この記事の目次
- 1ページ目
- 原泰久のココが凄い1 超ポジティブ思考
- 原泰久のココが凄い2 単行本の売れ方が全巻変わらない!
- 原泰久のココが凄い3 週刊少年ジャンプ黄金期育ち!
- 原先生のココが凄い4 一度サラリーマンをした経験を活かしている
- 原先生のココが凄い5 自由に描けるから春秋戦国時代を選んだ!
- 2ページ目
- 原泰久のココが凄い6 最初はどうでも良かった主人公信(笑)
- 原泰久のココが凄い7 大迫力合戦シーンは8名がかり!
- 原泰久のココが凄い 8 王騎を殺した時には涙・・・
- 原先生のココが凄い 9 河了貂は活躍する予定ではなかった・・
- 原泰久のココが凄い10 悪にも理由があると考える深い洞察
- キングダムライターkawausoの独り言
原泰久のココが凄い6 最初はどうでも良かった主人公信(笑)
キングダムと言えば、秦王政と信、この二人を除いては語れません。
しかし、当初、秦王政の視点から漫画を描きたいと考えていた原先生にとって
主人公信は、政をサポートする脇役でした。
でも、政を主人公にすると、宮廷の権力闘争がメインになり、
血沸き肉踊る合戦のシーンを描く機会が少なくなります。
そこで、担当者のアドバイスで、政と信をダブルの主人公にして、
交互の視点から漫画を進行させるようにしたそうです。
この頃、原先生が昔、アシスタントをしていた井上雄彦氏が、
内容はいいから、信の目をもう少し大きく描いた方がいいよという
アドバイスした事があったというのは有名な話です。
原先生の描く主人公は、みな、目が大きく印象的なので、
信の目を大きく描く事で、「こいつも主役ですよ」という
無言のメッセージを読者に送っていったわけですね。
ここから、連載当初は人気が振るわず、雑誌の最後にクレジットされていた
キングダムは、大きく人気を得るようになり、今のような超人気コミックに
なっていったんです。
原泰久のココが凄い7 大迫力合戦シーンは8名がかり!
キングダムと言えば、実写と見紛うような大迫力の合戦シーンです。
並みの漫画なら、丸やベタで省略される一兵卒や馬に至るまで、
細かく描かれ、1ページに何千人描きこんでいるんだと感心します。
実はこれ、コピーやデジタル処理は一切使用せず、すべてマンパワー(笑)
最初に原先生がメインキャラと、吹き飛ばされる人をちょいちょい描いて
あとは、最大8名のアシスタントに「これ増やして」と言って渡しているそうです。
もちろん、普通のアシスタントでは、どうしていいやら分からないので、
ベテランのチーフアシスタントが最初にペンを入れて、指示を出していく
という事のようですが、かなり大変なようです。
また、映画を沢山見た原先生は、合戦シーンをカメラアングルで捉える事が多く、
それが臨場感がありリアルなシーンを産んでいる事も見逃せません。
原泰久のココが凄い 8 王騎を殺した時には涙・・・
原先生の漫画は、史記に依拠しているので、歴史上、死ぬ事になっている
キャラクターは必ず死にます。
例えば、秦王政の弟の成蟜(せいきょう)も史実では死ぬ時期が明記され、
分かっているので、ああいう最後を迎える事になりました。
その辺りは、かなりシビアに漫画を描いているんですね。
それでもキングダムの序盤で大きな役割を演じる秦の六大将軍、王騎を
殺す時には、それまでに王騎(おうき)をかなり大きな存在にしてしまったので、
「どうやって王騎を殺せばいいんだろう、死ぬんだろうか?」
とかなり悩んだそうです。
武神龐煖(ほうけん)に、ただ殺させるだけでは、
当然、読者も王騎も納得しないので、本当は、もっと後に登場する予定の
李牧(りぼく)を登場させてWで王騎を挟み、さらに、矢が王騎に刺さるという
不運の要素を入れた上で王騎に死んでもらっています。
でも、実際に読者がどんな反応をするか内心では
ドキドキしていたようですが凄い反響が読者からあり、
それで間違っていなかったと安心したようです。
ちなみに、王騎を自分のペンで殺した時に思わず涙を流したと原先生は言っています。
王騎一人ではなく、尾到(びとう)が死ぬ時も、泣いたそうですよ。
自分が生み出したキャラクターを殺す時に、泣いてしまうなんて、
原先生、漫画に対して、めちゃくちゃ純粋なんですね。
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原先生のココが凄い 9 河了貂は活躍する予定ではなかった・・
今では、五〇〇〇人の規模になった飛信隊の貴重な頭脳を担当する
軍師として振る舞う河了貂(かりょうてん)愛称、てんちゃん。
連載当初の、チョコボールのキョロちゃんのような姿だった頃からは
信じられないような出世&進化ぶりです。
実は、原先生も、河了貂を軍師にしようとは考えていなくて、
王弟反乱編が終わったら、王宮に居場所をもらって住んでいるか、
政に協力した謝礼でもらったお金で建てた家で一人暮らしを始めるか
という設定にしていたそうです。
でも、河了貂を出して!軍師なら出せるでしょ?
