さて西遊記の登場人物の一人、猪八戒。実際に法名として観世音菩薩に頂いた名は猪悟能ですが、三蔵法師からはとある理由から八戒、と呼ばれます。こちらの名前の方が馴染み深いですね。
そんな猪八戒ですが、実は沙悟浄と同じく天界を追放処分された身です。そしてそれにはもちろん理由があるのですが……その理由となった人物に謎がひとつ。今回はそれも合わせてご紹介したいと思います。
この記事の目次
水中戦が得意!ズゴッグみたいな天蓬元帥の悪癖
元々、天界の天の川の管理、水軍を指揮する天蓬元帥という人物がいました。実はこの人こそ猪八戒です。何気に水軍を指揮していた経験からか、八戒にも「水中戦が得意」という特技があります。
さてそんな天蓬元帥には有名な「癖」がありました。そう、女癖がたいそう悪かったようです。そしてその女癖の悪さこそが、天蓬元帥を猪八戒にまで落としてしまうことになるのです。
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嫦娥にセクハラし天界から叩き落とされる
さてある日、天界では蟠桃会が行われました。
※何気に蟠桃会で悟空がやりたい放題されたり、悟浄がミスして追放されたりするので、生まれ変わっても蟠桃会だけは出たくないパーティですね……。
その蟠桃会で、酔っ払ってしまった天蓬元帥。嫦娥という天女に言い寄りました。たいそう強引に言い寄ったようで、このために鎚で2000回打たれ、地上に落とされることとなりました。やはりアルコールの過剰摂取はいけませんね。
猪八戒の前世天蓬元帥とは?
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手違いでメス豚の腹に入り豚妖怪になってやさぐれる
地上に落とされて人として産まれることになったはずだった天蓬元帥。今度こそ真面目にやろうとしていたのですが、ここで痛恨のミスをやらかします。間違って女性のお腹の中ではなく、雌豚の腹に宿ってしまったのでした。
ちょっととんでもないミスですが、このために天蓬元帥は豚の妖怪として産まれることになり、なんと母豚の腹を喰い破って産まれ、群れの豚や他の人間も食い殺す妖怪となります。真面目にやるとは一体。
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観世音菩薩に負け三蔵法師のお供になる
そんなやりたい放題をしていた彼の元を通りかかったのが、観世音菩薩様。勢いのまま襲い掛かったのですが、まあ勝てる訳もなく。相手が観世音菩薩様と知ったので慈悲を乞います。すると観世音菩薩は彼に「いずれここを通りがかる僧のお供をして、天竺へ行くように」と諭し、猪悟能と法名を与えるのでした。
この時に野菜五種と三種の肉、「八戒」を自ら絶ったことで後に猪八戒と呼ばれるようになります。そして色々あって三蔵法師ご一行のお供となるのでした。
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