三国志ファンの中に、以下のような人は案外多いのではないでしょうか?
「三国志の主役といえば、なんといっても劉備と諸葛亮と五虎将軍!と、わかってはいるものの、なぜかその敵役の曹操軍の武将たちにも、親しみを持ってしまう」という人が。
そういう人たちにとっては、三国志の「悪役」といえば十常侍や董卓軍のことであって、曹操軍の武将たちに対しては、「彼らは敵役であって悪人ではない、むしろ友達にしたい連中」というような印象があるのでは?
かくいう私もその一人。曹操軍の武将が、とりたてて劉備軍と関係のない戦いに出てくると、「ぜひ活躍してほしい!」と応援し、曹操軍の武将が、劉備軍の前に立ちはだかった場合には、「死なない程度に、あまりカッコ悪すぎないカタチで、今回もやられてほしい」と応援(!)してしまいます。
そしてそういう場合の、曹操軍の「親しみが持てる武将」といえば、夏侯惇や夏侯淵や許褚と並んで、好人物の典型、徐晃の名前も出てくるのではないでしょうか?
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「オトコ」気質の多い曹操軍の武将でもダントツの好漢、徐晃!
きっと賛成してくれる方も多いものと信じて、こう言ってみたいと思います。徐晃ってなんだか凄くいい人そうな印象では?
なにせ『三国志演義』でも、好感度の上がる登場シーンばかり。
まずは李傕に追われている帝をかくまう、という素晴らしいタイミングで登場し、「大斧を使う達人」として強烈なインパクトを残します。
帝も「こんな頼もしい男が守ってくれるのか!」と大絶賛、第一印象で徐晃を信頼してしまったようです。
その後、陽奉の部下として、曹操軍の敵として登場したときには、戦場で大斧を振るう徐晃を見ていた曹操がたちまち「あの男をぜひ配下にしたい!」とほれ込んでしまいます。徐晃を登用する策を参謀たちと相談する時間を得たいがために、わざわざ一度軍を退却させているほど。
そして曹操軍に迎えられた後も、周囲から絶大な信頼を得ていた様子であり、また袁紹との戦いのさなかには、あの関羽とも熱い友情を結んだようです。三国志の名だたる英雄たちにこれほどに「いいやつ」とチヤホヤされる徐晃、実際にもそうとうに好人物だったのではないでしょうか?
劉備軍好きにとっても徐晃はありがたいキャラクター!
劉備軍が好きにとっても、「徐晃」って、めちゃくちゃありがたいキャラではないでしょうか?というのも、適度に強い武将でありながら、適度に強すぎないところもある(!)。
劉備軍以外の軍隊(まさに李傕軍など)と戦っている時は、一騎当千で強い。それゆえに劉備軍の前に立ちはだかった時も、「あの徐晃か!」と読者も緊張するインパクトがある。それでいて、関羽や張飛と戦うと、「あと一歩」でやはり関羽張飛が上、という適度なバランスになる。
言い方は悪いですが、劉備軍の英雄たちを引き立ててくれるために、生まれてきてくれた人に見えてしまいます。そもそも、そんな徐晃、劉備軍と戦いながらもどこかで関羽や張飛や趙雲のことを「さすが!」と認めてくれているような、爽やかさがある。
このあたり、他の曹操軍の武将は、もうちょっと暗い感情を見せることがあります。たとえば夏侯惇と夏侯淵は、本気で劉備軍に対して「いつかぜったいひねりつぶしてやる!」と怒っちゃっているようなフシがあり。
まとめ:どこかで「徐晃が仲間にならないかな」と思ったことはありませんか?
いまとなってはお恥ずかしい話ながら、私が初めて三国志を読んだ時、徐晃については「この人、そのうち劉備軍に加わるんじゃないかな?」と勝手に思い、ラブコールを送っていたものです。
実際、どうでしょう?
徐晃はちょうど「斧」という武器の特徴もあるので、黄忠の弓や馬超の槍などの、「五虎将軍」のそれぞれの得意武器ともかぶらない。でも徐晃は潼関の戦いで馬超と因縁ができているから、蜀入りは難しいって?
それはそうですが、馬超もまあ、あんな感じの好男子ですから、もし徐晃が劉備軍に参加してきた暁には、昔のことを水に流してうまくやるのではないでしょうか?
三国志ライター YASHIROの独り言
いっそ、馬超を主将、徐晃を副将にして漢中方面を守ってもらえれば、素晴らしい部隊ができたのではないでしょうか?
そうすれば、蜀入りした後は急に活躍しなくなってしまった馬超にも、もっと活躍の場が、、、あ、いや、馬超ファンのみなさま、今のは何でもないです!!
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