が琴を奏でていることにも驚きました。事実、この時に諸葛亮は自軍の兵士たちを隠し、己のみがいるだけかのような振る舞いをしていたのです。ここで三国志演義をベースにした横山三国志では有名なこのセリフが司馬懿から飛び出します。

 

孔明 vs 司馬懿

 

「慌てるな!これは孔明の罠だ!!」

 

司馬懿は諸葛亮の策を警戒し、敢えて魏軍を場内に入り込ませることを避けたと言います。

 

こちらもCHECK

城の前を掃除する孔明
諸葛亮の逸話ってなに?司馬懿も恐れた孔明の逸話を紹介

続きを見る

 

伝説の企画 朝まで三国志 最強の軍師は誰だ

朝まで三国志2

 

 

 

諸葛亮の空城の計、一体何が狙いだったのか?

スマホをいじる孔明

 

この時、諸葛亮は城の中に兵士たちを隠していました。では突入してきた魏軍を攻撃するつもりだったのか?

 

弩(ど)を発射させる蜀兵士達

 

それは違います。この際に、魏軍と蜀軍の兵士差は明らかであり、攻め込まれていては諸葛亮たちはひとたまりもなかったでしょう。諸葛亮は「敢えて敵が入り込みやすい状況を作ることによって、敵の疑心暗鬼を誘い、結果的に何もできない」状況を作り上げたのです。これこそが諸葛亮の空城の計!一歩間違えば大変危険だった計略ですね。

 

こちらもCHECK

孔明 vs 司馬懿
司馬懿と諸葛孔明の文通は心理戦の一端だったの?

続きを見る

 

諸葛亮

 

 

 

決して計略にかかった司馬懿が諸葛亮に劣るわけではない

悪い表情をする司馬懿

 

「じゃあ司馬懿は作戦ミスしちゃったってこと?」

 

それは大きなミステイク。この諸葛亮の空城の計、前述したようにそのまま攻め込まれてしまえば大打撃を受けることになります。

 

司馬懿

 

横山三国志でも諸葛亮は「良く物事を理解している司馬懿が相手だからこそできた」とも言っているように、相手が賢くなければできない計略なのです。寧ろこの空城の計は、相手が司馬懿という存在だからこそできた「相手にも一定以上の能力を求める」計略と言えるでしょう。

 

こちらもCHECK

チビってしまう司馬懿と孔明
司馬懿は大軍を率いていながら孔明にビビって逃走したってほんと?

続きを見る

 

 

実は二つのパターンがある空城の計

五虎大将軍の趙雲

 

因みにこの空城の計、もう一つのパターンがあります。もう一つのパターンを使ったのは三国志演義での趙雲(ちょううん)で、曹操(そうそう)との戦いでこの計略が行われました。退却する趙雲を追っていった曹操ですが、趙雲は陣の門を開いていました。

 

赤鎧を身に着けた曹操

 

「何かあるに違いない」

 

三国時代の弓兵(兵士)

 

そう思った曹操は敢えて攻め込まず、退却をし始めます。すると陣の中に伏せられていた兵士たちが一斉に曹操軍に石や矢を雨あられと浴びせてきたのでした。このように、空の城のように見せかけて兵を伏せる……攻撃をするタイプの空城の計もあるのです。

 

こちらもCHECK

曹操軍の輸送車を襲う趙雲
趙雲の一騎駆けとは?曹操軍のエリート部隊・虎豹騎をかわした漢

続きを見る

 

趙雲

 

 

実は空城の計を使った魏の文聘と徳川家康

文聘(騎馬兵)

 

因みに魏の文聘(ぶんぺい)もまた、空城の計を使ったという記録が魏略から読み取れます。これは孫権(そんけん)に大軍率いて攻め込まれた時に、敢えて責められたらヤバイ城を無人のように見せかけて孫権の疑心暗鬼を誘って撤退させた、諸葛亮の方式の空城の計ですね。

 

真田丸 武田信玄

 

また大河ドラマで現在更に知名度を高めている権現様こと、徳川家康(とくがわ いえやす)武田信玄(たけだ しんげん)から攻撃された時に敢えて城を放棄したように見せかけて攻撃を交わしました。どちらも相手が「強いからこそ」使用できた空城の計。こんな風に実は「相手を認めているからこそ使える」計略。空城の計、凄さと同時にロマンも感じる計略ですね。

 

こちらもCHECK

文聘
文聘(ぶんぺい)のリアル三國無双!五虎大将軍の関羽を倒し呉王・孫権には空城の計を使っちゃう!

続きを見る

 

 

三国志ライター センのひとりごと

三国志ライター セン

 

空城の計は、実際には「攻め込まれたら本当にヤバい」という状態で使用されることが多い計略です。

 

最後まで戦い抜く張悌(ちょうてい)兵士モブ

 

だからこそ「何かあるかもしれない」「何かない訳がない」「無かったとしても、あった場合のリスクが大きすぎる」そんな風に深くまで考えられるだけの能力、そして慎重に慎重を重ねる相手でなければ効果がない可能性がある、というのは非常にリスクと共にロマン溢れる計略でもあると思います。何せ、計略に嵌める相手を理解しているからこそできる計略ですから。

 

センさんが三国志沼にドボン a

 

相手をリスペクトしているからこそ使える大技……それこそが空城の計。実に好きです。どぼん。

 

参考:三国志演義 魏略

 

こちらもCHECK

孔明
諸葛亮の扇はどこから生まれたの?なぜ孔明は羽扇を持っているの?

続きを見る

 

三国志主要戦図一覧

 

 

 

  • この記事を書いた人
  • 最新記事
セン

セン

両親の持っていた横山光輝の「三国志」から三国志に興味を持ち、 そこから正史を読み漁ってその前後の年代も読むようになっていく。 中国歴史だけでなく日本史、世界史も好き。 神話も好きでインド神話とメソポタミア神話から古代シュメール人の生活にも興味が出てきた。 好きな歴史人物: 張遼、龐統、司馬徽、立花道雪、その他にもたくさん 何か一言: 歴史は食事、神話はおやつ、文字は飲み物

-諸葛亮
-,