全国の張飛ファンのみなさま、お待たせいたしました!
ときには上司が気に喰わないからといってブン殴って逃走し、
あるときには留守番を頼まれたのに深酒をして城を乗っ取られ、
さらには気にくわないことがあれば部下を半殺しにする、
我らが愛すべき弟、張飛翼徳(ちょうひ よくとく)
名誉挽回の日がついにやってきました。
瞞天過海の計
それは、218年、蜀軍による漢中攻略戦のさなかでした。
巴西を守っている魏の張郃(ちょうこう)に対し、
張飛は「あざけりの計」を使って城の外へおびき出そうとしますが、
張郃は、なかなか出てきません。
そこで、張飛は計略をしかけます。
それが「瞞天過海(まんてんかかい)の計」です。
瞞天過海の計とは、空を見上げてのんびりと海を渡ること、
つまり、わざとのんきなふりをしてみせることです。
張飛は、戦場で酒盛りを始めました。
孔明もノリノリで張飛の計略に乗りだす
ここへ、孔明もその計略に乗っかります。
「どうぞ、どうぞ、どんどん飲んでください」
と、張飛のもとへ美酒を贈りつけます。
張郃はこれを見て、しめしめと思いました。
夜襲をしかけるのですが、これは張飛の罠。
張郃軍は待ち伏せしていた張飛軍にさんざんに打ちのめされてしまいました。
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暗渡陳倉の計
張飛の計略は続きます。
巴西を逃げ延びた張郃は、今度は瓦口関(がこうかん)に
陣を構えました。
瓦口関は背後が山の天然の要塞となっていました。
ここに引きこもって援軍を待たれては、
せっかくの勝機が失われてしまいます。
張飛はそこで、後ろの山に登って、上からの攻撃をしかけたのです。
これを、ひそかに陳倉(ちんそう・地名です)に渡る、
すなわち、こっそりと相手の思わぬところに移動して、攻撃することを
「暗渡陳倉(あんとちんそう)の計」といいます。
張郃は、またしても張飛の計略の前に敗れたのです。
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この記事を書いた人:東方明珠
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通称「はじさん」のはじっこライター東方明珠です。
普段は恋愛系のノベルやシナリオを書いています。