募集期間:2021年3月(1週間)
三国志演義の人外じみた描写は所々突っ込みたくなるものの、正史でも諸葛亮は真っ当すぎるほど真っ当に、そして優秀過ぎるほどに優秀です。そこで読者の皆さんに「諸葛亮の美徳を選ぶなら?」とアンケートで聞いてみました。
皆さんが選んだ諸葛亮の美徳、いったいどこでしょうか?
劉備に対する忠義
「結局のところ孔明の活躍は劉備への忠義からそうさせたと言うに尽きると思います」
「すべて当てはまるような気がいたしますけれども、やはり忠義一徹が根本なのだと思います」
「「美徳」なら劉備への忠誠心」
引用元:はじめての三国志TV
諸葛亮の劉備への並々ならぬ忠誠心は、出師表からも読み取ることができます。
強大な魏、敵が余りに強大であることを理解し、勝てるかどうかも難しいと思いつつも、それでも立ち向かい続けた……その原動力が何かと言えば、劉備への忠と義。だからこそ死ぬまで戦い続けた、あくまで臣下で居続けた、この忠義は、比類なきものでしょう。
関連記事:曹魏の副首都、鄴は巨大な監獄だった?
関連記事:倍率ドン!さらに倍!魏王朝を肥らせた屯田民の空前の規模とは?
汚職とは無縁の潔白さ
「信賞必罰!任命責任を取って、自ら降格する公平さですかね」
引用元:はじめての三国志TV
かの有名な泣いて馬謖を斬る、任命された馬謖が任務を全うできないばかりか、記録によると大敗した後に処罰されることを恐れて逃亡……と諸葛亮でなくともこんな報告をされたら泣くだろうな……という一件になっています。
しかし諸葛亮はただ馬謖を処刑するだけでなく、その馬謖を任命した自身も責任を取って降格処分としました。上司も上司できっちり責任を取る、これは諸葛亮の潔白さを表した例ですね。
関連記事:馬謖の山登りは王平が原因だった!陳寿が隠した真実?
関連記事:公正な諸葛亮と「法正」の微妙な関係とは?馬謖を斬ったのに漆黒の軍師には甘かった理由
劉禅を支えた無欲
無欲さへのコメントではないのですが、このようなコメントがありました。
「劉備だけでなく蜀に対する忠義ではないかと思います」
引用元:はじめての三国志TV
劉備への忠義はもちろんあったでしょう。しかし同時にその忠義は、国自身へも向けられていたのではないか。だからこそ「もしも」の話を劉備にされても、諸葛亮はそれに沿うことはなかった。自らの全てを忠義に消化したとなれば、それはある種の「無欲」なのかもしれません。
関連記事:【三国志を斬る】劉禅は自ら政務を執った能動的君主だった!
関連記事:姜維の北伐は劉禅の意向でもあった?北伐と劉禅の統治を考える
北伐費用をねん出した政治力
「一番評価対象に相応しそうな政治能力ですかね?」
「どう考えても何回北伐しても国を保っていた政治家としての能力一択」
「国力を絞り尽くしたと言ってもいいほど軍事偏重だったにも関わらず、民衆から支持された公平な政治かな」
引用元:はじめての三国志TV
戦争するにはお金がかかります。当然ながら色んな物資を用意しなければなりません。そんな戦争をやって勝ったならまだしも、勝てなかったら悲惨です。
しかし諸葛亮は北伐を何度も繰り返した、それはつまりそれだけの政治能力があったということ。北伐の繰り返しは戦いとしての勝利はなかったとしても、諸葛亮の政治能力を知らしめる機会となっているのは……ちょっと皮肉ですね。
関連記事:もしも第一次北伐に関羽が生きていたらどうなった?諸葛亮と関羽の共同作戦を考えてみた
関連記事:三国志の名政治家、諸葛孔明が無謀な北伐を繰り返した理由とは?
【北伐の真実に迫る】
もっともっと
「北伐に対する秘めた熱意でその他に一票」
引用元:はじめての三国志TV
諸葛亮の北伐は、劉備への、そして国への忠義。だとしても何度も何度も魏へ立ち向かう様は、ある種の熱意、時に狂気さえ感じさせます。ここで再び出師表を見てみましょう、そこにはこうあります。
「私は恩を受けた事の感激に打ち克つことが出来ません」
諸葛亮は自分を見出し、重用してくれた劉備への恩、そしてそれに感激していました。だからこそ止められなかった。そう思うと、諸葛亮も中々に秘めたる闘志の熱さを思わせます。
関連記事:劉禅を泣かせた出師の表のこぼれ話
三国志ライター センのつぶやき
諸葛亮は正に「非凡」です。並べた中でもどれも優れているのではないか、そういうコメントもありました。どれもこれも挙げてみれば納得してしまう、それだけの人物。そういう点が、諸葛亮の魅力なのかもしれませんね。どぼーん。
関連記事:『出師の表』に学べ!涙を誘うスピーチを用意したいなら泣かせどころをおさえた諸葛亮の名文
関連記事:【岳飛】現存している出師の表の執筆者は諸葛亮ではなく岳飛だった
引用元:はじめての三国志TV