辛毗は曹丕を遠慮なく激しく諫めたのにどうして処罰されなかったの?

2022年9月24日


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張昭

 

立場が上になればなるほど、(いさ)めてくれる人がいなくなります。しかし諫めてくれる人がいなくなるのは、皇帝レベルになると国の崩壊フラグ。こういう諫言(かんげん)する人といえば呉の張昭おじいちゃんが有名ですが、魏の曹丕(そうひ)にもちゃんといました。

 

かの人こそ(しん)ピ、はっきりしっかり物怖じせずに必要なことをいう人物です。今回はその辛ピと曹丕のお話をしたいと思います。

 

 

監修者

ishihara masamitsu(石原 昌光)kawauso編集長

kawauso 編集長(石原 昌光)

「はじめての三国志」にライターとして参画後、歴史に関する深い知識を活かし活動する編集者・ライター。現在は、日本史から世界史まで幅広いジャンルの記事を1万本以上手がける編集長に。故郷沖縄の歴史に関する勉強会を開催するなどして地域を盛り上げる活動にも精力的に取り組んでいる。FM局FMコザやFMうるまにてラジオパーソナリティを務める他、紙媒体やwebメディアでの掲載多数。大手ゲーム事業の企画立案・監修やセミナーの講師を務めるなど活躍中。

コンテンツ制作責任者

おとぼけ

おとぼけ(田畑 雄貴)

PC関連プロダクトデザイン企業のEC運営を担当。並行してインテリア・雑貨のECを立ち上げ後、2014年2月「GMOインターネット株式会社」を通じて事業売却。その後、「はじめての三国志」を創設。戦略設計から実行までの知見を得るためにBtoBプラットフォーム会社、SEOコンサルティング会社にてWEBディレクターとして従事。現在はコンテンツ制作責任者として「わかるたのしさ」を実感して頂けることを大切にコンテンツ制作を行っている。キーワード設計からコンテンツ編集までを取り仕切るディレクションを担当。


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元々は袁紹に仕えていた転職組の辛毗

 

辛毗は辛評(しんぴょう)の弟で、兄と一緒に袁紹(えんしょう)に仕えていました。嘗ては曹操(そうそう)からも「うちにきて」と言われたこともあったようです。

 

ともあれ袁紹は重要なポイントで亡くなってしまったので、それ以後は兄と共に袁紹の長子、袁譚(えんたん)に仕えることになります。この時に嘗ての袁家の仇敵、曹操への講和の使者となり、同盟を悩む曹操を説得したりしています。

 

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辛評の家族を殺した審配を曹操に頼んで処刑

審配(しんぱい)

 

さて始まった袁譚と袁尚(えんしょう)の後継者争い……は、その配下に飛び火していました。袁尚の配下だった審配(しんぱい)郭図(かくと)、そして辛兄弟への恨みからその家族を捕らえようとします。この際に郭図、辛毗の家族は逃れたものの、辛評の家族は捕まって処刑されてしまいます。

 

後に審配は覚醒して奮戦し、その審配を捕らえた曹操も「どうしようかな?」と悩むのですが、この一件を号泣して辛毗が訴えたため、審配は処刑されることになります。何気にこの時の審配は結構カッコいいです。

 

辛ピはどんな人?

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曹丕は後継者になった時、辛毗にハグして喜ぶ

曹丕に喧嘩を売る曹植と楊脩

 

そんな辛毗は、その後は曹家に長く仕えることになります。曹丕との仲も良好だったのかどうかは分かりませんが、曹丕が無事に後継者となることが決まった際には、大喜びした曹丕は辛毗に飛びついて喜んだ、と言われています。

 

辛憲英(しんけんえい) 女性

 

因みにこの話を家でした辛毗、娘の辛憲英(しんけんえい)から「それ大丈夫?」と、国の行く末を案じられるようなことを言われたという逸話としても残っているのがちょっとおかしい所。

 

辛ピの娘は辛ピを上回る才女だった

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曹丕の狩猟を部下が疲れると諫める辛毗

 

そんな辛ピですが、彼は曹丕を諫めることに定評があります。何かあると、曹丕を諫めるのです。とは言ってもやることなすことに反論するというよりは、理論整然と正論を言うという感じですが……。

 

それはある日のこと。

曹丕は趣味の狩りにでました。

雉撃(きじう)ち楽しかったー!」と浮かれる曹丕に辛ピは諫めて曰く

「楽しいのは陛下だけですよ。臣下はみんな大変です」

曹丕は黙ってしまい、しかし思う所があったのかそれ以後、狩りにはいかなくなったと言います。

 

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両親の持っていた横山光輝の「三国志」から三国志に興味を持ち、 そこから正史を読み漁ってその前後の年代も読むようになっていく。 中国歴史だけでなく日本史、世界史も好き。 神話も好きでインド神話とメソポタミア神話から古代シュメール人の生活にも興味が出てきた。 好きな歴史人物: 張遼、龐統、司馬徽、立花道雪、その他にもたくさん 何か一言: 歴史は食事、神話はおやつ、文字は飲み物

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