という声がスタッフからあり通常は、途中で物語設定を変更しない
原先生としては異例の設定変更。
ただ、当初、河了貂が後に軍師になる伏線は、張っていなかったので、
急きょ、昌平君が建設した軍師学校に貂を入学させるなどとバタバタしましたが、
今は目出度く、軍師というポジションに収まっているのです。
原泰久のココが凄い10 悪にも理由があると考える深い洞察
キングダムでは、当初、憎たらしいキャラが、話が進むにつれて、
魅力的なキャラに変化するケースが多く出てきます。
王騎なんて、最初は、オネェ言葉を話す気持ち悪いオッサンでしたが、
その外見から想像も出来ない、悲しい過去と武人としての立派な態度から
熱狂的な人気を集めるレジェンドになりました。
秦王政の弟の成蟜も、当初は血統だけに重きを置き、母の地位が低い
政を憎悪し、成りあがり者を病的に憎む、嫌な小男でしたが、
政や信の生き方を通して、考えが変化していき、最後には、
兄を補佐して、共に秦を支えようとする所まで成長します。
秦王政の生母で、趙において、かつての恋人と夫に捨てられて、
苦しみと憎しみから性格が歪んだ太后も、
元々は呂不韋(りょふい)があてがった巨根の嫪毐(ろうあい)に
心から愛されるようになり、凍てついた心を開き、
さらに、子供を産む事で過去の呪縛から解放されていきます。
これにもちゃんと理由があり、原先生が悪人にも、
悪人になるなりの理由があってそうなっていると考えて、
悪くなった理由を探すから起きる事だそうです。
秦王政と呂不韋の激論だって
「争いは人間の本能であり、この世から戦は無くならない
ならば経済の戦を行い血の流れる戦争は
極力排除するようにもっていくしかない」
と考える呂不韋のリアリズムと
「人の本質は光であって、争いではない
長期的に戦乱がない世の中は、造り出せる筈だ」
と主張する政の信念が激突します。
こちらなどは、もう、現実肯定論と、
現実を理想に一歩でも近づけようとする現実漸進論の激突で、
どちらが間違いで、どちらが正しいなんて安易に言えない話ですよね。
キングダムはそれぞれ複雑な事情を抱えたキャラ達の戦いなので、
勧善懲悪のストーリーとは違い、話に深みがありますよね。
そこもキングダムの魅力ではないか?と思います。
キングダムライターkawausoの独り言
キングダムって、秦王政が中華を統一したら終わり?という疑問に
原先生は、中華統一で終わりではない、秦がたった15年で崩壊する時も
その後の事も、漫画ではダイジェストになるかもしれないけど、
描くつもりだと明言しています。
という事は、という事は、、それが楚漢戦争に引き続く流れになり、
張良(ちょうりょう)というようなお馴染みのキャラクターも
出現するかも知れません。
すでに、項羽の父親ではないか?と思える項翼(こうよく)も
登場している事ですし・・
その頃には、100巻、いや、120巻位にはなっているかも
知れないですが、今後のキングダムにも期待しましょう。
写真引用元:キングダム連載十周年 実写特別動画プロジェクト
写真引用元:SWITCHインタビュー 達人達(たち)「原泰久×シブサワ・コウ」