西暦200年、袁紹対曹操の天下分け目の戦い、
官渡(かんと)の決戦が行われている中、
「曹操に離反するなら今のうちだ!」と思って曹操に反旗を翻した劉備。
しかし、劉備の目論見は外れてしまい、
曹操は袁紹軍とにらみ合いながらも、劉備を叩きに攻め込んできます。
劉備は敗走することになり、妻子を置いて袁紹のもとへ身を寄せます。
そして義兄弟関羽は曹操の手の内に落ちてしまいます。
義理のお姉さんとイケナイ仲に……!?
曹操は小沛の城なんてもうどうでもいいから、関羽という猛将が欲しい!
と強く思いました。
そこで、関羽を臣下にするためにあの手この手を考えます。
捕らえられた劉備の夫人と関羽は丁重に許都(きょと)へ護送されたのですが
その道中、劉備夫人と関羽をひとつ部屋に眠らせるよう仕向けたのです。
さてどうする関羽!?
敵に捕らわれたという心細い境遇は、まさに吊り橋効果を誘発するでしょう。
このまま美しい義理の姉と間違いを犯してしまうのでしょうか。
しかし関羽はこの誘惑には負けませんでした。
夫人の部屋の前に仁王立ちしたまま一晩を過ごすのです。
発案者の曹操だったらアッサリ夫人に手を付けたのかもしれませんが……。
美女十人の熱い接待を受けて……
許都に到着した関羽のもとに次なる罠が。
今度は与えられた賓館に美女十人が送られてきます。
「どうぞどうぞ、将軍様のお好きなようになさってくだせえ……ぐふふ」
ということで、美女たちに取り囲まれる関羽。
関羽はこのまま女色におぼれて、劉備のことなど忘れてしまうのでしょうか。
しかし関羽は曹操に向かい、ビシッと発言します。
「あなた様のご厚意には大変感謝しております。ですが主君の生死もわからない今
このような気分にはなれません」
そして、どんなによくしてもらっても、劉備以外の主に仕える気はないと言います。
ですが、関羽は断るだけではなく、曹操への感謝の言葉も忘れません。
「わたくしは忠への義(劉備への義理)とあなた様の好意への義の間に立って
大変心を痛めております」
それを聞いた曹操は、
「関羽こそ義の花だ」と言って感嘆します。
しかし、なにも女性関係の罠ばかり仕掛けなくてもいいと思うのですが。
曹操らしいと言いますか……。
ちなみに決してハニートラップに引っかからなかったストイックな関羽は、
現在「家内安全」の神様として関帝廟に祀られています。
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この記事を書いた人:東方明珠
こんにちは。とうほう めいしゅです。
中国は上海の雰囲気が好きなので、テレビ塔の「トンファンミンジュ」を名乗っています。
もともと『水滸伝』の大ファンで、『三国志』に興味を持ったのは、アーケードゲーム「三国志大戦」がきっかけです。
当時はゲームセンターに通いつめました!
まだまだ中国史について勉強中ですが、精いっぱい面白いことを探してお伝えしたいと思っています。
どうぞよろしくお願いいたします。