キングダムでは趙の新三大天として、李牧(りぼく)・龐煖(ほうけん)が活躍しており、
最後の一人はまだ表れていない状態です。
はじさんでも旧三大天である廉頗や藺相如を取り上げてきました。
今回は旧三大天最後の一人である趙奢(ちょうしゃ)を取り上げていきたいと思います。
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田畑を管理する役人
趙奢(ちょうしゃ)は農民が耕した田畑税を徴税した税を管理する役人でした。
彼はいつものように税を管理していた所、ある個所から税が徴税されていない事に気付きます。
その場所とは、戦国四君の一人である平原君の配下の土地でした。
彼は訴訟を起こし、法によって税を納めていなかった平原君の配下九人を処断。
このように誰であろうと法を犯した者をしっかりと処罰する
厳格な性格の持ち主でした。
平原君との対決。そして…
平原君は配下の者が処断されたと聞き激怒します。
そして趙奢を自らの家に呼びつけます。
趙奢は平原君の家に来ると「貴様なぜ私の家の家臣を殺したのか」と
怒気を含んだ声で尋ねます。
すると趙奢は「あなたの家の家臣は、法で定められた
税を納めていなかったので、処断しました。
私は法に照らして処断しただけで、
何か間違った事を行ったのでしょうか。」と反論。
さらに趙奢が考えている国家の税に対する考え方を述べます。
平原君は全く怯える事無く堂々と貴族である自分に反論してきた
趙奢の勇気と見識の深さを大いに認め、
彼を兄である恵文王に推挙します。
趙の国の税を司る
趙奢は平原君から推挙を受け、趙王である恵文王に仕えます。
彼は趙国の税を管理する職を拝命します。
趙奢は趙の民衆から貴族まで、公平に税をかけ徴収していきます。
そのため、以前の趙国と比較し、税収は大いに増えたおかげで、
国庫は満たされていき、国力増強につながっていきます。
初めての戦い
趙奢は税の管理を司る官職から、将軍に転向します。
そして将軍となった初めての戦いは斉との戦いです。
斉の麦丘(ばくきゅう)という名の土地を攻略し、
趙国内で軍人として優れていることを示します。
こうして軍人としての能力を開花させた
彼に秦との対決の時が迫ってきます。
一人出撃策を唱える
秦は非常に強力な軍勢と天才的軍事の才能を持った白起と
軍事・政治両方で優れた才能を持った秦の宰相魏冄(ぎぜん)らが、
各国の領土を侵し続けていました。
そんな無敵の配下を率いる秦の昭襄王(しょうじょうおう)は
胡傷(こしょう)に命じて趙南部の侵攻を行います。
恵文王は秦軍が侵攻してきたと聞き、群臣を集めて会議を開きます。
「閼与(あつよ)までの道のりは大変厳しく
救援に向かうのは無理だろう」と述べます。
しかし趙奢は「閼与の道は険しく大勢の人数が侵攻出来ないため、
攻める方も守る方も一対一の戦いになる。
そのため勇猛な将軍に軍勢を率いさせれば、負ける事は無いでしょう」と
並み居る群臣が閼与の救援を諦める中、一人出撃策を唱えます。
恵文王は並み居る群臣や歴戦の将軍である廉頗らの意見を採用せず、
最近軍事の才能を開花させてきた趙奢を信じ、
彼に「分かった。お主の策を採用しよう。出撃して見事秦軍を迎撃せよ。」と命じます。
趙奢は命令を受けるとすぐに閼与の地へと向かいます。
三国志ライター黒田廉の独り言
趙奢は趙国末期に出現した名将です。
最初はただの役人であったのが、戦国四君で名を馳せた平原君に見いだされ、
その後斉との戦いで功績を挙げ、軍人の才能を開花させます。
秦が閼与に攻め込んだ際恵文王は趙奢に秦軍を迎撃するよう命じます。
そして彼は趙兵を率いて、秦軍迎撃の総指揮を任された事がきっかけで、
諸国から恐れられる将軍になり、歴史に名を刻むことになります。
「今回の戦国時代のお話はこれでおしまいにゃ。
次回もまたはじめての三国志でお会いしましょう。
それじゃまたにゃ~。」
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